数学の授業の流れ

  1. 前回の授業の復習
  2. 解説・演習

前回の授業でミスが多かった問題、理解ができているか怪しい問題の復習をします。

それらが終わった後、新しい事項の解説授業を始めます。

標準レベルの問題

使用するテキストは「ウィンパス」です。

公立高校が第一志望の子は数学の難問を解けるようになる必要はありません。

標準的な問題を確実に解けるように勉強をするのがベストです。

「標準問題だけで大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが、「標準問題」=「誰でも解けるような簡単な問題」ではありません。

標準問題を確実に解けるようになれば入試本番で50点前後取れるようになります。

50点取れれば筑紫丘・春日も狙えるので「標準問題だけで大丈夫?」という心配はいりません(ただし、初めから筑紫丘を狙うような子は難関私立も視野に入れているはずなので、その場合は大手塾の一番上のクラスで勉強をしたほうがいいと思います)。

授業の進め方

うちの塾は集団授業の形式を取っていますが

おそらく通常の集団指導塾とは授業のやり方が異なっていると思います。

 

数学も英語同様、長々と解説をすると

生徒たちの集中力が持ちません。

特に、平均前後の子は受け身で勉強していることも多く

丁寧に説明すればするほど

集中力が欠け授業を聞けなくなります。

そうなってしまえばせっかく授業を受けてもほとんど意味がなくなってしまいます。

 

新しい計算問題を解くときは

例題を利用してシンプルな解説をしますが

120分の授業の内解説は10分、残りの時間は実際に問題を解いてもらうようにしています。

 

また、授業は計算演習はできるだけ少なくし、文章題・グラフ問題を中心にしています(計算手順を覚えればあとは宿題で演習すれば済みます)。

文章題・グラフ問題・図形問題は基本問題の解説が終わった後は

各自

自分のペースで問題を解き

分からない箇所が出てきたら質問をスタイルで行っています。

このようにすることで

分かっている問題の解説を聞かなくても済むので効率的に勉強ができるようになります。

 

基本的な計算ができる前提で授業を行っています。基本が定着していなければシンプルな解説だけでできるようにはならないので、その場合は通常授業とは別に基礎の学び直しを個別にする必要があります。

計算が極端に苦手、まじめにやっているのに学校の授業についていけていないという場合、集団で学ぶことは難しいです。

数学が苦手

中学数学が苦手という子は「計算ができないから苦手」「文章題ができないから苦手」の2つに大きく分けられます。

数学が苦手な子は少しずつできるようになっていくようにしてください。

計算が苦手

中学1年の「正の数・負の数」でつまづいてしまう子もいます。

「(ー1)ー(ー2)+(ー8)」や「(ー9)ー(ー6)×4」など

大人からすればできない理由が分からないくらい簡単な問題が出来ない子もいます。

ここで「なんでこんな問題も解けないんだ」と怒っても仕方がないので、解き方の手順を教えたくさん問題を解かせましょう。

問題が解けない子供を見ているとイライラしてしまうかもしれませんが、辛抱強く接していくしかありません。

また、「こんなにできなくて本当に大丈夫だろうか?」と思うかもしれません。

しかし、ほとんどの場合時間を書ければ普通に計算ができるようになるので焦らないようにしてください(1回習っただけでできるようになる子たちと比較してはダメです)。

分数・小数の計算が苦手な場合は必ずできるようになってください。それが出来なければ、計算はできません。

苦手な子は移項でミスをすることが多いです。移項のルールは簡単なのに、それを中途半端にしか覚えていないので何をどうすればいいのかわからず混乱します。子供の「移項のやり方は分かっている」は信用してはいけません。

「計算ができる」=「数学ができる」ではありません。計算はパターンを覚えることができれば誰でもできるようになりますが、計算はできても、文章を理解できなかったり、図形を把握できなかったり、証明問題の論理がまったく理解できない場合もあります。逆に計算はできなくても、人並外れた数学能力のある子もいると聞きます。

文章題が苦手

計算はできるのに文章問題ができないという子は多いです。

この場合、ほぼ間違いなく文章を読めていないことが原因です。

文章が読めない子が少し解説をするだけで文章が読めるようになることはありません。

ただ、文章が読めないからと言って定期テストの問題が解けないという分けではありません(実力テストになると微妙)。

  1. 例題を利用し問題を解く手順を教える(当然、理解してくれないとしてもなぜそうなるのかを教える)
  2. 数字を変えただけの同じ問題を解かせる

この手順で、教科書レベルの問題を「理解していなくても解ける」ようにしてください。

これができるようになってから、類似問題を繰り返し解きます。

類似問題は数字を変えただけの同じ問題ではないので簡単には解けません。

答えを導き出せない場合は答えを教えるのではなく少しずつヒントを出してください。

何が分かって何が分かっていないのかを子供に尋ね、何をすれば答えに近づくかを教えていくのです。

どれだけ文章を読んでも意味をとらえられない子も中にはいます。どれだけ勉強をしても成績が伸びない場合「なぜ伸びないのか」「どこに原因があるのか」丁寧に見てあげてください。

    数学は標準問題ができるだけで十分

    数学は英語と違い、教科書レベルの問題をしっかりと解けるようになっていれば高校進学後に困ることはないと思います。

    賛否が分かれるところですが、難関私立高校を目指さないのであれば、正答率20%未満の問題は捨てても良いと私は思っています(レイズでは公立高校入試の指導しか行っていないので、実際に難問の指導をしていません)。

    そのかわり、公式をただ暗記するだけでなく、公式の証明ができる(公式を理解する)ようにしています。

    正直なところ、公式など理解せず単純暗記さえしておけば公立高校入試の標準問題を解くときに困りません。

    しかし、公式を単純暗記しただけで数学の問題を解いている子は高校進学後数学が苦手になる可能性があります(高校では理解していないと公式を使いこなせないから)。

    中学のときからできる限り公式の理解して使いこなせるようになっておく癖をつけることが高校に繋がります。

    公立高校を第一志望にしている子は、難問はできなくてもいいから公式の理解を心掛けましょう。

     

    高校でしっかりと勉強するという前提なりますが、中学の時に標準的な問題が解けていれば(フクトで偏差値60前後くらいの実力)

    「たすき掛けができない、三角関数がわからない、場合の数と確率が何やってるのか意味不明」ということにはなりません。

    事実、難問の指導を一切しなかった私の塾の卒業生の中に、高校1年で偏差値70台九大B、熊大A判定をとっていた子もいましたし

    九工大(中学3年で入塾したとき偏差値30台だった子)・熊本大学に合格した子がいます。

    大学受験は高校受験以上に個人の能力が影響するので誰でも同じようになるとは言えませんが、中学のときに難関私立に合格するために数学の難問は無理してやる必要性はないと思います。