【国語を勉強する意味はある?】思考の道具を手に入れ自分の世界を広げる

B!

現代文・古文で合格点を取れる参考書で現代文の勉強はあまりしなくてもいいかもしれないと書きましたが、現代文が勉強するに値しない科目というわけではありません。

あくまでも、西南・福大を第一志望とする高校3年生が1年で合格を目指すとするなら、現代文に時間をかけるのは戦略的に間違っているとうだけで、

むしろ、英語・選択科目・国語(現代文)の中で一番重要な科目は「国語(現代文)」だと私は思っています。

自分の世界は言葉でできている

なぜ私が国語を一番大切な教科と考えているかというと

自分が使える語彙の量によって自分の世界が広がるから

です。

当たり前のことかもしれませんが、人間は自分が知らないものは知りません。

つまり

知らなければ自分にとってその世界は存在しないのと同じ

なんです。

小学生に「将来の夢は何?」と尋ねたら

大多数の子から返ってくる「夢(職業)」はほぼ確実に大人であれば一度は聞いたことのある仕事なはずです。

子どもたちが、誰もが耳にしたことがあり知っている「夢」を持ってしまうのは

テレビやお気に入りのSNSで視聴するものや、普段会っている「自分の親」「友達」「学校や習い事の先生」が語る範囲内でしか知識がないからです。

 

私が小学生の時に「夢は何?」と親から尋ねられたときの答えは

ペンキ屋さん!!

でした・・・。

 

小学生だけでなく中学生も同じです。

「中学生にもなって将来の夢が全くないんです…」と不満を持たれている親御さんも多くいるかもしれませんが

「夢なんかない」と言うことはほとんどの子にとって仕方がないことですし

全く不満を持つ必要はないと思います。

むしろ「自分の夢はね・・・」と具体的な夢

たとえば

  • 公務員
  • (漠然と)サラリーマン
  • プロスポーツ選手
  • 小学校の先生
  • 中学校の先生
  • 保育園の先生
  • お医者さん(獣医含む)
  • 看護師
  • 薬剤師
  • 弁護士
  • 警察官
  • 消防士
  • パイロット
  • 美容師
  • イラストレーター
  • 漫画家
  • パティシエ
  • トリマー
  • メイクアップアーティスト
  • ネイリスト

という返事が返ってくるはずです。

小学生くらいまでは仕方がないとしても、中高生がこういう返事を返してくると私は不安になります。

世界に何があるかほとんど知らないのに自分の狭い世界の中で夢を語っているからです(大人が夢があることが大切だと語るから無理やりそのように答えているのかもしれませんが)。

 

 

今では当たり前のように耳にする「夢(職業)」なった

  • ユーチューバー
  • Vチューバ―
  • プログラマー
  • プロゲーマー

といった職業は少なくとも20年くらい前は耳にしたことはなかったはずです。

しかし、今ではこれらを知らない人の方が少ないはずです。

なぜ20年前になかったものが2025年現在存在するかというと、子供たちの社会の中にこれらが浸透したからです。

このように、存在しなければ知らない世界でも、一度知ってしまえばその世界の存在が当たり前になります。

長々と書きましたが

これが国語を勉強する一つの理由だと私は思っています。

 

国語の勉強を通じて語彙を増やしたり、書かれてある内容を疑似体験したり、空想の世界に入り込んだりすれば

ユーチューバーやプログラマーが新しく「なりたいもの」に加わったのと同じように確実に世界が広がっていきます

そうしていない子と比べ確実にです。

だから国語なんです。

 

普段使っている言語(日本語)で論理的に思考する訓練、言葉を覚えて様々な表現を使いこなすことができるようになることが、自分の世界を広げます。

結果、自分がやりたいことが見つかったり、やりたいと思えることができた時にそれができる能力が自然と身についていたりするものなんじゃないかと思います。

高校1・2年

早い段階で私立文系学部に的を絞ってしまった子は時間に相当の余裕があるはずなので、高校1・2年生の時にある程度現代文の勉強に力を入れることを勧めます。

問題なのは一定レベル以上の国立大学を受験する予定の子です。

九大・九工大レベルの国立大学になると3年進級前に英語・数学にかなり力を入れなければならないので、国語(現代文)を無視しする子が多くいるかもしれません。

そこを一歩留まってもらいたいんです。

 

現代文に真剣に向き合い様々な文章に触れ、語彙を増やし、自分ではない他の誰かの考え方を知ることで世界が広がっていきます。

たとえば【新・現代文レベル別問題集】のレベル2初級編第7講に『戦争を記憶する」という文章が取り上げられています。

これを読むことで、「戦争とは何か?」について考えるにとどまらず、世界に目が向くようになり、海外で何か活動をしたくなるようになるかもしれません。

そうすれば、必然的に英語にも関心が向くようになるので、自分の意志で学ぼうとし始めるようになるかもしれません。

また、第8講に『アンドロイドは人間になれるか』という文章が取り上げられています。

これを読むことで漠然と工学部に進みたいと思っていた人が「ロボットってなんだろう?」と考えるきっかけになり、そこから自分なりの気づき・考えがでてきて、具体的に学びたいと思えるものが出てくるかもしれません。

 

漫然と現代文の問題を解くだけだと、何も見えてこないかもしれませんが、書かれてある内容を捉えようとして文章を読むことで、同じ現代文の問題が全く別物になります。

「現代文はやっても意味がない科目」などと思わず、時間をかけて勉強をしましょう。

 

いきなり難しい文章を読むのは難しいはずなので初めの1冊として【ゼロから読み解く最強の現代文】を読むことを勧めます。

この参考書で現代文の解き方を知っておけば、漫然と問題を解いて答え合わせをして終わるということを防げるはずです。

それ以降は受験を意識して現代文の問題を解くなら、多くの人が勧める問題集を解いたり

問題を解くよりもいろいろな文章に触れて知識を深め思考したいというのであれば、【ちくまシリーズ】読んでもいいと思います。

また、参考書ではなく、「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマ―」「14歳の世渡り術」といった、中高生向けの本を読むのもアリです。

上の本の中では『君は君の人生の主役になれ』『従順さのどこがいけないのか』を読むだけで今までの自分の常識が変わるかもしれませんよ。

『オタクを武器に生きていく』『人生を変えるアニメ』なんていうのもあります。

こういった本を読んだところで学校の勉強ができるようになるわけではありませんが、受験のための勉強だけが学びじゃないということを知れるはずです。

勉強が苦手なら、諦めも肝心で、「自分の興味関心を活かして生きる」という選択をすることが間違いどころか正解だということにも気づけるかもしれません。

岩波ジュニア新書は中高生向けとありますが、大人が読んでも読みごたえがあるものが多いです。

この中では角野栄子さんの『ファンタジーが生まれるとき』が読みやすいと思います。

これを読むことで、自分ではない他人がどのような人生を歩んできたのかを知ることができ、机に座って教科書・参考書を読むだけが勉強じゃないということに気づけるかもしれません。

 

保証します。

現代文に真摯に取り組むことで、自分という人間がどんどん成長していくことをはっきりと感じ取れるようになります。

10代後半という貴重な時間に自分の世界を広げることは、将来の自分の可能性を広げることにも確実につながります。

誰が何と言おうと、現代文の勉強は大切です。

騙されたと思って本気で向き合ってみてください。

現代文を超えて学ぶ

小論文

最近は一般選抜入試ではなく総合型選抜も広く行われるようになってきました。

今後、総合型で大学を受験する可能性があるとするなら、現代文の勉強をしておくことを勧めます。

というのも

総合型入試は試験に小論文が課されることが多く

現代文の勉強で

  • 背景知識
  • 語彙力
  • 思考方法

これらを獲得しておくことが小論文を書くときに大きく役立つからです。

小論文の参考書の中には「1週間」「1ヶ月」で合格できるとうたったものもありますが、

小論文の書き方がどういうものなのかを知るためのもので、それを読んだからといって一定レベル以上の大学の小論文で合格点を取れるようになることは99%ありません。

 

 

現代文の参考書はとにかくたくさんあるので、大型書店で現代文コーナーに行って一通り目を通して見て下さい。

 

画像に映っていませんが、今の子たちは宗先生の【宗のたった4時間で現代文】が取っ付きやすいかもしれません。

小論文

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