市販の参考書は種類が豊富ですが、多すぎると「どれがいいかわからない」と迷ってしまうことがあります。

今回は、塾講師として多くの市販参考書に目を通してきた経験から、フクトで偏差値55前後を目標にしている中学1・2年生におすすめの教材を紹介します。

くもんの中学基礎がため100%

定期テストでは平均点が取れるものの、フクトになると偏差値40台になってしまう。

そのような中学1・2年生が独学で勉強をするなら、【中学基礎がため100%】シリーズがおすすめです。

基本的な問題のみが掲載されているため、学校の授業についていけている子であれば無理なく使えるはずです。

メリット

メリットは大きく3つあります。

くもん教材のメリット3つ

国語を除く4教科は、以下のように基礎内容を網羅できるように2冊に分かれています。

  • 英語:「文法」「単語読解」
  • 数学:「計算・関数」「図形・データの活用」
  • 社会:「地理(上下巻)」「歴史(上下巻)」
  • 理科:「生命・地球」「物質・エネルギー」

簡単な内容から少しずつ難しくなるように構成されているため、自分がつまずいている箇所を見つけやすいです。

基礎を網羅しているため必然的に問題数が多くなり、平均点を目指す子にとっては十分な演習量をこなせます。

デメリット

解説が詳しくないことが一番のデメリットだと思います。

なので「ここがよくわからないけどどうすればいいんだろうか?」という箇所が出てきたときに自力で対処できないこともあるかもしれません。

とはいっても

基本的な問題しか掲載されていないので、学校の授業についていけているのであれば、そこまで支障はないはずです。

また

解答の解説がそこまで詳しくないので、学校の授業についていくことにも苦労している子にとっては、解説を読んだとしても単元によっては全く理解できないことがあるかもしれません。

 

もう一つ考えられるデメリットは

あくまでも平均レベルの参考書

ということです。

フクトで偏差値50台後半くらいの子が60台後半を目指そうとしているときに利用しても、この参考書だけでは難しいです。

対象

主な対象は実力テストで偏差値55くらいまでが目標で

  • 定期テストで平均点前後
  • 定期テストでは400点前後取れているのにフクトになったら偏差値50前後しか取れない

くらいの実力の子です。

 

後者の原因は

定期テストでは点数が取れるのにフクトでは取れない原因

認知的に弱い部分がある場合を除けば、大きくこの2つです。

 

定期テスト直前期に急いで丸暗記しただけで1週間もしたら覚えたほとんどを忘れてしまい、フクトを受けるころには問題が解けなくなっている。

この場合は、「既習内容の再確認」を意識して勉強をしてください。

 

フクト直前にしっかりと復習しているのに問題が解けないという子もいると思いますが、この場合は演習不足が原因の可能性が高いです。

意味も分からずただ与えられた用語や公式を丸暗記するだけなので、実力問題になったら質問の意味すら分からず答えられないというわけです。

この場合は「問題演習で理解しているかどうか確認」を意識して勉強をしてください。

 

どういうことを意識して勉強をするにせよ、闇雲に丸暗記し続けるだけの勉強初心者から早く抜け出しましょう

スーパーステップシリーズ

くもん出版には基礎固めシリーズとは別に「スーパーステップ」という参考書もあります(英語・数学のみ)。

 

このシリーズの【英文法】は中学英文法の参考書としてはかなり優れています。

学校で習っている英語が簡単すぎて面白くないと感じている中学生は是非手にしてみてください。

 

一般的な参考書が「分かりやすさ」を重視して中途半端になっているのと異なり

詳しい解説がされているので英語の仕組みをしっかりと理解できるようになっているのですが

難点が一つだけあります。

一度読んだだけで理解するのは難しい

ことです。

 

最近の参考書は必要以上に読み手に親切になりすぎて、分かりやすいけど中身が薄いものも多く出回っているので

そういったものに慣れていると、この参考書はあまりにも難しすぎて読む気にならないかもしれません。

しかし、「理解しよう」と心がけて1ページずつ丁寧に読んで理解していけば、薄い参考書の何倍も得るものがあります。

取っ付きにくく感じる参考書かもしれませんが

ある程度英語に自信のある子は、少し背伸びをしてでもこの参考書を使うことを勧めます。

塾に通う前に

勉強習慣を身につけているのなら、少なくとも中学1・2年の間は市販の参考書だけでどうにかなります。

それができない子が多いから、塾に通っている子がたくさんいるのも分かるのですが、塾に入る前に本当に自力でできないか挑戦してみてください。

 

「自力で勉強ができない」と主張する子がいますが

その多くは環境が大きな原因なだけの可能性が考えられます。

勉強ができないのは環境のせい

自力で勉強をしようと思えばできるのに環境がないからできないだけで

もし、勉強をやる気になりさえすれば、市販の参考書使って独学で勉強ができるはずです。

 

 

 

うちの塾には平均点を取れていない状況から入塾する子も多いのですが

そういった子が5教科合計で一気に100点以上点数を伸ばすということが頻繁に起こります。

「塾に通って教えてもらっているからでしょ?」

と思われるかもしれませんが、

うちの塾では、授業で定期テスト対策をすることはほとんどしませんし(生徒の学力状況によっては対策をすることがあります)

理科・社会に関しては、定期対策どころか、授業をする方が非効率なので原則的に授業を行っていません(理科で解説が必要な個所は個別に指導することはあります)。

子どもたちにしてもらっているのは定期テストに向けた暗記だけです。

それにもかかわらず

平均点を一度も取ったことがなかった子が100点以上点数を伸ばして平均点越え

400点以上を取ったことがなかった子が初めて400点越え

ということが起こっています。

 

このことから

やることをやりさえすれば、少なくとも定期テストは、だれでも自力で結果を出せる

ということが分かってもらえるはずです。

 

暗記など、塾でするのも家でするのも同じなんですから、重要なのは「環境」という分けです。

 

塾に通わせる前に、自力で勉強をする環境を家庭で作れるなら、そうすることを勧めます。

小学生・中学生に勉強習慣を付けさせる方法