塾に通わせることは考えていないけど

子供一人で勉強をさせていたらできるようにならない。

だから親である自分が子供に教えてあげたい。

ということもあると思います。

ここでは

「距離・速さ・時間を求める問題」を利用して

平均点を下回っている中学生に塾講師が説明をするときに

子供たちのどういう部分を見て解説をしているかの一例を書いておきます。

始めに

最初に断りを入れておきます。

あくまでも

ここに書いていくのはつまずく一例であり

ここに書いていることがすべてではありません。

揚げ足を取られたら何も言葉を返すことができないので

へ~そういうところでつまずくこともあるんだ

という感じで読んでもらいたいです。

つまずいているところを把握する

どこにつまずいているのかが分からなければ

何を教えれば問題が解けるようになるのか分かりません。

なので

平均点を取れていない子が塾を利用せずに勉強をするとするなら

どこでつまずいているのかを知ることが大切になります。

 

 

算数・数学は分からなくなったところからやり直せ!!

ということを耳にしたことがあると思いますが

分からないところからやり直すために

始めにやることが「つまづいているところを把握する」というわけです。

 

うちの塾のように

平均前後の子の成績を伸ばしてできる限り上を目指してもらう理念を掲げている塾はどこでも

普段の授業でこういうことを意識して授業をしているはずです。

問題を図に描く

午前9時に自動車で70㎞離れた山に出かけた。

自動車の平均の速さを40㎞/hとすると山に着くのは何時何分か。

この問題を軸に

方程式の文章題を苦手にしている子がどういう部分でつまずいているのか

そしてどういう指示を出してできるようになってもらうかを書いていきます。

 

まずは

何もヒントを与えずに

「まずは解いてみて」

という指示を出します。

 

全く手が動いていない場合は

「文章を読んで書いてあることをまずは図に描いてみて」

という指示を出しますが

この指示で実際に手を動かして図を描き始める子はほとんどいません。

 

理由は簡単です。

書かれてある内容を理解しようとしていない(できない)ので

描こうにも何を描いていいか分からないからです。

 

描きたくても描けないから描いていないのに

「描かないから分からないんだよ。だから描きなさい」

と言われても

「いや、だからそれができないから困っているんだって」

となるわけです。

 

ハングルを読むことすらできない人に

「『私は日本人です』を韓国語書いて」と言われて書ける人がいるでしょうか?

問題の意味が分かっていない子に「まずは図を描いて」というのは

それと同じようなことなんです。

 

親が子を教えるのであれば

子どもがどこにつまずいているのかを把握しておかないと

今の学習状況でそこをやってもあまり意味がないよ

という部分をひたすらさせてしまい

勉強量に割に全くできるようにならないことも起こり得ます。

つまずき部分を把握する

これは本当に重要です!!

 

数学が苦手で何をやっていいのか分からない子に

図を描いてみて

というのは全く意味のないことなので

「描いてみて」と指示を出したのに全く描けないのなら

すぐに指示の出し方を変えてください。

 

文章を読む習慣をつける

文章の何が理解できていないか

何をどうしていいのか全く分からない状況の子に

私がどういう質問をしていくかを書いていきます。

 

実際は普段の学習状況から生徒が何を分かっていて何が分かっていないかをある程度把握しているので

「多分ここが分かっていないんだろうな」という部分を推測して質問をするので

これらすべてを問う分けではありません。

あくまでも一例です。

時速

午前9時に自動車で70㎞離れた山に出かけた。

自動車の平均の速さを40㎞/hとすると山に着くのは何時何分か。

全く手が動かないようなら

まず

「この自動車は時速何キロで走りますか?」

と聞いてみます。

問題文に

「平均の速さを40km/hとすると」

書いてあるので

「時速40km」ということは明らかです。

 

しかし

信じられないかもしれませんが

数学を苦手としている子の中にはこれに答えられない子は多くいます。

 

この場合

「平均の速さ」や「km/h」の意味を知らないことも考えられるので

「この問題に置いては時速のことだよ」

と伝えてあげます。

そうすると

「時速は40㎞」と答えられるようになります(ただそこまで言っても悩む子はいます)。

 

ここでつまずいてしまう場合は

言葉を知らないので

算数・数学の問題を解く前に

言葉には意味がある(定義)ことから教える必要が出てきます。

きはじ(みはじ)?

時速が40㎞だと分かったことを確認できたら次に

「何時何分に到着するか」という問を改めて聞きます。

もちろん、苦手な子はここでも確実に何をすればいいのか分からず止まってしまいます。

 

そこで出てくるのが

論争が絶えない

きはじ(みはじ)

です。

 

距離やスピードを求める問題を解くとき

  1. 理屈で覚えさせて答えを導き出させるか
  2. 理解できていなくても答えを出せてしまう公式を使うのか

学校や塾講師の多くが悩むあれです。

 

私は可能な限り①でできるようにさせるべきだと思っていますが

数学が苦手な子は①でやろうとしてもほとんど理解できない状況に陥ります。

もちろん、そういう状況からなんとか理屈で覚えさせようと私を含めた塾講師・学校の先生は必死になるのですが

それでも厳しいこともあります。

 

子どもが望もうと望まざると

学校で勉強をしていたら授業はどんどん先に進んでいきます。

①で教えて全く問題が解けないまま先に進むか

②を利用してとりあえず「問題を解ける」状態にするするか

どちらが正解という分けではありませんが

私はその場限りの次善手段かもしれませんが

②を使ってでも「問題を解ける」状態に子供たちを持っていくことにしています。

子どもたち(特に小学生)は周りの子が普通に解けている問題を自分だけが解けないことに不安を感じます。

「できない」ことが

  • 恥ずかしいこと
  • ダメなこと
  • 親に怒られてしまうこと

と思っている・・・

もしかすると

不安というよりも恐怖を感じているいったほうがいいかもしれません。

 

そう思わせるくらいなら

とりあえずでも構わないので

「できるんだ」

と思わせてあげる方が算数・数学を得意としていない多くの子供にとってプラスになると思います(ただ、極端に勉強が苦手な子はこれを教えたとしてもその場で問題は解けるようになったとしても、同じことを問われているのに文章がちょっとでも変わる「きはじ」を使っても問題が解けないこともあります)。

 

小学生のときに理屈で覚えることが難しかった子は

理屈で覚えられないまま中学に進学してきているはずなので(必死に勉強をしたり発達によりできるようになることはもちろんあります)。

理屈で教えようとしても混乱する可能性が高いです。

なので

私が数学を苦手にしている子にこの問題を解いてもらうときは

公式(きはじ)に当てはめて解いてもらうことにしています(本人が理屈で覚えることを望むのなら理屈で教える)

 

※ 「公式(きはじ)」を否定する人も肯定する人もどちらも気持ちは分かりますが、だれもが同じように理解できるわけではないので、どれだけ理屈で覚えようとしても覚えられないのなら、まずは解けると思わせることも大事、その後、もっと勉強をしてできるようになりたいと思うなら、そのときは子どもに付き合ってあげればいいと思います。

「公式(きはじ)」に当てはめる

午前9時に自動車で70㎞離れた山に出かけた。

自動車の平均の速さを40㎞/hとすると山に着くのは何時何分か。

「公式(きはじ)」に当てはめて何時何分か聞くと

すぐに「4分の7」時間と答えられる子もいますが

これまた信じられないかもしれませんが

答えられない子も中にはいます。

 

その場合は

「き」は「距離」のことだけど、距離って何キロ?

「は」は「速さ」のことだけど、速さって何?

と問います。

 

これでも「4分の7」時間と答えられない場合は

「距離は『70㎞離れた山に出かけた』とあるので70だよ」

「速さは『平均の速さを40㎞/hとする』とあるので40だよ」

と言ってあげるしかないと思います(これが分からないとなったら公理のようにそうだからそうだと教えるしかないと思います。なお、公理というのは「理屈ではなくそうだからそうだ」というものだと思ってください)。

 

ここまで言わなければ解けないということは「時速」のところで書いたとおり

言葉が分かっていないので言葉を理解させる必要が出てきます。

 

さらにまだ答えられない場合もあります。

その場合は

「きはじ」に「距離は70キロだから「き」は70、速さが40だから「は」が40、40分の70。約分した4分の7」が時間だよ

と答えを教えるしかないです。

 

「公式(きはじ)」に当てはて

この部分でつまずいている子は

既に知っている知識をどのように使うのかが分かっていないので

「公式(きはじ)」はこうやって数字を当てはめていくんだよということを教える必要があります。

ここを苦手としている場合

つまり既知の知識を別の部分に使うことができていない子は

数学の応用問題を解くことにも確実に苦労しますし

文章を読んで書かれてある内容を理解することが苦手なことも多く

国語でもつまずいているはずです。

読解力を高めることも必要になるので

できるようになるまでにかなりの時間を要することになります。

 

単位のズレ

「4分の7」時間で到着するということが分かれば

後は

「何時何分に到着したか」に答えるだけです。

ここでつまずくのは

単位のズレ!!

 

「4分の7」時間を

何時間何分かで表すことができないんですね。

「4分の7」は「1と4分の3」なので1時間はすぐに分かったとしても

「4分の3」時間って何分?

となってしまうんです。

 

これは「1時間」が「60分」になること

過去に「1時間」が「60分」であることを答えられなかった子にあったことはないので

これは誰でもできるはずです。

しかし

「1分」は何時間?

と問うと途端にできなくなる子が増えます。

 

この場合はアナログの時計を使って1時間は60分を具体的に示したりして

1分は1時間を60個に分けたものなので「1分は1時間の60分の1」ということを伝えたうえで

 

「1時間は60分だけど、2時間は何分?」とたずねます。

この質問に答えられない子はいないので

全員が即座に「120分」と答えてくれます。

では「3時間は?」と問えば、「180分」と返ってきます。

そこですかさず「なんで2時間は120分で3時間は180分になったの?『時間×60』をしたからだよね?」

と聞くと

うん

という返事が返ってきます。

ここで時間を分にするときは掛け算をすればいいということを頭に入れておき

分を時間にするときも同じことをすればいいんだよ

ただし60をかけるのではなく60分の1をかけるだけだよ

と言ってあげれば、納得してくれます。

 

あとは、いくつか例題を使って理屈抜きで分を時間にする方法を身に着けさせるだけです。

 

ここで初めて

「4分の7は1と4分の3なので、4分の3に60」

ここまでやって初めて問題を解けるようになる時間にして30分

何も説明しないで勝手に解けてしまう子が1分もかからない問題でも

このように時間をかける必要が出てくる

 

しかも、これで覚えられれば良いが数日したらできなくなっている場合も多い。

 

このような差を埋めるためにどれだけの努力が必要か

もしこれが、発達の途中なだけで時期が来ればできるようになるのならいいが

中学3年生になってもできないこともある。

 

この場合、成績を伸ばそうとしても簡単に伸ばせるものではない

これが勉強不足で

1問を解くのに10分かかる

以上の問題を解くのに

10分~20分くらい時間をかけて説明して初めてなんとなくできるかもしれないと思えるようになる子

中には20分説明してもほとんど何もわからない子もいます(ただし、10代前半くらいまでは発達のスピードには個人差があるので小学・中学の時にできなかったからといって中学・高校になってもできないとは限りません)。

一方

別に説明されなくても解けるし

解説なしでもいきなり解けてしまう子もいます。

この差を埋めるには

どんなに時間がかかったとしても理解して問題が解けるようになってもらうしかありません。

算数・数学は積み上げの科目なので

できないまま先に進めば翌年の同時期に同じ単元を習うときに前年に増して全くできなくなるはずなので

可能であればどれだけ時間が掛かろうができるようになっておいた方がいいです。

中学時代には気づけない数学の実力差

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