「成績を伸ばしたい」という気持ちが強くても、どんなに正しい勉強法を知っていても、勉強ができるようになるには実際に勉強するしかありません。
勉強しなければ成績は伸びないのは当然です。
しかし、勉強習慣が身についていない子は、「でも、勉強はしたくない…」「勉強する気になれない…」と感じてしまいがちです。
学校の宿題は嫌でもやる子がほとんどだと思いますが、学校の宿題以外の勉強となると一切しないという子の方が圧倒的に多いはずです。
目次
勉強嫌いな子も「まずはとにかくやってみる」
どうすれば子供たちが勉強するようになり、「やる気」が出るようになるのでしょうか?
その答えは「まずはとにかくやってみる」ことです。
行動科学に基づいた石田淳さんや菅原洋平さんの著書にもあるように、実際に何か行動することで「やる気」が生まれることはよくあります。
「面倒だな」「やりたくないな」と嫌々始めた仕事でも、いざ始めてみるといつの間にか集中して、時間が過ぎるのがあっという間だった、という経験は多くの人がしているはずです。
勉強嫌いな中学生も同じです。
どんなに気が乗らないことでも、とりあえず始めてみると意外とできるものです。
※ 上に挙げた2人は行動科学を専門に学んだ研究者というわけではないみたいですが、大学教授が出版している行動科学の本でも同じようなことが書いてありますし。読みやすいのでお勧めです。ただし、書かれてある内容をどうとらえるかは自分で判断するようにしてください。
最初のステップは「1日5~10分」から
「やらせればいいのは分かるけど、それができないから困っているんだ」と感じる方もいるかもしれません。
確かに、勉強が本当に嫌いな子に「行動させる」のは簡単ではありません。
無理やり椅子に座らせても、本気でやれば10分で終わるようなことでも、だらだらと1時間かけてしまうこともあります。
そうならないために、まずは1日10分から始めてみるほうが結果的に良い方甲奴向かう場合もあります。
勉強嫌いな子供に「勉強しなさい」とだけ言うと、「いつまでも勉強しなくちゃいけない」と感じてしまい、なかなか行動に移せません。
そこで、「10分集中して勉強したらやめていい」と約束をするのです。
「10分でいいなら…」と、多くの子が行動に移すはずです。
ここで大切なのは、「10分でやめていい」という約束を必ず守ることです。
もしお子さんが本当に10分で勉強をやめたときに「もっとやりなさい」と言ってしまえば、「やっぱり無限に勉強しなくちゃいけないじゃん。もうやらない!」となってしまいます。
まったく勉強をしていない状況や、だらだらと意味のない時間を過ごしている状況から、たとえ1日10分でも集中して勉強するようになれば、それは素晴らしい進歩です。
いずれ、10分が学校の宿題を終わらせるまで勉強を続ける時間になったり、テスト前には2時間くらい勉強するようになったりするものです。
受験期には平日でも1日3時間くらいの勉強が当たり前になるかもしれません。
今現在、勉強習慣が身についていない子は、焦らず、まずは10分から。
時間をかけて勉強習慣を身につけていきましょう。
※ 小学生の頃に勉強に強い拒否反応を示しているのに無理やり勉強をさせられたという経験をしていると、1秒たりとも勉強に向かわないということもあるかもしれません。
習慣をつけるためのアドバイス
以下、習慣をつけるための具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。
時間帯を決める
勉強習慣を身につけるには、勉強をする時間帯を決めることが大切です。
「気が向いたときに勉強すればいい」としてしまうと、夜寝る前に慌ててノルマをこなそうとしたり、「今日はなんだか面倒だからやめておこう」と勉強そのものをしなくなってしまったりするはずです。
「毎日19時から絶対に勉強する時間」というように、スタート時間を決めることで、
- 学校の行事で忙しい
- 部活で疲れている
- 友達や親と喧嘩した
どんな状況であっても「勉強をする」という行動につながります。
本当に勉強嫌いなお子さんの場合、19時から20時というように終わる時間まで決めてしまうと集中力が続かない可能性があるので、まずはスタートを決めるだけで良いかもしれません。
習慣がついてくれば、親が何も言わなくても自分が必要だと思うだけ勉強するようになります。
やることを決める
勉強しようと机に座ってから「さて、今日は何をしようかな?」と考えるのは、無駄な時間であり、集中力も低下させてしまいます。
学校や塾の予習? 復習?数学? 英語? 国語?何をしようか?
このように、をするかを考えるだけで10分はあっという間に過ぎてしまいます。
そうならないように、あらかじめ自分が勉強するものを決めておくことが大切です。