進研模試(ベネッセ・駿台大学入学共通テスト模試)や河合模試の合否判定や偏差値からは
大学に合格できるかどうかの判断を正確にはできません。
判断できないと私がいくら主張したところで(E判定(中には偏差値がずっと30台だった子も)でも2年連続計6名(延べではなく実数です、延べだったら20名を超えます)が福大に合格しているのだからそれだけでも証明になるのですが、「嘘だ」と言われてしまうので)
証拠となるものがなければ信じてくれないのも当然です。
そこで
2023年の塾生の結果をもとに
いかに全国模試の結果が当てにならないのかを誰でも直感的に分かるように書いておきます。
※ 以下、西南・福大受験において模試の結果が当てにならないということを書いていますが、国立やMARCH以上の難関私立大学も同じようなことが言えるはずです。
目次
模試の比較
以下の数字は2023年にうちの塾の塾生だった子の
ベネッセ・駿台模試3回(10月下旬)
河合プレ共通(11月中旬)
北予備西南・福大プレ(10月中旬)
の学科内志願者数と順位です。
なお、西南・福大プレは
西南・福大を第一志望にしている受験生が自分が本当に合格したい学科を志望校に選んでいる可能性が高いですし
他の模試と比べ西南・福大の入試問題に似た形で出題されるので
ある程度信用できる結果がでます。
西南心理
- ベネッセ:482人中320位
- 河合 :309人中187位
- 北予備 :479人中120位
志願者数を100人と仮定すれば(以下同様)
ベネッセ66位、河合60位、北予備25位
西南商
- ベネッセ:638人中359位
- 河合 :544人中289位
- 北予備 :805人中183位
ベネッセ56位、河合53位、北予備23位
福大教育・臨床心理
- ベネッセ:652人中334位
- 河合 :374人中173位
- 北予備 :457人中78位
ベネッセ51位、河合46位、北予備17位
福大商
- ベネッセ:ー
- 河合 :703人中257位
- 北予備 :970人中102位
河合37位、北予備11位
どうでしょう?
一目で全く違う結果になっていることに気づけるはずです。
以上の模試の結果を教えてくれた生徒のこのときの西南合否判定は
ベネッセ・河合はすべてE(北予備はC)
でした。
それにもかかわらず受験した学科すべてに合格しています。
なおこの年(2023年度)の一般前期入試の実際の倍率は(数字は左から、受験者:合格者:倍率:100人換算合格ライン順位)
- 西南心理: 856人:207人:4.1倍:24位
- 西南商 :1587人:392人:4.0倍:25位
- 福大教育: 650人:189人:3.4倍:29位
- 福大商 :1145人:339人:3.4倍:30位
※ 100人換算合格ライン順位は仮に受験者が100人だった場合その順位がギリギリ合格できた順位を意味しています。
西南心理は模試ではベネッセ66位、河合60位、北予備25位になっていますが実際の合格最低ラインは24位
福大の教育は、ベネッセ51位、河合46位、北予備17位になっていますが実際の合格最低ラインは29位
この順位を見ると
ベネッセと河合模試の順位では福大でさえ どう考えてもほぼ合格できない順位にいます。
しかし、実際は受験したすべての学科に合格しているんですから
少なくとも西南・福大受験に関しては
ベネッセ・河合のデータがいかに当てにならないかが分かるはずです。
注)各模試のC判定合格可能性割合は以下の通り
- ベネッセ:40%~60%
- 河合 :50%
- 北予備 :40%
ベネッセ・河合の偏差値・判定結果は信用しなくて大丈夫
上の内容から全国模試の判定は気にしなくてもいいことは分かってくれたと思いますが
偏差値でも見ていきたいと思います。
上の模試を受けた時の偏差値は
ベネッセ
- 国語 :44.4
- 英語 :50.2
- 日本史:46.1
- 合計 :48.3
河合
- 国語 :50.7
- 英語 :49.2
- 日本史:39.9
- 合計 :46.6
北予備
- 国語 :54.6
- 英語 :59.5
- 日本史:57.2
- 合計 :57.1
でした。
模試によって受験母体が異なることを考慮したとしても
ここまでの差が出るのは
ベネッセ・河合模試と西南・福大プレの問題が全く違うからと考えざるを得ないです。
西南・福大が第一志望であるなら
模試の結果を気にするのではなく
過去問でどれくらい点数を取れるかを気にしてください。
ベネッセ・河合でE判定がでていようが
過去問で6割以上取れているのなら合格の可能性は十分あります。
逆に模試でベネッセ・河合模試でC判定が取れていたとしても
過去問で5割取れなければ合格は厳しいです。
模試でE判定の人が6割以上取れ、C判定の人が5割しか取れないなんてことはない
と思う人がいるかもしれませんが
普通に起こり得えます。
少なくとも英語では
西南・福大の問題を解くために必要な文法・単語・熟語・構文の知識
簡単に言うと暗記の量
は
模試で点を取るために必要な量よりも多いです。
模試(共通テスト)も西南・福大も
基礎ができていなければ解けないという部分では同じですが
基礎がある程度ついてきた後はやるべきことが異なってきます。
西南・福大は大量の暗記をしさえすれば絶対に問題が解けるようになりますが
模試・共通テスト大量の暗記よりも情報処理の訓練(暗記も必要ですが、簡単な英文をどれだけ早く正確に訳せるようになるかが大切になる)が必要になります。
英語だけではありません。
選択科目(日本史・世界史)は極端なことを言えば一問一答で知識さえ詰め込んでしまえば
合格するための努力ができている受験生であれば
模試で5割取れなくても
まず間違いなく西南・福大の問題なら7割以上取れるようになります。
国語も、共通テストのように長い文章を読んで即座に正解を探す処理能力が必要になりますが
西南・福大であれば漢字・古文単語・古典文法の暗記をし過去問を解きまくれば
模試の結果いかんによらず
なんだかんだで7割前後は取れるようになるはずです。
求められる力が模試(共通テスト)と西南・福大入試では異なるのだから
そこを意識して勉強をすれば合格の可能性は高まりますし
意識しなければ合格できるものもできなくなります。
だから、受験勉強をするときは合格するために何をするべきかを意識することが大切になるんです。
念のために最後に確認しておきます。
過去問で点が取れなければ合格できるわけはありません。
あくまでも模試で点が取れていなくても気にする必要がないと言っているだけで
過去問で5割くらいしか取れないのなら合格できないで当然です。
北予備の西南・福大プレも所詮模試
ある程度信用度が高いプレテストであっても
西南と福大の入試問題を足して二で割った形になっているので
本番とは全く違うものと思ったほうがいいです。
北予備のC判定は合格可能性40%になっているので
C判定を取れたとしても不合格になる可能性の方が高いです。
2022年10月に実施された北予備の平均点は
英語34.2点、国語53.9点、日本史35.2点、合計123.3点
となっていますが
英語は46点で偏差値59.5
国語は60点で偏差値54.6
日本史は46点で偏差値57.2
合計152点で偏差値57.1
各科目平均点によりも10点程度高いだけでここまで偏差値が高くなるんです。
問題数にすれば4・5問の差でしかありません。
何が言いたいかというと
このプレテストはあくまでも入試直前3か月前のものなので
いくらでも挽回可能ということです。
仮にこのプレテストで偏差値50(123点)を取れていれば学部にもよりますが福大はC判定になるはずです。
100点しか取れていなければおそらくE判定です。
しかし、その差は23点しかありません。
単純に考えれば1教科4問ずつ正解数を増やすことができれば合格の可能性が出てくるわけです。
明らかに勉強不足で基礎ができていないE判定では挽回は不可能だと思いますが
100点くらい取れているE判定ならば
まだまだ合格の可能性が出てきます。
模試はあくまでも模試
E判定を取ったとしても残りの期間必死になって頑張れば十分合格の可能性が出てきます。
A・B判定を取れていれば、その後さぼらない限り、合格は固いと思いますが
C~(合格の可能性のある)E判定には、たいした差はありません。
結果に一喜一憂せず
Cは安心せず今まで通り頑張って合格を目指す。
Eは諦めずに最後まで粘って合格を目指す。
勉強するのみ!!
です。