福岡県公立高校入試の英語の大問4は自由英作文が出されます。
目次
得点率
自由英作文の過去の得点率は以下の通りです。
2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | |
得点率 | 59.9% | 53.2% | 50.2% | 44.4% | |
得点換算 | 4.79点 | 4.26点 | 4.02点 | 3.55点 |
英語の勉強をまったくしてこなかった子が並べ替え問題
例えば令和5年(2023)の大問2の問1に出題された
①This page shows (what / people / events / it / have) joined in our town.
を解くと
主語・動詞・目的語といった文の基本構造が頭に入っていないので
「this page shows have people events it what joined in our town.」
という文を平気で書いてしまいます。
このような英文を書いてしまう子が相当数いるという現実を考えると
自由英作文で5割以上取れる子が半数以上いるとは考えにくいですし
中には白紙解答に近い答えの子も相当数いるはずです。
偏差値60以上の子であっても
- 冠詞の付け忘れ
- 単数・複数の使い分け
- 主語と動詞の判別
ができていない子も多くいるので満点を取れる子はそこまで多くないはずです。
うちの塾の生徒でも対策なしでいきなり英作文を書いてもらったら
偏差値60以上を取れている子でもゼロ点になることだってあるのに
受験生全体の得点率が45~60%だなんて到底信じられるものではありません。
しかし、正答率は公表されているので
45%~60%あることは事実です。
ということは
これはもう
採点が甘い
としか考えられません。
高校によって採点基準が異なるので
どの高校がどのくらい厳しく採点しているのかはわかりませんが
過去の得点率を見る限り
白紙解答でない限り何かを書いていれば点数がもらえる可能性が高いです。
英語が苦手な子であってもしっかりと事前対策をして点数をもらいに行きましょう。
知らない単語・文法は使わずシンプルに書く
上に書いた通りかなり英作文は甘めに採点がされている可能性が高いので
- 綴り間違い
- 文法間違い
- 条件に合わない文を書く
この3つに該当しない限り
中学1年で習う単語と文法だけで書いたとしても点数がつくはずです。
令和3年の英作文を見てください。
あなたの町でテイラー先生(Ms. Taylor)が、次のA、Bの無料英会話クラスを開くことになった。どちらのクラスを受けたいか、あなたの考えを【条件】にしたがって書け。
クラスA
テイラー先生の英会話教室
日時:毎週金曜日
16:30~17:20
場所:学校
形式:4人グループ
クラスB
テイラー先生のオンライン英会話
日時:19:00~20:30
(1日15分間、週3日まで)
場所:自宅など
形式:インターネット
先生と1対1【条件】
・最初の文は、I want to take Class ( ).
その際、( )には、A、Bいずれかの記号を書くこと。
・二つのクラスについて触れながら、あなたの考えを理由とともに書くこと。
・最初の文は語数に含めずに、30語以上の英語で書くこと。
対策なしでいきなりこの問題を解いてもらうと
大半の子が
Aを選べば「友達と一緒に受けたほうが楽しい」
Bを選ぶと「金曜日は用事があるからネットの方がいい、4人で受けるより1対1の方が勉強になる、学校に行くのが面倒」
このような答えを思いつくはずです。
しかし、自分が日本語で思ったことをそのまま英語で書こうとすると
Aは「文字数が足りなく、文字を補うために条件に合わないでたらめな文を書く」
Bは「すべてを一文にまとめようとし、文法ミスをいくつもする」
結果、ゼロ点になるわけです(ただ、正答率が高いことを考えると、私が採点すれば0点になるものにも点数がついていると思います)。
英作文対策は点数に直結するのでうちの塾に通ってくれている子に申し訳ないのでここでは詳しくは書きませんが
- 知らない単語は使わない
- 使いこなせない文法は使わない
- 自分が本当に思っていることではなく、書きやすいことを書く。
- 接続詞・関係代名詞・分詞を使って一文を長くする力がないのなら中学1・2年で習った基本文法だけで短い英文を書く
- 無理に文をつなげようとしない(カンマで無理やり単語を繋げない)。ピリオドを付け忘れない。
- 条件にある文字数を満たす。
これらに注意してとにかくシンプルに英文を書けば減点されない英文を書くことができるようになる
ということは伝えておきます。
英作文で使えそうな表現(熟語・構文)
英作文で何が問われるかわからないから当日その場で考えるしかない
と思っている子もいるかもしれませんが
それができるのは一部の中学生だけです
大半の子が対策なしでぶっつけ本番だと点数が取れません。
中学1年の内容すら分かっていないという場合を除けば
事前に対策をしていれば英作文は確実に得点源にできるので
事前に使えそうな表現を覚えておきましょう。
以下、うちの塾で生徒たちに配っている英作文で使えそうな表現を表にしたので
参考にする人はしてください。
「A」「~」には自分が書きた「名詞」「動詞」にを入れれば使いまわせるはずです。
なお、超基本的な文しか書いていないので和訳は省略しています。
Aの一員 | be a member of A | I am a member of the soccer team. |
Aで有名である | be famous for A | Fukuoka is famous for its food. |
~するのが得意だ | be good at ~ing | I am good at playing tennis. |
Aに興味がある | be interested in A | I am interested in speaking English. |
~できる | be able to ~ | I am able to speak English. |
~するつもりだ | be going to ~ | I am going to study hard. |
Aに参加する | take part in A | I took part in soccer club. |
~するのを楽しむ | enjoy ~ing | I enjoyed speaking English. |
~したい | want to ~ | I want to go to Tokyo. |
~するのが好きだ | like to ~ | I like to watch TV. |
~し始める | start to ~ | I started to study English. |
場所に…がある(There is/are …+前置詞+場所) |
There is an old temple near my house. There are many beautiful park in my town. |
~することは…だ( ~ing is ... ) |
Studying English is important. |
人にとって~することは…だ(it is ... for 人 to ~) |
It is important for me to study English. |
私はSがVだと思う (I think that S V) |
I think that it is important for me to study English. I think that talking with him is interesting. |
私は5歳の時から~している(I have 過去分詞 since I was five years old.) |
I have studied English since I was five years old. |
~するのに時間がかかる(It takes 時間 to ~) |
It takes an hour to go to school. |
人にモノをあげる(give 人 物) |
I give him a present. |
AをBにする(make A B) |
It makes me happy. Talking with him makes us happy. |
これらの表現を覚えておき
それを利用して英作文を書けばゼロ点になることはないと思いますが
文法の理解が不十分だったり、綴りミスをすれば高得点を取ることは難しいです。
うちの塾では、基本表現の暗記に加え「こうやれば福岡県の公立高校入試の英作文で高得点が取れる」というやり方を教えているのですが
それを教えてしまえば
後は定期的に訓練をするだけで
表現の暗記と中1の文法を確実に押さえていることが前提になりますが
どれだけ書きにくい問題を解いても、ほぼ確実に満点を取れるようになります。
最終手段
まったく英語ができないという場合
上の表現を覚えたところで使いこなすことは無理なので
中学1年の文法・単語の暗記を一からやり直す必要があります。
しかし、受験直前期に最初からすべてをやり直すのは無理です。
そこで最終手段として使うのが
使えそうな表現を覚えておくだけでなく
あらかじめ35文字以上の英文を3つくらい誰かに作ってもらい
それを暗記してどんな問題が出てきてもそれを書く
もしくは
大問2・3の長文中に書かれてある英文を利用する
例えば本文に
Sachi has studied English for five years.
のような文があれば
「Sachi」の部分を「I」に変えて
I have studied English for five years.
と書いてしまう分けです。