私立理系学部を受験する場合
- 好きな科目
- 得意な科目
- 受験に必要な科目
などを考えればどれを選択科目にすべきか迷うことなくすぐに決められると思います。
しかし、文系学部になると選択肢がたくさんありすぎてどれを選べばいいか迷うはずです。
そこで西南・福大の文系学部を受験する予定の高校生が選択科目をどうやって選べばいいか、私の考えを書いておくことにします。
※ 以下の内容は私の考えなのであくまで参考にするだけで、実際にどれを選ぶかは自分で判断してください。
目次
政治経済・地理
塾長である私が西南・福大(文系学部)を受験するとすれば
間違いなく
政治経済
を選択科目に選びます。
一般常識があれば
あとは必要な用語・人名を覚えればいいだけですし
個人的に政治経済に興味があるので勉強が苦にならないので
2・3ヶ月も勉強をすれば8割くらい取れる自信があるからです。
政治経済の次に選ぶとすれば
地理
です。
なぜなら、高校で習う地理は中学で習う地理と異なり
- 日本の常識が世界の常識ではないこと知れる
- 世界の様子が知れる
ので単純に面白いからです。
ただし、現役の受験生は興味関心がない限りが政治経済・地理を安易に選ぶことは勧めません。
日本史・世界史が無難
2010年代前半くらいまでは
- 社会に出てからも役立つ一般常識が身に付く
- 覚えることが日本史・世界史の半分もない
という理由で
「政治経済を選択したほうがいい」と、すべての塾生に勧めていました。
しかし、政治経済に興味がないからなのか「勉強をしても頭に入ってこない」という子が意外と多く、現在は進んで勧めることはしていません。
一般選抜入試で西南・福大合格を目指すなら、これほどのラッキー科目はないと思うのですが、だれもがそのように感じるわけではないようです。
そういう分けで、現役の高校生ならば、「理解がほぼ不要でひたすら暗記をしさえすれば、安定して7割以上は取れるようになる」日本史・世界史を選ぶのが無難なのかもしれません。
なお
日本史は「大量の漢字を覚えなければならない」「苗字が同じ人がたくさんいる」
世界史は「耳慣れないカタカナの人名・地名を覚えなければならない」「時代があちこち行ったり来たりする」
こういう部分が混乱を生じさせると思いますが
どちらを選ぶかは、実際に教科書・参考書などを実際に読んでみて、直感的に「覚えやすい」と思ったほうに決めればいいと思います。
数学
「西南学院大学の数学は特有の傾向があり、対策が難しい」といった意見を聞くことがあります。
そういうことを耳にすることで「日本史・世界史を選んだほうがいいのだろうか?」と、数学が得意なのに選択科目をどうすればいいか迷ってしまう受験生がいるかもしれません。
確かに日本史・世界史は無難ですが
- 国立大学を目指していたけど私大に変更した
- 私立理系から文転した
というのであれば数学を選んだほうがいい場合もあります。
例えば、進研模試で数学の偏差値が65以上を安定して取れている場合です。
それくらいの実力があるなら、数学を選択することで時間を抑えられ、英語と国語に勉強時間を割けるようになり、受験において有利に働く可能性が大いにあります。
一方、高校1・2年のときにそこそこ時間を費やしていたにもかかわらず、偏差値が55前後で伸び悩み、不本意ながら国立を諦め文転したような場合は、日本史や世界史を選択した方が有利になると思います。
実際に私の塾で数学を選択した生徒の中に過去2人いるのですが、
そこまで得意でなかった子は、結果的に福大には合格できましたが、どちらに転ぶか最後まで分からずかなり苦戦していました。
数学が得意だった子は数学で常に7割程度の得点を安定して確保できていたため、苦手としていた英語に集中的に時間を費やすことができました。
その結果、受験直前の1か月前まで30点から50点程度しか取れない状況が続いていた英語の成績が、入試直前で飛躍的に向上し、本番では7割程度の得点を獲得し、西南・福大に合格できました。
彼女が興奮して「なんか知らないけど急に読めるようになったんです。読めるんですよ」といった言葉は今でも私の頭に残っています。
授業で必須になっている科目を選ぶのはあり?
受験生の多くが選択科目をどれにするか迷いつつも
- 今まで授業で一番勉強した科目を選ばないともったいない
- 3年次に授業で受ける科目のほうが負担がない
- 文転なので地理しか授業を受けられない
と言う理由で選択科目に決めてしまう子もいるはずです。
もちろんそれでも構わないのですが
「面白くない」「覚えにくい」と感じているのに「やっていたから」「やっているから」という理由で選んでしまうは危険です。
人によって「日本史なら覚えられるけど世界史は頭に入ってこない」とか「日本史なら覚えようと思う気になるけど世界史だとならない」という場合もあるので、
「授業でどうせやらなくてはいけないから日本史(または世界史)を選ぶ」「文転して授業では地理を受けるから地理を選ぶ」といった理由で選んでしまうと、取り返しがつかないことになる可能性がないともいえません。
何が自分にとって一番なのかしっかり考えたうえで、選択科目は決めるべきで、「授業であるから」という理由だけで選択科目を選ぶのはやめたほうがいいです。
選択科目は70点が最低目標
福大に合格するには「福岡大学の受験者平均点」に書いた通り文系で学科であれば180点を取れれば合格の可能性が高くなります。
西南は合格最低点が200点を超すときもありますが、190点を取れれば十分合格の可能性が出てきます。
それについては「西南学院大学の受験者・合格者平均」に書きました。
つまり3教科すべてで60点以上取れれば西南・福大どちらにも合格できる可能性が出てくるわけです。
しかし、3教科とも満遍なく安定して60点以上取れる受験生はそこまで多くありません。
英語を苦手にしている受験生が多く、一部の学科を除けば、半数くらいは5割を取ることもできていないと推測できます。
国語をまともに勉強をしている受験生は少ないからなのか、合格者・不合格者に関わらず受験者の多くが6割前後を取っているみたいです。
仮に英語5割、国語6割取れたとすると
西南だと選択科目で8割以上取れたとしても、学科によっては合格できるかどうか微妙ですが、福大なら7割以上取れればかなりの確率で合格できます。
このことから、選択科目で70点以上を安定して取れるようになることが西南・福大合格の必要条件になると思っておいた方がいいです。
なお、日本史・世界史は暗記さえすれば7割以上取れるようになる科目です。
認知的に弱い部分がない限り、勉強をしているのに取れないということは考えにくいです。
なので、選択科目で5割くらいしか取れないと悩んでいる受験生がいるなら
その程度の努力で合格できるなんて思うな
としか言えなくなってしまいます。
模試の偏差値・判定は気にしない
西南・福大の日本史、世界史、数学の入試問題は、普段学校で受けている模試とは出題傾向が大きく異なるため、模試で点数が伸び悩んだとしても、それだけで西南・福大の入試問題を解けないと判断することはできません。
特に日本史と世界史においては、模試で5割くらいしか取れなかったとしても、教科書の内容を徹底的に暗記すれば西南・福大の入試問題で7割を下回ることは考えにくいです。
合否の判断は、模試の結果に一喜一憂するのではなく、過去問題でどれくらいの得点が出せているかを確認することが重要です。
たとえ模試で偏差値30台やE判定であったとしても、過去問で6割以上の得点を安定して取れているのであれば、合格の可能性は十分にあります。