【勉強をする理由②】AIという強力なツールを使いこなすための思考力を磨く

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勉強をする理由は、「環境」と「仲間」を得るための手段でも書きましたが、他にもあります。

以下ではレイズがどのような授業をしているかを絡めて勉強をする理由について書いています。

「やらされる勉強」から「自ら学ぶ」へ

「自らの意思で」学びに向かう姿勢を育むことこそが、本来勉強する理由の一つだと思います。

もちろん、子どもが「勉強をする意味」を実感するのが難しいことは理解しています。

定期テストで高得点を取る子であっても、「親に言われるから」「先生に怒られるから」という理由で勉強しているケースが大半を占めるでしょう。

また、「勉強=定期テストでいい点を取ること」と信じ込んでいる子も多くいます。

中学生くらいまでの段階では、それは必ずしも悪いこととは言い切れません。

目の前にある目標に向かって努力する経験としては価値があるからです。

しかし、大人が一方的に「将来役に立つから」と説いたところで、子どもが心から納得し、自発的に学ぶ姿勢へと変わるとは限りません。

もし、「勉強はテストのためだけのもの」「言われたことだけやればいい」という意識のまま大人になれば、指示がなければ何もできない人間になってしまいかねません。

そうならないためにも、「勉強をしなさい」と口だけで伝えるのではなく、子どもたちに学ぶ理由を常に語りかけ、考える機会を与えることが大切だと思います。

自ら問いを立て、未来を切り拓く力

昨今、「与えられた課題を正確にこなす能力」が価値を持っていたこれまでの社会は、AIの登場によって激変しつつあると言われています。

計算や情報収集、定型的な文章・イラスト・動画・音楽の作成など、人間がAIに及ばないところまで性能が高まっています。

私自身も話題のAIを実際に体験し、AIが指示に従って提示する内容に衝撃を覚えているところです。

実際にAIを使ってみれば誰もが痛感せざるを得ないと思いますが

これからの時代

単に知識があるだけで、誰からの指示もなければ自分では何もできない「指示待ち」の人間の価値は、相対的に下がっていくことは間違いありません。

価値が高まるのは、以下の能力だと私は思っています。

  • どのような問いを立てるか(課題設定力
  • AIに何をさせるか(指示力
  • 結果をどう解釈し、次の行動を決めるか(意思決定力

これらすべては、「自分の意思で考え、行動する力」にほかなりません。

私が子どもたちに獲得してもらいたいものは、受動的な「指示待ち」の意識を脱却し、AIという強力なツールを使いこなし、知識を思考の土台として行動する「自立的思考力」です。

子どもの力を伸ばす「学齢別」学びの進め方

学習の目的を「長期的成長(自立的思考)」と「短期的目標(受験合格)」に明確に分け、学齢に応じてやるべきことを変えていくべきだと考えています。

小学生:思考の土台となる「問い」と「表現力」の育成

人格形成と学習の基礎を培うこの時期には、「自ら考え、判断し、表現する力」を育むことを最優先に据えます。

特に国語では一般的な授業が「正解探し」に終始しがちなのに対し、私は文章を思考を深めるための土台として扱います。

読解問題では、答えを書いてもらう前に「この文章からあなたは何を感じた?」「なぜそこが印象に残った?」「それについてあなたはどう思う?」という問いを投げかけます。

  1. 情報のインプット(文章を読み内容を理解)
  2. 情報の処理と結合(理解した内容から思考)
  3. 独自の意見のアウトプット(考えたものを自分の言葉で表現)

この訓練を繰り返すことで、子どもたちは「正解」を待つのではなく、自分なりの視点や判断を生み出す習慣を身につけてもらいます。

中学生:「知識」と「問題解決力」の習得

高校・大学進学後も見据え、「人から教わらなくても自力で成果を出せる力」を養います。

英語・数学

英語・数学は単なるパターン暗記ではなく、文の構造や原理原則を根本から理解させます。

解説は基本に留め、それ以外は極力自力で解く訓練をさせます。

自力で解決が難しい場合は、すぐに答えを教えるのではなく、ヒントを小出しにし、粘り強く自力で問題を解決する力を培います。

理科・社会

効率的な暗記法や問題集の進め方を指導し、自力で計画的に習得を進めるよう促します。

これにより、「勉強は人から教えてもらわなくても自分で習得できる」という自律的な学習への自信をつけさせます。

理科・社会の指導の核は、「思考力」を知識の習得や問題解決のプロセスを通じて実践することにあります。

高校生:目標達成のための「能動的な戦略実行力」

思考力の土台ができた高校生以降は、「自らの意思で」選んだ進路に合わせて、結果に徹底的にこだわります。

一般選抜入試を目指す場合

大学の一般選抜入試は、「合格」という結果がすべてといっても過言ではありません。

思考力に直結しない単純暗記やパターン暗記にも多くの時間を割く必要がありますが、そこは割り切る必要があります。

合格のために何をすべきかを見極め、合格するための勉強に徹するべきだと思います。

 総合型選抜・専門分野を目指す場合

やりたいことが明確な生徒にとって、一般選抜のための暗記勉強に時間を費やすよりも、その分野を深く探究して総合型選抜での合格を目指すほうが、時間を有意義に使えるはずです。

そもそも、すでに目標が定まり具体的な行動を起こしているのなら、大学進学は唯一の正解ではなく、就職や起業といった道も十分に有力な選択肢となります。

特に、高校時代に起業することは、このどちらの進路にとっても非常に有効な手段です。

事業が軌道に乗ればそのまま経営者として道を歩めばよいですし、仮にうまくいかなかったとしても、高校生で起業したという経験は、失敗を含めて極めて貴重な財産になります。

そして、その経験で得た学びや探究心をアピールできれば、大学の総合型選抜においても大きなアドバンテージになるはずです。

目標が定まっていない場合

やりたいことがないからこそ、今は必死に勉強して偏差値の高い大学を目指すことを勧めます。

学歴は、将来の選択肢を広げるための強力な武器になるからです。

絶対にやってはいけないのが、「勉強も就職もしたくないから」という理由で、安易に入学できる学校へ逃げることです。

強い意志を持って専門学校へ行くなら素晴らしいことですが、目的もなく「なんとなく」で進路を決めるのは非常に危険だと言えます。

その選択は、将来あなたが「できること」を確実に減らしてしまいます。今は腹を括って一般入試に向けた勉強に集中し、未来の自分のために選択肢を勝ち取ってください。

塾の役割:内発的動機を育む学習環境

「自立」を目標に掲げながら、塾が学習を管理することに矛盾を感じるかもしれません。

しかし、最初から強い意志だけで行動できる子どもは稀です。

レイズが提供する環境は、あくまで「学習のリズムを作り、成功体験を積み重ねるための場所」です。

塾という環境を上手に利用し、まずは自分で考える習慣を身につけ「わかった!!」「できた!!」「そういう考え方もあるのか!!」という体験を重ねてください。

その自信がやがて「もっと知りたい」「自分でやりたい」という内発的な動機へと変わっていくはずです。

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