このページの閲覧者は「受験情報局ステップUP」で「学習障害(LD)」を見て訪れた方が大半だと思いますが、見ていない方はそちらも参考にしてください。

なお、このページは塾の運営とは関係なく、子どもの成績が伸び悩んでいることに不安を感じ、いろいろと検索をして偶然このHPに訪問した方に向けて書いています。

努力をしたら誰でも必ず成績は伸びるのか

脳は筋肉と同様に訓練により鍛えられると思います。

例えば、英語をまったく知らない中学1年生にとって「be動詞」や「三単現のs」を理解するのは、中学3年生が「関係代名詞」を理解するのと同じくらい難しく感じるはずです。

また「be動詞」を知らない中学1年生に「関係代名詞」を理解させることは無理ですが、中学3年生には理解させられます。

このように、勉強を積み重ねることで、できないことが出来るようになるのが普通で

1年間必死に勉強をすれば、1年前の自分が1時間かけて理解できたものを、1年後の自分は10分くらいで理解できるようになる可能性もあります。

 

しかし、努力をすれば誰もが例外なく成績を伸ばせるかどうかと問われれば、

「伸びるかどうか分からない」としか言えません。

脳には個人差があるので、成績を楽に伸ばせる子がいる一方、伸ばせない子もいるかもしれないのです。

 

10暗記して10暗記できる子と、10暗記しても1暗記しかできない子がいるとすれば、1しか暗記できない子は10暗記できる子の10倍勉強をしなくてはいけなくなります。

もちろん、1しか暗記できない状況から5暗記できるようになるかもしれませんが(多くの場合はなる)、どれだけ努力をしても1しか暗記できないままの子もいるはずです。

 

もしかすると

何十回も同じことを説明しても理解ができない子がいるかもしれません(何十回説明しても分かってくれなかったことを成長とともに少しずつ理解が追い付いてくることは当然あります)。

文字をたどることはできても、書かれてある内容を理解することができない子がいるかもしれません(文字を読めても意味が取れない)。

文を読んで理解できるのに、口頭で言われたことは理解ができない子がいるかもしれません。

文字を書くのが苦手で板書を写すのが遅い、または写せない子がいるかもしれません(書くことが苦手なだけで勉強ができないわけではないこともある)。

数学の計算ができない、三角形の外角を求める単純な図形問題でさえいくら説明しても把握できない子がいるかもしれません(視覚認知に何らかの問題があるかもしれません)。

文章題で数字を変えただけ同じ問題ならパターンを覚えて意味が解らなくても式を組み立て答えを出すことはできるが、少しでも問われ方が変わると設問の意味を捉えることが出来ず同じ問題なのに式を組み立てられなくなる子がいるかもしれません。

 

英語の綴りをよく間違えたり(何度やっても同じミスを繰り返す)

極端に読みにくい文字を書いたり(中学生なのに小学3・4年生が書くような字を書く、たとえ丁寧に書こうとしてもまっすぐ線が引けずぐちゃぐちゃになる)

文字の形や大きさがばらばらだったり

ノートのマス目にきれいに字を書けない

 

何の苦も無く勉強ができる子がいる一方、

このような困難を抱えている子がいるかもしれないのです。

上に挙げたようなことが見られたからといって、ただそれだけで極端に勉強ができないとはいえませんが、努力でもどうにもならない子がいるのは間違いありません。

成長とともにできるようになることはあります。中学1年の時に英単語の暗記が苦手、計算ができない、ということがあってもそれだけで「勉強が極端に苦手」と思い込んではダメです。

長期間努力に見合う結果がでないなら疑うべき

本当に極端に勉強が苦手で定期テストで一桁しか取れないというような場合、勉強が極端に苦手な可能性に親は気づくと思います。

しかし、小学校の時に80点以上、中学の定期テストで30点~60点くらいは取れるなど、それなりにできてしまう場合(小学校のテストは単元ごとに行われますし、よくわかっていなくても正解がだせだせることもあるので、80点以上取れているから学習に困難を抱えていないとは言い切れません)、

「できないのは努力不足」「勉強をさせ続けたらできるようになると」思うはずです。

親としてそのように思うのは当然ですし、勝手な思い込みで勉強ができないと勘違いすることがあってはならないと思います。

しかし、定期テスト1週間前に1日3時間も4時間も本気で勉強をしているのに平均点以下しか取れない場合、

極端に勉強が苦手な可能性があることを否定できません(急に伸びる子もいるので勝手な判断はやはり危険なのですが)。

そういう状況にもかかわらず口だけで「勉強しろ」と言い、親が納得する点数を取らなければ「努力不足」「偏差値50以下はあり得ない」と怒りを表し、「どんなことをしてでも高得点を取れ」などと言っては、子供がかわいそうです。

子どもを責めるのではなく、勉強をしても点数が伸びない原因を考えるべきです。

 

暗記科目である理科・社会はできても、暗記以外の要素も必要になってくる「数学」「英語」「国語」が極端に苦手という子もいます。

「数学・英語が嫌いだから勉強をしても集中できていないことでなかなか成績が伸びない」ということも考えられますが、

どれだけ繰り返しやらせても平均以上の成績を取ることができない場合は「理科・社会ができるから他の科目もやればできる」安易に考えるべきではないと思います。

努力に見合う成績がでていないのであれば、ワーキングメモリー認知機能(視覚認知・視覚記憶・図形認知・音韻認識)に弱さがあるのかもしれません。

どれだけしても成績が思うように伸びない場合は

上述の「努力をしたら誰でも必ず成績は伸びるのか」で挙げたようなことが起こっていないか、子供の状況を確認してあげてもいいと思います。

仮に、努力をしても勉強ができないのだとすれば、

そのことに気付いてあげられなければ子供がかわいそうです。

発達障害基本法ができてからある程度時間がたち学習障害の存在を知る人が多くなったことで極端にできない場合は気づけることが多くなったと思いますが、それでも気づけていない場合も少なくないと思います。

少なくとも私は、子供たちの点数を見るだけでなく、上述した内容すべてを確認したうえで必要と思える指示を出すようにしています。

専門家に相談

今現在学校の勉強が苦手で努力に見合う結果が出せていない原因が何なのか?

 

中学1年生は小学校と中学校での勉強のやり方の違いに慣れず成績がなかなか伸びない時期が続いたり、

小学生と中学生のギャップで心理的に不安定になってしまい、勉強に集中できず成績が下がる子もいると思います。

勉強のやり方が間違っていたり、科目に対する関心の度合い集中力ミスの多さなどが影響し、理解力も暗記力もあるのに成績が伸びない子もいるはずです。

理解のスピードが遅くゆっくりと時間をかけて学んでいけば少しずつできるようになる子もいます(このタイプの子に成績が伸びないと焦って勉強地獄にさせるのは避けるべきだと思います)。

自分の能力が自分の学年や周りと比べてたいしたことではなく、周りが「えっ、それで自慢するの恥ずかしくないか?」と思えることでも本気で自慢するなど、自分の能力・行動が客観的視点からみられる現実と乖離している

時間の感覚がつかめない、たとえば、5・6時間くらいかかりそうな作業を10数分でできる思ってしまうような子は

もしかすると、成績の波が激しい、もしくは特定の科目だけが得意だったりすることがあるかもしれません。

 

何が原因で努力に見合うような結果が出ていないのかは素人判断はできません。

しかし、努力をしても学校の勉強が出来ない結果が事実としてあるのならそれは受け入れるしかありません。

勉強ができないということは、「ADHDや自閉症スペクトラムかもしれない」と、そうでないのに勝手にそう思い込むのこととは異なります。

その原因が学習障害とは限りませんが、明らかに勉強ができていない子に適切な対処をしないまま、「頑張りなさい」と言い続けることが良いとは思えません。

勉強をしている様子や結果をみてどうしても気になる場合はやはり専門家に相談をするべきだと思います。

私が中学生だったときの成績を考えれば、2020年現在私が中学生であれば学校の先生は間違いなく学習障害の可能性を考えるはずです。しかし、私が勉強が出来なかったのは自宅学習を1分たりともしなかった結果です。努力をしていないなら勉強ができないのは当然ですし、理解力・暗記力も乏しいままです。努力を必死にして理解・暗記が出来ず成績が悪いのとは状況が違います。学校の先生や塾講師の中には発達障害について知識が乏しい人がいるはずです。そのような人からLDやADHDが原因で勉強ができないのだろうと勝手に判断されてしまう子も中にはいると思いますが、必死に努力をしているのに努力に見合う結果が出せていないのであれば、親が子がどういうところでつまづいているのかしっかりと見てあげることが大切だと思います。

一塾講師として

思うように成績が伸びない子の親が

「成績を伸ばしてあげたい」

「成績を伸びないのはやり方のせい」

「塾を変えれば伸びるかもしれない」

「今はできないけれど努力し続ければできるようになるはず」

「できないのは努力をしていないから」

と思う気持ちは痛いほど分かります。

しかし、スポーツの得意・不得意と同様に、

勉強にも得意・不得意があります。

少しの努力でかなり良い成績を取れる子もいれば、

相当な努力をすることでなんとかトップになれる子、

努力をしても平均前後しか取れない子、

どれだけ必死に努力をしても全く成績が伸びない子、

様々な子がいます。

「できない」にも程度の差はありますが、どれだけ勉強をしても一定以上の点数を取ることができない場合があるということは子を育てる親として知っておく必要があると思います。

このようなことを書くと「個人的経験による偏った物差しができ『成績が伸びない』と勝手な思い込みをするな」「お前の勝手な思い込みで勝手にできない子のレッテルを貼るな」「学習障害がそんなにいるわけがない、煽るな」と批判を受けてしまうかもしれません。

しかし、塾講師は1人の子だけでなく、様々な能力を持った子にたくさん触れてきているのです

多くの子を見ているからこそ、「この指導でこれだけ教えればこのくらいの実力に絶対に達するはず」ということも分かります。

「このままでは結果がでない」と思えば結果を出せるように必要な対処もします。

しかし、それでもどうにもならないことが現実にあります。

「勉強不足」「勉強のやり方が間違っている」「学校や塾の指導力のなさ」その可能性もありますが、そうでない可能性もあります。

子供が何らかの困難を抱えている可能性がものすごく高いのに、それに気づいてあげられない、そうでないと思いたいのが親の気持ちだということもわかります。

しかし、努力に見合う結果が得られていない場合、その原因が努力不足でないのであれば、そのことに気づいてあげるのも親の役目だと思います。

どれだけ努力をしても学校の勉強ができない可能性が高いのに「できるから頑張りなさい」と言い続けると、子供の逃げ場がなくなってしまいます。

できない部分を補うことも大切ですが、補うのが難しいのであれば、得意なものを見つけそれを伸ばしてあげるべきだと思います。

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