高校3年の4月から本格的に受験勉強を始める受験生が西南・福大の国語で合格点を取れるようになる必要十分な参考書とそれをやり終える目安時間などを書いています。
目次
合格点
西南・福大に合格するために国語で取っておきたい点数(以下「合格点」)は
- 西南:60点以上
- 福大:50点以上
です。
「そんなに低くて大丈夫なの?」と驚く受験生がいるかもしれませんが。
選択科目は西南・福大ともに本気で合格しようとしている受験生であれば7割~8割は取れるようになるのが普通です。
加えて英語で70点以上を取れば、国語で60点しか取れなくても3教科合計で200以上になるので西南の多くの学科で合格最低点を超えます。
福大なら選択科目と英語それぞれ70点以上取れれば、50点どころか30点しか取れなくても十分合格の可能性が考えられます。
そう考えると、西南・福大に合格することが難しいと思い込んでいる子であっても、思っているより簡単だと思えるはずです。
このように言っても「国語は模試で4割くらいしか取れないから西南に合格するのは難しいだろう」と思ってしまう子が中にはいると思います。
確かに、模試で4割くらいしか取れないと西南・福大でも4割取るのがやっとだと思ってしまう気持ちも分かります。
しかし、「偏差値は気にしなくていい」に書いた通り、模試と私立大学独自の問題は傾向が全く異なるので、模試で4割しか取れなかったとしても西南・福大では6割以上取ることは十分可能です。
実際に、レイズの元塾生の中にも模試で国語が80点くらいしか取れなかった子が結構いましたが、福大の問題なら60点前後くらいは取れている子は多かったです(配点が分からないので推定です)。
なので、国語の合格点は
- 西南:60点以上
- 福大:50点以上
これで本当に大丈夫です。
もちろん、進研模試で偏差値40台前半、合格判定はE、そんなことも一切関係ありません。
西南・福大に合格するための勉強をすれば、模試の結果がどうであれ合格できます。
もしかすると、「『英語で70点以上取れば』という前提がおかしい」と批判する子の方が多いかもしれないので書いておきますが、
国語のように努力が点数に反映するかわからない科目と異なり、英語はやることをやりさえすれば確実に結果を出せる科目です。
中には認知的に弱い部分がありどれだけ努力しても英語が全くできるようにならないという子も一定数いますが
そういう場合を除き
本気で合格を目指そうとしている受験生なら西南レベルの英語であれば7割くらいは取れるようになります。
というより、それくらい取れないのなら、福大はまだしも、西南合格が危うくなります。
現代文のお勧め参考書(60時間)
「この参考書を使わなければ合格ができない」というものはないので、市販されている参考書で、中堅私大向けの物であれば、どれを使っても大差はありません。
とはいっても、大量に参考書があるとなんだかんだでどれを使うか迷ってしまう子もいるはずです。
そこで、うちの塾で生徒にお勧めしている市販の参考書を紹介することにしました(カッコ内は読み終えるために要する目安時間です)。
- 小池陽慈の現代文読解が面白いほどできる基礎ドリル(15時間)
- 入試現代文へのアクセス 基本編(15時間)
- 高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本(30時間~)
現代文は、英語や選択科目に比べて努力が直接結果に結びつきにくい科目であり、個人の能力差も大きく影響します。
そのため、たとえ100時間程度勉強したとしても、成績が大きく向上するとは限りません。
場合によっては、300時間ほど費やしても「現代文が得意になった」という実感が得られない可能性もあります。
高校3年の4月から10ヶ月という限られた時間で西南・福大の合格を目指す受験生にとって、時間的制約は非常に大きいです。
したがって、現代文の読解については、上に挙げた参考書で基本的な事項を押さえる程度にとどめ、あとは過去問演習を通して出題傾向を把握することに重点を置くほうがいいかもしれません。
語彙(キーワード)は可能な限り覚えるべきなのですが、本当に時間がない場合は、後回しにするか、隙間時間を使って効率的に覚えるようにしてください。
※ 早い段階で国立を諦め私立文系に的を絞るのなら、現代文の勉強には時間をかけてじっくり取り組むことをお勧めします。
古文の参考書(90時間)
西南・福大の古文は基本を押さえておけば十分点数が取れるのので以下の参考書を勧めます。
- 望月光の古文教室古文読解編(5時間)
- 望月光の古文教室古典文法編(10時間)
- 基礎からのジャンプアップノート 古典文法・演習ドリル(15時間)
- 古文上達 基礎編 読解と演習45(30時間)
- 学校で使っている古文単語帳(30時間~)
「文法は面倒だ」と古文単語だけ暗記をしている受験生もいると思いますが
最低限の文法を頭に入れていなければ、文法単独問題が解けないだけでなく、単語を覚えたとしても正しい意味を選ぶ問題を確実に解くことができなくなります。
なので、単語だけでなく文法もしっかりと覚えてください。
文法・読解の基本が終わった後は【古文上達 基礎編 読解と演習45】を利用して文法の確認と古文読解に慣れていってください。
なお古文単語は学校で使っているものを使えばいいと思います。
古文ができるようになるには単語・文法を覚えた後に演習を通じて知識をどのように活用するのかが大切になるので
できる限り「古文上達 基礎編 読解と演習45」を使ったほうがいいと思うのですが、
古文の勉強が苦痛で仕方がなくどうしても読む気にならないという場合は
【大学入試 古文単語速読マスター500】を利用するのもアリだと思います。
左が古文・右が現代訳の見開きになって読みやすいので
「古文が苦手で見るのも嫌だ、でもやらなければならない」という子でも勉強がしやすいかもしれません。
それも無理という場合は、「岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本」を利用してください。
現代文は勉強すべきか?
「現代文は正しい勉強をすれば必ず安定して点数が取れるようになる」と国語の講師は言います。
確かにそうなのかもしれませんが
「じゃあ『正しい勉強法』って何?」
「参考書を本気で読んだことがあるけど、問題を解けるようになったとは全く思えない」
というのが、現代文を苦手としている受験生の感覚だと思います。
塾長である私は、塾講師になってから国語の参考書を複数読んできたので、少なくとも現役生のときと比べれば現代文を解けるようになっていると思います。
そんな私でも「英語や世界史、日本史のように、正しい勉強法で取り組めば、本当に誰でも必ず成果が出るものなのか?」という疑問が、まだ拭いきれません。
「現代文はセンスがなくても解ける。漢字・キーワードを暗記して、問題に解きなれたら安定して高得点が取れる」という言葉は誰にでも共通するものではないと、いまだに思っています。
もし、誰にでも共通するなら、2020年くらいから2025年5月現在、英語の数倍勉強をしている現代文に苦手意識を持つはずがありません。
確かに、「こうすれば必ず伸びる」と主張する講師の指示に従って勉強をすることで、偏差値30台から60台になる子は現実にいるかもしれませんが、そういう子は少数派です。
「誰でもできる」と主張する講師は、気づいていないのか、生徒を確保するために言っているのか分かりませんが(おそらく前者だとは思うが)、講師が言うとおりに文章を読もうとしても読めない人がいるという事実(私のこと)には一切触れないんです。
実際に
漢字や古文単語、古典文法はある程度勉強するものの、現代文の読解対策は過去問演習以外ほとんどしないという受験生も少なくないと思いますが
私と同じように感じているからのはずです。
もし、それで点数が20点30点くらいしか取れないのなら必死に勉強をしようと思うかもしれませんが、現代文の勉強時間がほぼゼロでも、国語で50点前後を獲得できる受験生も相当数いるはずです。
そう考えると、「現代文にはあまり勉強時間を割かない」というのは受験勉強の戦略としてアリかもしれません。
特に福大であれば国語(現代文・古文)を捨てて英語・選択科目だけを勉強しても学科を選ばなければ合格の可能性が十分でてきます。
高校1・2年生は時間をかけて現代文をすべき
偏差値は気にしない
上記参考書が一通り終わったら過去問を解き始めて大丈夫です。
解き始める時期については「大学入試:過去問を解き始める時期」を参考にしてください。
模試や共通テストと西南・福大の現代文を比べると、全く形式が異なることがすぐに分かると思います。
模試や共通テストは短い時間で大量の文章を読まなければならないので、処理能力がなければ時間内に解き終わることはできませんが、西南・福大は多少時間をかけて読んでも、時間が足りなくなることはありません。
つまり、問題を解くために求められる力が異なるので、仮に模試で5割に届いたことがない受験生でも、西南・福大なら6割くらいは取れるということが起こります。