高校になると1年ないし2年の時に志望する大学によってコースを選ぶことになります。
学校によっては好きにコース選択をできるところもありますが
1年生の成績によって自分が進みたいコースに進ませてくれないこともあるので
選びたいコースを選べなくなることがないよう最低限の勉強はしておきましょう。
目次
高校1年は特に重要
数学が得意かそうでないかがコース選択に大きく影響すると思います。
数学は
どのくらい勉強をすればどのくらいまでできるようになるか
は
他の科目以上に個人差が大きくでるので
高校1年からしっかりと勉強しておくことを勧めます(どの科目もやるべきですが数学は特に)。
というのは
勉強をしないままコース選択の締め切りが訪れ
なんとなく国立理系学部選んでしまったがゆえに
高校3年生になっていざ受験勉強を始めた時に
「あれ、数学全くできない」
となってしまうかもしれないからです。
数学ができないの「できない」にも程度がありますが
「できない」と感じている時点で
受験まで残り1年の期間で国立理系学部に合格するのは難しいはずですし
「できない」が「共通テストレベルの問題でも全く手を付けられない」の「できない」であれば
福大・日東駒専といった中堅レベルの私立理系学部を目指すこともおそらく難しいです。
場合によっては私立文系学部に的を絞って勉強をしなければならなくなります。
そうなった場合
理系コースを選んでしまっているので
高校では受験に関係のない科目の授業をたくさん受けなければならなくなり
やりたい勉強ができず下手をすれば中堅私立文系学部に合格することすらできないことになりかねません。
そうならないよう
上ですでに述べた通り
高校1年の時にある程度数学に力を入れることを勧めます。
必死になって勉強をしているのに進研模試で偏差値60以上になれないのなら
おそらく国立二次の数学を解けるようにはならない可能性がものすごく高いので
その時点で
国立文系学部コースか私立コースに進路を決める決断ができるようになるので
数学ができないのに国立理系コース
というよろしくない状況は免れます。
早い段階で諦めるのはダメ?
一切勉強をせずに「数学が嫌い」という理由で
数学を諦めるのは勿体ないです(できるなら大学受験を考えているすべての高校生は数学と向き合う方がいい)。
しかし
1年以上必死になってやったのに全くできるようになる兆しすら見えない
という場合は
数学は共通テストレベルの問題を解けるようになる程度の勉強くらいに抑え
できる科目を伸ばすために時間を割いたほうがいいかもしれません。
「それでも継続して努力をすれば高3からでも間に合うかもしれないから早い段階で諦めるのは間違っている」
という批判をしたくなる人も多くいると思いますが、
高校数学は中学数学と次元が違うので
必死になって努力をしても全く分からないということが起こり得ることは間違いないです。
なので
高校3年になるまでに「できる」ようになる気がしないのであれば
諦める方が
最終的に納得できる結果になる可能性が高くなるんじゃないかと思います。
もし、それでも
「努力をすれば」
と思う人がいるはずなので
自分に志望校の入試問題が解ける力があるかないかをある程度把握するために
早い段階で必死に努力をしてもらいたいんです。
全日制の高校に通っている高校生が平日に勉強ができる時間は5時間くらいが限度なはずです。
そのうち2~3時間を数学の勉強に充ててみてください。
もしそれでも進研模試で偏差値60以上にならなければ?
それでも
高3になってから継続してやり続ければ何とかなる
と思えますか?
おそらく思えなくなるはずです。
1日1時間程度の勉強でできるかどうかなどわかるわけがないのだから(得意な人は学校の授業を聞いただけでなんとなくわかるレベルになるがそうでない人は1時間くらいの勉強では自分がどれくらいできるようになるかどうかを把握できないはず)
高校1年の時にそれくらいの努力をするんです。
高校数学は本当に難しいので
中学時代偏差値50前半くらいは取れていたけど
高校になったらどれだけ勉強をしてもどうにもならない
ということが起こってしまいます。
高校1・2年の時に勉強をしているのに進研模試で偏差値60以上を取れないのは数学が得意ではない証拠になります。
必死にやっているのに60以下であればなおさらです。
国立二次の数学を解ける実力のある人であれば1日1時間くらいの勉強を数学に充てるだけで進研模試で60以下になることはまずないです。
にもかかわらず1日2~3時間やってもどうにもならないのであれば
その後必死にやり続けたとしても厳しい状況が待っているはずです。
もし、受験に数学しかないのなら数学だけに勉強時間を割くこともできますが、
国立は5教科7科目が基本です。
努力してもどうにもならない場合があることを認め(日本ではこれが「悪いこと」と思われている節があり、かつ「根性論」が美徳と思われる傾向も強いので「現実を見て諦める」ことをできない人が多いように思える)
自分ができる部分で勝負をする方がいい結果が出るはずです。
国立文転はましだが私立文系変更はキツイ
公立普通科に在籍していれば
高校2年進級時に理系か文系(または国立か私立か)にコース選択をすると思います。
1年次の成績が悪すぎて「あなたの成績では理系は選べません」と言われてしまえば困ることはないのですが
自分が理系科目ができるかどうか分からない状態なのになんとなく国立理系コースを選んでしまう子も少なからずいるはずです。
その場合
2年進級時
あっ、自分やっぱり数学苦手だし好きではないからやる気もない
となってしまったらかなり厳しい状況になります。
一度選んでしまったコースは変更できないので
残り2年間理系コースでやっていくしかありません。
この時
国立の文系に変更をするという場合なら
数学や理科が全くいらないという分けではないので多少はダメージは少なくなりますが
理系科目が全く分からないから私立文系を受験するしかないとなったらかなりの地獄を見ると思ったほうがいいです。
理系コースは授業の多くを理系科目なので文系科目は少ないので
入試には関係ないのに多くの時間を理系科目の勉強に使わなくてはならなくなり
合格するためにやらなければならない勉強は学校が終わってから空いている時間を使うしかなくなります。
一言で言うと
時間が足りない
状況になるわけです。
取りうる選択は
- 学校の授業を完全に無視して授業中に内職をし英語・国語・社会の勉強に集中する
- 私大入試の選択科目を数学にする
- 高校を辞めて高校卒業認定試験で大学受験資格を得る
といったものに限られてくるはずです。
③を選ぶ勇気のある子はおそらく少ないので
①・②を選ぶことになると思いますが
①はなかなか簡単にはできないはずなので数学が全くできないという場合を除き選ばないはずなので
結局②が無難な選択になると思います。
いずれにしても
数学が得意ではない
且つ
勉強量が少ない
のに理系コースを選んでしまうと最悪な状況になってしまうので
高校1年次しっかりと勉強をして、自分がどれくらい数学ができるのかを早い段階で知っておくことを勧めます。
高1終了時点で数Ⅰ・A共通テスト7割
数学が得意である子や得意ではないにしても1日2時間くらいの勉強ができているのであれば
進研模試で偏差値60前後にはなるはずです。
もし、2時間くらい勉強をしているのに
模試で60になる気配がまったくない
という場合
国立理系コースを選ぶのはやめておいた方がいいかもしれません(国立文系コースか私文にしたほうがいい)
もう一つ重要なことは
国立大学は5教科7科目が基本だということです。
国立大学はやらなければならないことあまりにも多すぎるので
高校3年の1年間で
一からすべてを終わらせられる
なんてことは、基本的に
考えられない
んです。
国立理系大学を目指しているのなら
高校1年次が終わるときに共通テストの数学Ⅰ・Aの問題を解いて7割くらい取れる実力(2年生であればⅡ・Bも)になっていなければ
理系科目はもともと得意だけでまったく勉強をしていなかったから何もわからない
という特殊な場合を除き(うちの塾の元生徒にその特殊な場合が起こってしまいましたが、その子は中学1年のときから頭がかなりキレていました「佐賀大学合格おめでとう」)
全くできない状況から9か月くらいの勉強で国立大学に合格できることなんて基本的に起こり得ません。