関東に住んでいる子たちがどうなのかはわかりませんが
少なくとも福岡のように中学受験が一般的でない地方に住んでいる場合
ノートってどうやって作ればいいんだろうか?
と悩み始めるのは中学になってからだと思います。
そこで、ここでは
ノートをどう作るか?
そもそもノートを作る必要があるのか?
と悩んでいる中高生の参考になるように私の考えを書いておきます。
※ 「学校の授業用のノート」は作るのが当然だと思うので、ここではそれ以外のことを中心に書いています。
目次
まずは「ノートを作る意味」を考える
「何のためにノートか考えもせずただノートを作っている」ので、出来上がったきれいなノートに満足して終わり…。
そうなるのを防ぐために、ノートを作るとすれば、何のためにノートを作るのかを始めに考えてください。
ノートを作る主な理由はおそらくこの3つだと思います。
1.を意識することで、理解・暗記をしながらノートを作成するようになるはずですし(何も考えずに文字を写しているだけの子が本当に多いです。それは、勉強ではなく手の運動でしかありません)
2.を意識すれば、効率的に復習が出来るようにノートを作成するようになるはずです。
こういうことを一切意識しないでただ何かノートを作っているだけの子が多くいますが、意識するだけで状況が変わってくるので
ノートを作るのであれば1番目と2番目は最低限意識しておくことを勧めます。
3は・・・どうでもいいです(評価のために勉強をする意味が私にはわかりません…が、評価が入試の合否に影響されることもあるので仕方がないのですが)。
参考書の表をそのまま真似てノートに書き写すなんてのはもってのほか(勉強のやり方が分からなかった高校3年の5月くらいまではそんなことをしていたので無駄に勉強時間がかかった)
綺麗なノートを作れば評価を上げる先生は以前は多くいましたが
ずいぶん減ってきたみたいです。
それをさせることに「意味がないどころか弊害の方が多い」ということが分かったからだと思います。
綺麗なノートを作るのを止め、その分を理解・暗記に回せば、今までの勉強時間の3分の1くらいで同等の結果を出せるようになるはずです。
ノートをきれいに作れば評定が上がる!!
ノートを作るかどうかは自分で判断する
次に、「そもそもノートは作る必要があるの?」という疑問に答えます。
自作ノートを作ったほうが効率的に勉強が出来ると感じるなら作ればいいですし、
参考書や問題集に書かれてあるものを「改めてノートにまとめても意味がない」と思うなら作らなければいいです。
どうするかは個人の自由です。
私の話になりますが、15年くらい前までは無駄に資格試験の勉強をしている時期があり(当時の私は自分で自分の置かれた状況を判断する力がなかったので、「周りにそういう人が多くいるから」という理由で、資格試験の勉強をしていました。「自分にとって意味のない資格の勉強をするな、ちゃんと考えて行動しろ」と当時の私に言ってやりたいものです)
勉強を始めてから1年半で行政書士・宅建・管理業務主任者・FP2級の4つの資格に合格
3度目の大学に在籍していたときに韓国語・中国語の勉強を始め2年の5月か6月に実施されたハングル検定3級・HSK4級に合格(両方とも難易度が高くない資格ですが、この時期は、心理学・TOEICの勉強も並行していたので勉強時間に限りがあった)
いずれの資格も用語・単語を書きなぐる用のノートはありましたが、まとめ用のノートは一切作っていません。
「理解・暗記が不十分な個所にチェックを入れ、それを見返せばノートを作るよりもスピーディーに覚えられる」ということを経験的に分かっていたので、わざわざ参考書に書いてあるものをノートにまとめ直す意味を感じていなかったからです。
このように
ノートを作らなくても結果は出せるんですから
自分に合ったやり方を確立してしまえば、ノートを作るかつくらないかはたいして重要なことではないということが分かるはずです。
これは、私が特殊というわけではなく、多くの人も同じはずです。
というのは
私の塾の授業は殴り書き用のノート以外不要なので、塾生の全員が塾用のまとめノートを作っていないのですが
うちの塾には
- 学年10番以内に入る子
- フクトで偏差値70前後になる子
が過去に複数いましたし
2024年現在もいます。
5教科平均が200点台だった子が一気に100点以上伸ばして平均点を大幅に上回った子(170点伸ばした子もいます)
過去の試験で350点くらいで一度も400を超えたことのなかった子が400点以上を取るなんてことも普通に起こっています。
もちろん、その子たちはノートを作っていません。
成績を伸ばすのに必ずしもノートが必要という分けではないというのは、この結果を考えれても間違いないです。
ノートを作るかどうか判断する方法
「ノートを作るかどうかは個人の自由だ」とは言っても
「『まとめ用』『間違った問題用』に分けてノートを作らないと成績は伸びない」
「東大生はこうやってノートを作るから勉強ができる」
「きれいにまとめられたノートを作る人は成績が良い」
というようなことを耳にすることも意外と多いかもしれません。
そんなことを聞いてしまうと
「自分もノートを作らなくちゃダメなのかな?」
と不安になると気持ちも分からないではありません。
そこで、ノートを作るかどうかの判断基準として、以下を参考にしてください。
- ノートを作っていなくても満足のいく結果を出せている
- 学校の授業や普段の勉強でノートを見直す習慣がない(作るだけ作って2度と見ない)
この場合、用意するのは殴り書き用のノートだけで構いません。
ノートを作らないことで特に支障を感じていない場合は無理に作る必要はないです。
むしろ、今上手くいっているのに勉強法を変えることで、返って悪い結果になる可能性もでてきます。
ここまで読んでも
「でも・・・出来る子はみんな作っているって聞くし…」と作らいないことで不安を感じるのなら
不安に感じて勉強に集中ができないと思うので作ったほうがいいかもしれませんが、
勉強ができる子が真面目にノートを作っている子ばかりとは限らないことだけは覚えておきましょう。
ノート作成を勧める人は
成績がいい人の中から、ノートを作っている人だけを集めて、「ほら、ノートを作っているから伸びているんだよ」と言い
成績があまり良くない人の中から、でたらめなノートを作っているノートを貸してもらって、「ほら、成績が伸びない子のノートはこうだよ」と言っているだけで
成績が良くてもノートが汚かったり作っていない人、上手なノートを作っているのに成績が良くない子がいるということを無視しているだけなので、鵜呑みにしないほうがいいです。
そもそも、きれいにまとめられたノートを作るから成績がいいのではなく、それができる力があるから成績がいいというだけで、因果が逆の可能性も高いです。
ノートを作る習慣のなかった子がノートを作ったほうがいいかもしれない場合があるとするなら
「偏差値50ないし60を超えてから成績が伸び悩んでいるときに、ノートを作成することでその状況が改善されるかもしれない」ときくらいです。
学校のノート
ノートの作り方が書かれた本やサイトを見ると、細かいことが書かれていますが
授業の板書用のノートは「特に工夫する必要はない」というのが私の考えです。
先生が書いたことをそのまま真似して書くだけで十分です。
「真似して書けばいい」と言うと「ただ文字を写すだけでいい」と捉えてしまう子が多いのですが
あくまでも、ネットやノート作成術の本などに書かれているような、「頭のいい人が作るノート」を真似る必要はない、と言っているだけで
書きながら必要な知識をその場で覚えようと努める必要はあります。
授業中に先生が書いたものを何も考えずにただ写しているだけだと、頭に残るわけがないので、ノートに書きつつ、理解・暗記も同時するわけです。
「先生が書いたことをそのまま書き写すのではなく、自分で考えきれいにまとめられたノートを作る子は成績が良い。だから、成績を伸ばすには自分で考えきれいにまとめられたノート作成が必要だ」と主張する人もいますが、別にそんなことをしなくても「やり方」はそれだけではないというわけですね。
そもそも、きれいなノートは上で触れたように因果が逆の可能性もあります。
ちなみに
学校の授業中に最低限のことを覚えてしまえば、今まで直前1・2週間だけの勉強で平均前後くらいしか取れていなかったのなら、400点くらいは取れるようになるはずです。
今まで直前1・2週間で中途半端な復習しかできなかったから平均点しか取れなかっただけで、授業で最低限の暗記をしておけば、直前期の勉強で身に着けられるものは今までの比ではなくなるからです。
時間の有限性を考えると、学校の授業時間を無駄にするのは勿体ないです。
その時間を有効活用することを考えましょう。
学校の授業時間を無駄にしない
ノートを作成するなら「繰り返し見返せる」ようにする
もしノートを作るとしたら、テスト前に効率的に見返せるようにしておくことを勧めます。
最初に書いた通り、ノートを作るのは
- ノートに書いて理解・暗記をする
- 後で復習をし易くする
この2つのためです。
ノートを作っても後で一切見返さなければ、ノートを作る意味が半減します。
また、参考書や教科書に書いてあることと全く同じことを書いても意味がないので、
「間違い」「なかなか覚えられない」ものをまとめ、「繰り返し見返せて、『できないもの』を『できる』ようにするためのノート」を作ったほうがいいと思います。
もちろん、このとききれいに書くことを心掛ける必要はありません(そんなことに時間を使うのは無駄)。
隙間時間にサッとみるだけでも簡単な復習ができるくらいに、シンプルで見やすいノート作りを心掛けてください。
高校生の英単語
英単語の暗記は市販されている単語帳を使うのが基本ですが
模試・参考書・過去問に出てきた単語の中で、分からなかったものをまとめたノートを作ることを勧めます。
一般入試で大学受験を考えている場合は特にです。
隙間時間にいつでも確認できるように、A6かA7くらいの小さめのノートを使うといいかもしれません。
ペライチ暗記
寝る前に
ペライチの紙(ノートを切ったり、コピー用紙でもなんでもいいので1枚の紙)に覚えたい英単語を10~20個くらい書いて
翌朝ポケットに入れて帰宅するまでに全部覚える
なんてことをやってみるのはどうでしょうか?
私が英単語を覚えるときによくやっていた方法です。
中学生は
右に日本語、左に英語
高校生は
右に英語、左に日本語
を書くことを勧めます。
中学生で習う英単語は意味だけでなく綴れなければならない単語がほとんどなので、日本語を見てちゃんと英語に直せることが重要(書ければ意味もある程度分かるようになる)
高校生は書けるよりも意味が分かるほうが大切(まともに勉強をしている高校生なら発音と意味が分かれば綴りが書けないということはあまり起こらないので、意味を覚える方が重要になる)
だからです。
もちろん、このやり方は英語以外にも使えます。
勉強をしていると、なかなか頭に入ってこないものもでてきます。
「これはもうらちが明かない」
と思ったら、多少時間がかかったとしても、理解・暗記を心掛けて、ペライチにまとめ
次の日に絶対に覚える覚悟をもってポケットの中に入れましょう。
脳の処理スピードに合わせるために書く
私はまとめノートを作ることはしませんが
- 数学の問題を解く
- 自分が思ったり考えたことを書く
- 英単語・理科社会の用語を覚えるときに殴り書きをする
ためのノートは作っています。
訳の分からないまとめノートを作るのは時間の無駄でしかありませんが、数学の問題を解くときにノートに何も書かないなんてことはあり得ませんし
「高校数学が苦手なら「とにかく」手を動かす」に書いていますが、多少時間がかかったとしても、模範解答を書き写す(当然「なぜそうなるの?」と考えながら)こともあります。
理解・暗記が不十分な単語・用語は、多少時間がかかったとしてもあえて手で書き、書きながら理解・暗記をする方が頭に入りやすいこともあります(脳科学の本にも手を動かしたほうが覚えやすいと書かれています)。
「ノートを作るか?作らないか?」や、それと近い「書いて覚えるか?見て覚えるか?」のように二項対立で考えるのではなく、状況に応じて臨機応変に対応することが大切です。
暗記は目で見て覚える?
絶対にしてはいけないこと
絶対に止めたほうがいいのは
参考書
- 教科書
- 授業で使っているプリント
- 授業の板書
これらを、ただ書き写すだけのノート作りです。
私が高校1年だったとき、それまで勉強をほぼしたことがなかったのでやり方が分からず(私が高校1年次どれくらいできなかったかは「偏差値の推移」を見てください)
数学を除く他の科目は教科書の内容をそのまま書き写すという勉強をしていました。
1日5時間の勉強を毎日していたので、このやり方でもある程度結果を出せていたですが、高校3年になり受験を意識し始めてから「このやり方では絶対に間に合わない」と気づき
書き写すことを止め
- 書かなくても頭で覚えられる部分は頭で覚える
- 英単語・日本史の用語は殴り書きで何回か書く
というやり方に変えました。
このとき自分の勉強のやり方を変えなければ大学に合格していなかったと思います。
「書かずに覚えたものはすぐに忘れる」ので、適時、「参考書を読み直す」「何も見ないで覚えたことを思い出す」といったことをするようになりました。
「書かずに覚えたものはすぐに忘れる」と書きましたが
実際は、書いたところで覚えようとしていなければすぐに忘れるのは同じなので、書くだけ時間が無駄なことが多く
勉強のやり方を変えることで今までの3倍・4倍くらいは効率的に勉強ができるようになった、と当時は感じました(ずいぶん昔のことなので、実際はどう思っていたかは覚えていませんが、とにかく勉強効率が良くなったことは間違いないです)。
繰り返します。
学校の授業のまとめノートを作ったり
参考書に書いてあることをまとめ直すためにノートを作る
なんてことをしても、ほぼ意味がないので止めましょう。
私がノートに書くもの
「まとめ用のノートを無理に作らなくてもいい」といっても、それは、教科書・参考書がある場合に限ります。
ビジネス書・新書などの本を読むときは、頭の中に読んだ内容をすべて残すことはできないので
こんなときまで「必要なことはノートに頭の中ですべて覚えろ」なんてことができるわけがありません。
一般的な本だと参考書のようにテキストに戻って簡単に見直すことはできないので、
後で読み直したいことや、自分が思ったり考えたりしたことをまとめるノートを作るのは当然です。
このとき、デジタル・アナログのどちらがいいかは人によりますが、私はアナログ派です。
最近キンドルアンリミテッドで無料でnewsweekを読めると知ってからノートを作り始めたのですが
その一部を載せます(このノート作りをお勧めしているわけではありません。私がこのやり方でノートを作っているということを示しているだけです)。
※ 字が汚いところには触れないでください。
分からない単語がでてきたら左側に、右側に関心のある内容や読んでいて思ったことを書いています。
パソコンで同じことをやりクラウド上にまとめて、後で検索しやすくするほうがいいという人が多いみたいですが、私はアナログでやっています(いつかやり方を変えるかもしれません)。
newsweekは一度読んだら見返すつもりはないので、書いていませんが、一般的な本を読むときは、気になった文章・言葉、読み直したいページ数を書いたりもしています。
参考書の使い方