私(塾長)の高校1・2年次の成績表が5枚残っていたので公開しておきます。
- 簡単に成績が伸びるものではないという現実を知るため
- 中学生が進路選択をするときの参考
になると思います。
目次
はじめに
私は中学3年間勉強時間がゼロといっても過言ではないほど勉強をしていませんでした。
そんな私の中学時代の実力はどれくらいかというと
高校受験の直前期に
Theseって何?
Thereって何?
と尋ね
滅多に怒らない母親から激怒された記憶が鮮明に残っています。
この時期に「This is a pen.」すら書けなかったのですから
「勉強していない」の「勉強していない」が普通で言うところの「勉強していない」と全く違うことも分かるはずです。
そんな私でも、現役で明治大学・中央大学・西南学院大学に合格し、明治大学を卒業することができているのですから人生とは不思議なものです。
以下、私の偏差値推移を書いていきますが
これを見ることで
成績が伸びるには一定の期間必要で
1か月で偏差値30UP!!
偏差値30台から半年でMARCH!!
ということが現実的ではないこと
しかし
高校から必死に勉強を始めれば少しずつ成績は伸びる
ということが見て取れるはずです。
中学時代勉強をさぼって学校の勉強が全くできない子
高校進学後勉強をさぼってしまい一気に成績が下がってしまった子
そういった子が大学合格のために本気で勉強を始めた時の多少なりとも参考になれば幸いです。
高校1年
中学3年の8月ころに受けたフクトで福岡市南区の春吉中の近くにある高校を志望校にしたら
C判定
だった記憶が鮮明に残っています。
また、私が受験して不合格になった公立高校は第5学区にある柏陵高校です。
当時は今のように倍率が低くなかったので偏差値50未満の子が受験したらほぼ確実に不合格になる時代でしたが
それでも普通に勉強をしていれば不合格になることはない高校であることには変わりはありませんでした。
加えて、後に母校となる高校の入試問題(当時はすべて選択問題)では社会以外は何もわからずでたらめに記号を書くことしかできないほど、本当に何もわかっていませんでした。
そんな私でしたが
福大「2名」合格
という母校に掛けられていた垂れ幕を見て「頑張れば自分も福大に合格できるかもしれない」と夢を持てたことにより生活の中心が勉強に変わっていきました。
ほぼ毎日、授業が終わってから学校が閉まるまで教室で勉強、家に帰ってからも勉強
そんな生活をしていた私が高校1年次だったときの進研模試の結果が以下の通りです。
第3回 進研模試(7月)
全国偏差値と校内偏差値を比べてみてください。
とんでもないことになっています!!
得点 | 全国偏差値 | 校内偏差値 | 全国順位 | |
国語 | 22点 | 42.1 | 51.8 | 301,745 / 398,961 |
数学 | 24点 | 41.2 | 62.1 | 305,921 / 395,988 |
英語 | 11点 | 37.0 | 46.4 | 374,482 / 399,039 |
総合 | 57点 | 38.0 | 57.4 | 349,017 / 394,965 |
総合偏差値は38、高校に進学してから毎日5時間くらいの勉強をしていてもこれが現実です。
英語に関してはこの時期は1問も分からずにでたらめに答えを書いているはずです。
校内偏差値を見てください。
全国の総合偏差値が38なのに、校内偏差値が57.4です。
画像には載っていませんが学年96人中19位でした。
私の母校がどれだけ勉強ができない子たちが集まっていたのか分かってもらえるはずです。
しかし、こういう高校に通ったことが、私が継続して勉強をすることができた原因の一つであることは間違いありません。
仮に柏陵高校に合格していたら、この模試の結果と同様、すぐに結果を出せず「頑張っても無駄」と継続して勉強をすることはできなかったはずです。
母校には周りに勉強をする子がほとんどいなかったので
私は、高校進学後最初の定期テストではクラス17位、次はクラス2位、それ以降は学年1位を取り続けることができたのですが
努力がはっきりと目に見える形で出てきたことで、勉強が止まらなくなったんですね。
「中学の時に勉強をさぼってきたけども、高校では心機一転頑張って大学に進学する」と思っているのなら
学年下位でしか合格できない高校に進学するよりも学年上位になれる高校に進学したほうが、良い結果になると思います。
志望校を決めるときは高校のブランドにこだわりすぎるのではなく進学後自分を伸ばせるかどうかも考えたほうがいいです。
私のように名前を書けば合格できる高校を卒業していても、見られるのは卒業した大学だけなので、高校名にこだわる必要はそこまで高いとは思えません。
第5回 進研模試(11月)
このころには3教科合計で偏差値50近くになっていますが、英語はこの時点でもできるようになった気は微塵も感じていませんでした。
得点 | 全国偏差値 | 校内偏差値 | 全国順位 | |
国語 | 41点 | 48.0 | 66.9 | 245,030 / 442,702 |
数学 | 44点 | 59.5 | 96.6 | 76,813 / 437,517 |
英語 | 18点 | 41.7 | 58.4 | 342,384 / 442,548 |
総合 | 103点 | 49.9 | 88.9 | 198,419 / 436,251 |
数学の偏差値が急上昇している理由を書いておきます。
数学は
- 英語と異なり中学時代の実力がそこまで影響しない
- 多くが数学を勉強しないので基本問題が解けるだけで進研模試では結果が出る
という科目です。
一方、英語は
中学3年間で習う文法理解・単語暗記が必要なので、ただでさえ模試で結果を出すのは難しいのに
今の時代のように参考書が充実していませんでしたし、自分の実力に合った勉強を教えてくれる人もいませんでした
がむしゃらにやるしかなかったので、半年やそこらで結果を出せるものではないんですね。
ここでも
校内偏差値がとんでもないことになっていますね。
この時点で模試で学年90人中1位(3回のとき96人だったのが減っています。もともと2クラス100人強いたのですが、1クラス50人もいたなんて今の高校では考えられない?2年進級時には80人近くになっていたので生徒が辞める前提で1クラスの人数を多めにしていたのかもしれません)
第6回 進研模試(1月)
10か月くらい勉強をしているのに、英語の偏差値が上昇する兆しはゼロです。
得点 | 全国偏差値 | 校内偏差値 | 全国順位 | |
国語 | 48点 | 52.8 | 72.4 | 125,596 / 347,822 |
数学 | 55点 | 56.2 | 82.0 | 96,230 / 342,333 |
英語 | 11点 | 35.7 | 45.5 | 331,998 / 348,045 |
総合 | 114点 | 48.5 | 78.5 | 180.952 / 341,014 |
数学と国語が偏差値50以上だったので総合偏差値も50近くになっていますが、英語は35.7と今までで一番偏差値が低くなっています。
必死に頑張ってもちょっとやそっとで結果が出せないということが、これを見ればわかってもらえるはずです。
高校2年
ここからは2年生の成績です。
2年生は7月以降は模試を受けていなかったので、成績表は2つしかありません。
第2回 進研模試(5月)
1年間の努力でやっと全科目偏差値50を超えました…。
といっても、受験者数を見てください。
2万人しかいません(他の回とはは桁が違います)。
偏差値の高い高校は進研模試を無駄に受けさせないので、この回はたまたま良い結果が出た可能性がないとはいえません。
得点 | 全国偏差値 | 校内偏差値 | 全国順位 | |
国語 | 50点 | 57.0 | 65.3 | 4,700 / 20,938 |
数学 | 62点 | 59.9 | 67.4 | 3,216 / 18,643 |
英語 | 31点 | 52.4 | 53.8 | 6,851 / 21,316 |
総合 | 143点 | 57.6 | 68.4 | 3,832 / 18,134 |
私の元教え子の中には高校2年の時の進研模試の偏差値が60台後半~70台の子もいたので
それと比べたらなんとも言えない結果ですが、高校進学直後の私の状況から考えると、奇跡に近い数字だと思います。
ただ、この結果を出せたのは高校進学してから毎日5時間くらいの勉強をやり続けた結果です。
「定期テスト直前期だけ必死になって勉強をする」子が多いと思いますが、その程度の努力で、知識ゼロからこの実力になるのは不可能です。
自分を変えたいと思ったら、それなりの努力が必要になります。
「努力など不要」ということを耳にすることもありますが、そう言っている人は、一部の天才を除き過去に相当の努力をしているのにそれを忘れてしまっている、もしくは努力を努力と思っていなかっただけです。
なので一般的には、今の自分に不満があり自分を変えたいと思っているのなら
努力をするしかない!!
ただ、私が高校生だったときと異なり、今は何をすれば結果を出せるかは探せばわかります。
一人で頑張れないと思えば、伴走してくれる塾もあります。
中学の時にある程度勉強をして偏差値60くらいあったのなら1日5時間の勉強をする必要はありません。
学校の授業時間を有効に活用しさえすれば、1日2時間くらいの勉強でもどうにかなるはずです。
貴重な時間を学校の勉強だけに使うのは勿体ないので、勉強onlyの生活を送るのはやめましょう。
第3回 進研模試(7月)
英語の偏差値が2回連続50を上回りました。
得点 | 全国偏差値 | 校内偏差値 | 全国順位 | |
国語 | 47点 | 56.0 | 63.4 | 104,453 / 407,812 |
数学 | 25点 | 56.8 | 61.9 | 27,891 / 133,564 |
英語 | 39点 | 50.0 | 55.6 | 185,626 / 410,746 |
総合 | 111点 | 51.1 | 64.9 | 154,306 / 371,492人 |
今回は数学の点数を見てもらいたいです。
第2回は62点で偏差値59.9、第3回は25点で56.8になっています。
ここから、「試験結果は点数だけで判断するべきでない」ということがはっきりとわかるはずです。
中学の時は
1年次テストが簡単で平均点が350点くらいだったときに400点を取って褒められたのに
2・3年に平均点が280点くらいだったときに380点をとったら「なんで400点取れないの」と怒られた
なんてことが起こると思いますが、
点数しか見ていない証拠です。
これと似たようなことが大学入試でも起こっています。
私も現役時代はそうだったのですが
特に私立大学に的を絞って勉強をしている子は、模試と自分が受験する大学の入試問題が全く異なっているのに、模試の結果を必要以上に気にしています。
模試で偏差値40台前半だろうと、やることをやりさえすれば西南・福大には合格できるのに、模試・共通テストで点を取るための勉強をしている(させられている)子が多過ぎです。
共通テストと西南・福大では問題を解くためにやるべきことは異なるのに共通テストで結果を出すための勉強をしてもほぼ意味がありません。
勉強は闇雲我武者羅にするのではなく、自分の目的を達成するために何をすべきかを考えてやりましょう。