【福岡大学|A方式】学校推薦型選抜は合格しやすいのか?

B!

福岡大学には学校推薦型選抜入試(A方式)について書いています。

令和6年度入試の結果を基に書いているので令和7年(2025年)以降に受験する人は必ず最新の募集要項を確認するようにしてください。

募集人員と合格者数を確認

令和6年の学校推薦型選抜試験の結果は以下の通りでした(カッコ内の数字は令和5年度)。

まずは自分が受験しようと考えている学科の募集人員と合格者数を確認してみてください。

学部 学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 競争率
人文学部 文化 14 42(49) 42(49) 24(23) 1.8(2.1)
歴史 7 26(32) 26(32) 9(12) 2.9(2.7)
日本語 8 27(29) 27(29) 16(15) 1.7(1.9)
教育臨床 16 66(59) 66(58) 22(24) 3.0(2.4)
英語 14 58(51) 56(51) 25(24) 2.2(2.1)
ドイツ 3 4(9) 4(9) 4(6) 1.0(1.5)
フランス 3 6(2) 6(2) 4(1) 1.5(2.0)
東アジア 10 43(36) 42(36) 10(12) 4.2(3.0)
学部 学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 競争率
法学部 法律 40 83(92) 83(92) 62(55) 1.3(1.7)
経営法 10 28(21) 28(21) 22(15) 1.3(1.4)
経済学部 経済 22 121(115) 120(115) 45(45) 2.7(2.6)
産業経済 8 47(27) 47(27) 23(15) 2.0(1.8)
商学部 14 74(91) 74(91) 23(27) 3.2(3.4)
経営 14 84(72) 83(72) 27(24) 3.1(3.0)
貿易 11 32(37) 32(37) 23(21) 1.4(1.8)
商二部 12 22(25) 22(25) 15(14) 1.5(1.8)
学部 学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 競争率
理学部 応用数理 6 5(10) 5(10) 4(3) 1.3(3.3)
社会数理 2 9(6) 9(6) 2(1) 4.5(6.0)
物理科学 9 7(9) 7(9) 5(6) 1.4(1.5)
化学 9 26 26 13 2.0
地球圏 8 15(23) 15(23) 9(8) 1.7(2.9)
学部 学科 募集人員 志願者 受験者 合格者 競争率
工学部 機械 14 20(11) 20(11) 11(9) 1.8
電気 14 12(13) 12(13) 6(7) 2.0(1.9)
電子情報 19 44(47) 44(48) 22(25) 2.0(1.9)
化学シス 12 8(12) 8(12) 5(8) 1.6(1.5)
社会デザ 14 17(13) 17(13) 10(10) 1.7(1.3)
建築 14 40(43) 40(43) 22(22) 1.8(2.0)
学部 学科 某集人員 志願者 受験者 合格者 競争率
医学部 看護 13 86(80) 86(80) 23(27) 3.7(3.0)
薬学部 薬学 25 86(86) 86(86) 34(32) 2.5(2.7)
スポーツ スポ(実) 60 93(114) 93(113) 58(61) 1.6(1.9)
スポーツ 4 23(24) 23(24) 7(5) 3.3(4.8)
健康(実) 10 13 12 10 1.7
健康 7 20 20 8 2.5
合計 446 1287 1281 603 2.1

志願者1287人中、1281名が受験しているので、受験しなかったのはわずか0.4%(6名)です。

医学部医学科は省略しています。

理学部の物理・化学・健康運動科は令和5年の数字は掲載していません。

一般選抜前期・系統別との違い

一般選抜と違うのはたくさんありますが次の3点は必ず抑えておくようにしてください。

  1. 受験時期
  2. 受験科目・時間
  3. 合格者の数

受験時期

受験時期は一般選抜よりも2か月ほど前(11月下旬)に実施されます。

早い時期に受験があるので勉強を始めるのが遅かった受験生に不利になる一方、早い段階から福大に合格するために必死に勉強してきた受験生には有利になります。

科目・時間

文系学部(看護学科含む)のほぼすべての学科は英語と国語の2科目が試験科目に指定されています。

理・工・スポーツは英語が必須になっていない学科も多くあるので、英語が苦手だけど理系科目は得意という場合一般選抜よりも合格しやすくなるかもしれません。

合格者の数

一般選抜前期・系統別は受験年度によって合格者の数が大きく変わります(募集定員の5倍くらいの合格者を出す年度もあれば、3倍くらいしか出さない年度もある)。

ある年度は定員40に対し80人しか合格者が出なかったのに、別の年度では40人に対し150人も合格者が出た

なんてことも起こりうると思ってください。

「そんなに違うんだったら、合格者が多く出る年に受験したほうがお得になるじゃん」

と思うかもしれませんが・・・

その通りなんです。

合格者が多く出る年は確実に合格しやすくなります

 

一方、A方式推薦では多くても定員の2倍くらいしか合格者が出されません。

なので、どの年度で受験しても志願者数が大幅に増えるといったことがない限り、合格するのが難しくなったり簡単になったりすることはないと思って構いません。

 

あとは、これは一般選抜のときでも同じだと思いますが

合格者が募集定員に満たないこともあるみたいなので(理学部・工学部を確認してください)、科目試験では最低ラインが設定されていることは確実です。

過去のデータを見て「募集定員のわりに志願者数が少ないから英語も数学も全く自信がないけど合格できるかもしれない」と淡い期待を持つのは勧めません。

現時点で合格の可能性が低いと自覚している受験生は、合格するためには死ぬ気で頑張り続けてください。

A方式で受験する前の注意点

受験生の中でA方式推薦を考えている人は必ず募集要項で出願資格を確認してください。

特に注意すべきことは以下の4点です。

  1. 合格したら必ず入学しなければならない(商学部二部を除く)
  2. 学部によっては一定以上の内申点が必要
  3. 試験は2科目(各科目50点)、面接(20点、法学部は40点)
  4. 提出書類が面接評価に活用される

提出書類には調査書や志望理由書などがありますが、調査書は既に決まっているので自分ではどうにもならないので、重要なのが志望理由書だとは思います。

とはいっても

受験生は提出書類を気にするより

一部の学科を除き合否はほぼ科目試験の結果で決まる

と思っていたほうがいいです。

「内申点が低いから合格できない」と不安になる受験生も多くいるみたいですが

提出書類は高校が推薦を許可してくれている時点で一定の保証がされているので合否に大きく影響するほどの差はでないはずです。

また、面接も型にはまった対策をするしかないので(アドミッションポリシーをしっかりと確認し、面接でよく聞かれる内容を準備しておくだけ)合否を分けるほどの差が出るとは思えません。

アドミッションポリシーや志望理由を全く考えていない子は点が低くなるかもしれませんがそれを除けば差がついたとしても1・2点くらいだと推測できます(どこまで面接を重視しているか推測の域を出ませんが、おそらくそこまで重視されなていない可能性が高いです)。

 

合格するために一番重要なことは

試験で可能な限り高得点を取る

これにつきます。

 

本番では点は取れたんだけど「内申と面接で失敗した…」なんて言い訳は恥ずかしいのでしないでおきましょう。

単に実力がなかっただけだと認め、一般入試で合格するために必死になって勉強をしましょう。

推薦を受けると決めたときの注意点

注意点をいくつか挙げておきます。

一般よりも簡単に合格できるとは限らない

推薦入試は

  • 一般よりも倍率が低い
  • 一般よりも問題が簡単
  • 試験科目が少ない

ということから一般選抜よりも合格しやすいように見えてしまいます。

しかし、期待するほど簡単になるとは思えません。

一般選抜と比べ問題が簡単になっているのは明らかですが、たった60分であの量の問題を6割以上を簡単に取れるでしょうか?

試験時間が無限に与えられていたら満点も狙えるかもしれませんが、一度時間制限アリで過去問を解いてみたらそう簡単ではないことにすぐに気づけるはずです。

 

一般よりも合格の可能性が高まる受験生がいるとすれば

勉強を始めるのが遅く、3科目勉強する時間が足りず2科目でしか勝負できないというような場合だと思います。

モチベーション維持

試験が終わったら肩の荷が下りて急にやる気がなくなる子も多いので、そうならないように、

推薦入試終了後、家に帰ってからすぐに一般選抜に備えて勉強を始めてください。

 

また

ダメもとで推薦を受ける受験生も多くいると思います。

不合格になると分かって受験していたとしても

実際に不合格の通知を受けてしまうと

「あっ、自分はやっぱり合格できない」

「推薦ですら合格できなかったのに一般で受かるわけがない」

と弱気になりモチベーションが下がる可能性もあります。

一般でも受験を考えている子は

「推薦で不合格になっても絶対にモチベーションを下げない」

と自分に言い聞かせ、受験終了後、休むことなどせずすぐに勉強を始めましょう。

模試の結果は気にしない

模試の結果を気にする必要はほとんどありません。

福大の入試問題と模試の問題では求められている知識・技能が全く異なるのでたとえ模試で偏差値55前後でB判定を取れていたとしても

福大の問題を一度も解かないまま受験した生徒は合格できるかどうかかなり微妙になるはずです。

ちなみにうちの塾では2021年~23年度の入試で偏差値30台から福大に合格できた子が毎年2人ずつ出ています(延べではなく実数)。

過去問を意識して勉強をすれば模試でE判定しか取れていなくても普通に合格できてしまうので、合格するための勉強をしっかりとやりましょう。

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