子どもたちに本を読んでもらいたい!!
目次
本を読むことで何を手にできるのか?
多くの子どもは本を読む習慣がありません。
たとえフクトで偏差値が60以上取れるような子であったとしてもです。
別に本を読まなくても学校の勉強はできるようにはなるんですが
学校の勉強だけでは「教科書に載っている知識を詰め込んだり」「問題を解く技術を身につける」ことしかできないので
それだけでは味気ないし
杞憂かもしれませんが
たとえ高偏差値の大学に進学できたとしても
就職時に
「何もやりたいことがなし、働きたくない・・・自分ができるのは勉強だけ」
なんてことになっちゃうかも・・・
と思ってしまうんです。
もちろん
学校の勉強は日本社会で生きていくために少なからず役立つものなので
それを学ぶことは凄く大切なことであることは間違いないのですが
本を読んで
プラスα
を子どもたちに手にしてもらいたいとも思ってしまいます。
読書は
読解力や語彙力を増やすだけでなく
自分では経験できないことを疑似体験することで視野を広められたり
いろいろな人の考え方を知り自分の勝手な思い込みで偏ったものの見方しかできないようになるのを防いだり
様々なことを知ることで自分の興味関心がどこにあるのかを知ったり
学校の勉強ができるのと同じくらい、もしくはそれ以上に、重要なことを手にすることができます(私がそう思っているだけでこんなことは不要と思う人も多くいると思います)。
子供たちの勉強を見てあげられる塾という立場を利用して読書習慣もつけてもらえればうれしいです。
どうすれば子供たちが本を手にするのか?
子どもたちに本を読ませる上手な方法はあるのかもしれませんが
本の面白さを語ったところで聞く耳を初めから持っていない子には暖簾に腕押しで
実際に手を取ってもらうのは容易ではありません。
ではどうすればいいか?
子どもたちがまとまった文章を読むのはいつか?
学校や塾の国語の授業がほとんど
なはずです。
この現実を利用するのも一つの手段だと私は思っています。
レイズでは「国語の宿題」で取り上げた文章
例えば、
そもそも、なぜ、我々は、誰かを嫌いになるのか?
しばしば、我々は、人を好きになれないとき、「彼の、あの欠点が嫌いだ」
「彼女の、あの欠点は、我慢できない」といった言葉を使うが、そもそも、 この「欠点」とは何か?
科学の世界に、この言葉の意味を示唆してくれる、興味深い言葉がある。
それは、「発酵」と「腐敗」という言葉である。
実は、科学の世界における、この言葉の定義を知ると、誰もが、その「非科学的な定義」に驚くだろう。
例えば、牛乳を「発酵」させると「ヨーグルト」ができる。
一方、牛乳を「腐敗」させると「腐った牛乳」ができる。
では、「発酵」と「腐敗」の違いは、何か?
その違いを、科学の教科書には、こう書いてある。
「発酵」も「腐敗」も、微生物が有機物質を分解する性質。
そのうち、人間にとって有益なものを「発酵」と呼び、人間にとって有害なものを「腐敗」と呼ぶ。「発酵」と「腐敗」に関する定義を読むと、読者は、「科学的客観性」 えた「人間中心」の主観的な定義に、驚くのではないだろうか?
これは
田坂広志の【人間を磨く】なのですが
どうですか?
面白いと思いませんか?
レイズでは宿題を出すときに
実物の本を見せ(うちの塾では宿題に取り上げた文章が載っている本を購入して置いています)
今日の内容はこの本から抜粋されています!!
こうこう、こういう内容の本だよ
と簡単に説明したうえで宿題をやってきてもらいます。
宿題で文章を読んだ後
子どもたちが
もっと読んでみたいな~
と思ったときに
はい、どうぞ。
と本を渡せるわけです。
もし、渡した本が難しかったとしても
じゃあこれは?
と別の本を紹介することもできます。
以前小学校で、腐った鯖と、シュール・ストレミングのにおいを嗅いでもらい、どちらかを必ず食べなければいけないとしたらどちらを選ぶか、という実験をしたことがあった。
すると、全員、あんなに強烈なのに、発酵食品のシュール・ストレミングの方を選んだのである。腐った鯖のにおいは危険信号なんだと、みんなの花が察知したのだろう。
これは【ちくまQブックス】の【世界一くさい食べ物】の「はじめに」の抜粋なのですが
人間は腐った鯖は危険と察知し世界一臭いといわれるシュール・ストレミングを選ぶらしいんです。
へ~~~
ですよね。
この本は「発酵」という言葉が使われているだけで「人間を磨く」と内容が全く違うのですが、
まずは本を手に取ってもらうこと
そして、面白いと思える本に出会うことが大切なので、細かいことを気にしてはいけません。
読みたいと思ったときが読書習慣をつける大チャンス
レイズに通うことで
本を読む習慣のない子供たちが本を読むきっかけになってくれたら嬉しいです。
すぐに読むようにはならない
読書習慣のない子に本を読むことを強制したところで意味がありません。
時間はかかるかもしれませんが、自分の意志で本を読むようになるのを待ってあげましょう。
塾で年間にいくつもの文章を読んでいけば1つくらいは興味を持てる内容に出会えるはずです。
そこで子供たちが本を手にしてもらえたらビッグチャンス!!
もしかしたら、本を手にするだけでほとんど読まないかもしれませんが
本を手に取ったことが大きな一歩です。
借りる、ちょっとだけ読む、借りる、ちょっとだけ読む
その経験を積み重ねていけば本を読むことが当たり前になるはずです。
※ 本を読むのは「読む」ということが当たり前になっている環境も大切です。できればご家庭で子供たちの目が届くところに本を置いたり、子どもの前で読書をし、面白い文章があればその一部だけでも読んでみるように勧めてみてください。本一冊を読み切るのは難しいですが、一部分だけなら読んでもらえるはずです。