中学の時に最低限の数学ができていた人であれば

計算問題で苦労をする経験はなかったと思います。

計算は大丈夫

という思い込みが

高校数学では思わぬ障害にぶつかるかもしれません。

高校入試レベルの計算問題

公立高校入試の大問1に出される計算問題は

10+3×(-4)

2x+16=5x-5

x(x+3)=-3x+10

といった簡単なものなので

これを解けないという子は滅多にいないはずです。

 

これが私立高校の入試問題になると

例えば東福岡高校の2018年専願入試

大問1の(1)は

{-22×(-3)2-(1-4)3}÷(-32)

(2)は

1/6{(3a-6)×3 - (2b+5a)×2+(-a-b)×5}

(3)は

(3b2c/2a)3×(-ac/6b3)2÷(-bc5/4a4)

若干難しくなっています。

 

大濠高校になるとさらに計算が面倒になり

2019年専願の大問1の(4)では

x2+y2+2xy-x-y-12

を因数分解しなさい

という問題が出ています。

これくらいの計算問題なら訓練をしておけば解けないわけがないと思いますが

 

高校数学の計算問題はこんなもんではありません。

高校で習う計算問題

では、高校の基本問題はどういうものかというと

公立高校入試に出される基本的な計算ができているのは前提として

x3+8

64a3-125b3

といった3乗の和・差の式の因数分解

 

x2+xy+2x+y+1

というような1つの文字について整理して因数分解をしなければならない問題

 

x2+4xy+3y2+2x+4y+1

2つの文字についての2次方程式の因数分解

 

こういったものが超基本 計算問題としていきなり出てきます。

 

これらはたいして苦労することなくできてしまうとは思いますが

中学の時と同じように考えていたら

高校入学直後ゴールデンウィークに入る前に

もう数学は無理だ

となってしまう子も中には出てくるはずです。

計算スピードが遅いと苦労する

高校レベルの計算がある程度できる状態になると

x2+4xy+3y2+2x+4y+1

こういう問題を見た瞬間に

何をどういう手順で解けばいいのか瞬時に分かるので

20秒もあれば解けるようになります。

 

高校数学を始めたばかりでちょっと計算に苦労しているという子だと

本当に?

と思うかもしれませんが

中学の時にならう計算問題が努力により楽に解けるようになった経験があるのなら

訓練次第で誰でもスピーディーに解けるようになります

そこには個人差があります。

 

ちょっと訓練をしただけでこの程度の計算問題であればすぐにできるようになってしまう子もいれば

 

かなり練習をしている(と自分では思っている)のに

たすき掛けの理解に大きく手こずり

20秒どころか1分以上かかっても自分が出した答えに自信が持てない

という子もいるはずです。

 

自分が後者に該当すると感じているのなら

計算問題をたくさん解いて計算手順を体にしみこませるようにしてください。

中学時代はそこまで計算問題に時間を使っていなかったはずなので

計算問題を解くことを軽視しがちな子が多くいますが

計算が難しいと実感したのであれば

大量の計算問題を解くことを勧めます。

慣れるまでは計算問題を大量にこなす

計算が苦手な子が計算問題の練習をほぼせずに

なんとなくこうやればできるだろう

と簡単に考え

放置したままどんどん先に進んでいくと

授業ではなんとなくできるかと思えていたことであっても

いざテスト前に解いてみると

まったく解けなかったり

一問解くのに2分も3分もかかってしまう

ことになるはずです。

 

一問解くのに2・3分もかかっていたらテスト時間内にすべての問題を解き終わることができないので

定期テストですら点が取れなくなります。

 

それだけではありません。

普段の勉強にも支障をきたします。

 

慣れてしまえば10数秒で解ける問題に2分かかってしまったとすれば

30問解くだけでも

10数秒で解ける人が10分くらい終わらせられるものを

1時間以上かけてすることになってしまいます。

 

この数字だけを単純に計算すると

同じことをやっているのに「計算が早い人」は「遅い人」の6倍のスピードで勉強ができることになるので

同じ勉強時間勉強したとしても質が全く異なり

できない人ができる人の何倍も勉強をしてもいつまでたっても追いつけないことにもなります。

 

受験期にそういう状態になっていたら挽回するのは簡単ではありません。

なので、計算問題が苦手だと自分で思っている高校1・2年生は

慣れるまでは大量の問題を解き

3年に進級する前にある程度のスピードで問題を解けるようになっておくべきです。

計算問題ばかりやっていると

途中で飽きたり

どんどん先に進むので新しいことも覚えなくてはならないので

もう計算はいいや

と思ってしまうと思いますが

そこは頑張ってください。

でも授業がどんどん先に進むからやるべきことが多いから計算ばかりはできない

と思ったとしても

特に国立大学を受験する予定の子は

勉強時間を増やすなり、集中力を高めたり、どんなことをしてでも計算はできるようになってください。

 

当然

計算問題を解けるようになることですら苦労をしてしまうというのなら

先に進むほどさらに苦労をすることは間違いありません。

数学がたいしてできもしないのに

数学ができると勘違いしていた人は高校数学を絶対に舐めないようにしましょう。

国立を目指すなら覚悟を決める

数学が得意かどうかは別問題

上で書いた内容と一見矛盾するように思われるかもしれませんが

計算スピードが多少遅かったとしても、それだけで

数学ができない

とは言い切れません。

というのは大学の入試問題は問題の意図を汲み取って自分が持っている知識をフル活用して解くものが多く

思考

出来るかどうかのほうが重要だからです。

計算スピードがあまりにも遅くて、計算問題を1問解くのに10分もかかるなんてことがあったらさすがに厳しいかもしれませんが

周りと比べて若干遅いかな?

程度であればほぼ問題ないです。

定期テストでは大量の計算問題が出されてスピードが遅ければ時間内に解き終わらななかったり

焦ってミスをたくさんしてしまったことで結果が出せないこともあるかもしれませんが

ゆっくりと考えて答えを出すことと、計算問題を解くことは全く異なるので