高校数学に苦手意識を感じている人が
旧帝大レベルの国立大学
2次試験に数学が必要とされている地方国立
を受験する場合
得意な人の2倍~5倍は数学に時間をかける必要があると思ってください。
国立理系を目指せるかは早い段階で分かる
目次
学校の授業+100時間~
数学が得意な人に
苦手な人がなぜ数学ができないのか、どのようにできないかを伝えても
分かってくれません。
数学が得意な人は
数学なんか授業をしっかりと受けて、参考書を覚えてしまえば解けるようになるよ
と言うかもしれませんが
数学が苦手な人は
その程度の勉強量では100%どうにもなりません。
できる人の言うことを鵜呑みにしないようにしましょう。
以下に書いてあることと同じような経験のある人は
共通テストレベルの数学Ⅰ・Aで6割とるのでさえ
「授業+100時間~∞」は必要になると思いますし
地方国立大学の理系数学が5割くらい取れるようになるにはさらにその3・4倍~10倍くらいの努力が必要になると思ったほうがいいです。
どのくらいやればどれくらいできるようになるかは
実際にやってみなければ誰にもわからないことですが(思った以上に早くできるようになったりどれだけやって分からなかったり)
いずれにしろ
数学が得意でないのに国立大学を目指す場合
学校の授業を聞くだけでどうにかなる
なんていうのは
100%ありえないものすご~~~~くあま~~~~い考えです。
そういう考えをしているのなら早く捨ててしまいましょう。
※ 受験は全科目まんべんなく良い点を取ればいいという訳ではありません。数学に時間をかけてもどうにもなりそうにない場合は、2次に数学がいらない国立大学を受けるか、2次で数学が2割くらいしか取れなくても他の科目でカバーできるくらい得意科目を2つくらい作っておく、私立文系学部に的を絞るなどしたほうがいいかもしれません。
簡単な問題も簡単とは思えない
数学ができない人は
P8の(5)
(a+b+c)(a2+b2+c2-ab-bc-ca)
を展開する問題で
でa以外の文字を定数と考えて問題を解くといわれても
分配法則をしたほうが楽にできるのになぜそうするのかを理解できません。
理解できないだけならいいのですが
解説を見ても、なぜ途中式がそのような式になるのか分からない分からないなんてこともあります。
P10の(6)
xyz+xy+yz+zx+x+y+z+1
を因数分解する問題で
zについて整理することが分かり
(xy+x+y+1)(z+1)になることは分かっても
(x+1)(y+1)(z+1)までもっていくことができません。
このページの(2)に
1+x+y+xy
を因数分解する問題があるので
なぜこれが(x+1)(y+1)になるのかはそこを見れば解けるのですが
もし(2)がなく(6)だけが与えられていたら
間違いなく(xy+x+y+1)(z+1)を解答にしていたはずです。
(xy+x+y+1)を(x+1)(y+1)にしなければならないことを当たり前と考えられる(気づける)ようになるのに
かなりの時間がかかります。
数学ができてしまう人は
少なくともこのレベルの問題で混乱し「なんでそうなの?」と悩むことはありません。
授業を受けたり参考書の解説を読むことで
「そんなの当たり前でしょ?どこに悩む部分があるのか?それが理解不能」
と思うはずです。
一方
数学が苦手な人は
なぜ?なぜ?と時間をかけて考え抜けばできるようになることもありますが
大半が悩み抜くことをしないので、分からないまま先に進んでしまいます。
だから先に進んだときに問題を解くために理解しておかなければならない知識(公式暗記だけではなく、式の特徴や規則性・解く手順といったことに気づく力)
が全く身についていないので
ずーっとできない状況が続くんです。
できない人はどのようにできないのか
P17の
(1) x=√5-1/2のとき、x2+xの値を求めよ。
(2) x=√5-1/2のとき、2x3+5x2+3x-2の値を求めよ。
この問題には
2乗してルートが消えるように√5を単独にする
とか
無理数を正式に代入するとき、その無理数を解にもつ2次方程式を利用して、求める正式の次数を下げたあと、数値を代入する
といったヒント・解答が与えられています。
これを基に考えれば
(1)は
2x+1=√5
両辺を2乗して、4x2+4x+1=5
x2+x=1
と導き出せます。
(2)は
これを利用して
x2=1-x
を2x3+5x2+3x-2の式に代入し
2x(1-x)+5(1-x)+3x-2
とすればいいのですが
数学が苦手な人はおそらく
ヒントの
「無理数を正式に代入するとき、その無理数を解にもつ2次方程式を利用して」
の意味が分からないはずです。
だから
x2+xに与えられた解を代入する方法でしか(1)の答えを出すことができず
なぜ解答に書かれてある過程をたどって答えを出すのか
を理解できないんです。
なぜヒントが分からないのかというと
おそらく
「無理数」が何なのかを意識しないので
この問題で「無理数」が√5のことだということが分からです。
もしくは
この問題よりも前のページに「無理数」がどういうものなのか説明があるのに、
「無理数」が何なのかをまったく分かっていない可能性もあります。
- そんなものを読んでもよくわからないと思っている
- 読まなくても各問の解説だけを読めば解けると思っている
- 何も考えずただ答えをながめている
数学が苦手な子がどういう理由で解説やヒントを読まない考えないのかは分かりませんが
問題を解くために絶対に分かっていなければならない部分を分からないまま先に行ってしまうんですね。
数学の問題を解くには
過去に覚えたことを利用する必要がある
積み上げの科目
なのに
何も積み上げないまま先に進むから結局分からないわけです。
このとき
積み上げたくても高校レベルの内容が難しくて理解できないということも考えられます。
怖いのは
理解ができていなくても
解答を見てなんとなくわかったような気になってしまうことです。
上で挙げている問題だって
解答を見れば中学で数学ができなくなった子を除けば
最終的な答えが「√5」になることは分かってしまうんです。
高校数学では
どうやって答えにたどり着くのか
その過程を理解している必要があるのですが
その過程が全く分からないのに
解答を見たらなんとなくわかってしまうので
- 数学は苦手じゃないけど分かるような分からないような
- 定期テストでは高得点が取れるのに実力テストになると平均前後しか取れない
なんてことになるわけです(この状況で国立理系大学に合格するのは不可能です)
分からないところにさかのぼって勉強する
数学が苦手な人であっても
分からないところにさかのぼってやれば出来るようになる
ということは分かっている人は多くいるみたいなので
学年をさかのぼって勉強をする(場合によっては中学生レベルの内容までさかのぼって)
人も多くいるみたいです。
しかし
学年をさかの一から復習している
と言っている人であっても
実際はたださかのぼって問題を解くだけで
なぜその答えになるのか理解したり自分で考えようとしないので
理解しなければならないことをスルーしたまま先に進むので
結局できるようになりません。
苦手な人ができるようになるためにすべきこと
数学が苦手な人がまず初めにクリアしなければいけないことは
解説・回答を読み問題を解くために必要な知識が何なのかに気づく
ことです。
数学が苦手な子の大半がこれができていません。
次に
問題を解くために必要な知識を理解する
ことが必要になります。
必要な知識に気づけたとしても、それを理解することができなければ
問題を解けるようになりません。
理解をするのに必要な時間は個人差があるので
得意な人はすぐに理解できているのに自分は5時間くらいやっても分からない
なんてことも普通に起こります。
その辛い状況を耐え勉強を続けられれば
数学ができるようになる可能性が出てきます。
ただ、
高校の学習内容そのものが
中学の日とならないくらい難しいので
小学生のときに学校の授業が理解できなかったり計算スピードが遅かった
中学のとき必死に頑張っているのに数学が苦手で理解に苦しみ偏差値も60以上を安定して取れなかった
という場合
必死に頑張っても高校数学を理解できない可能性もあります。
辛いかもしれませんが、
努力さえすれば絶対に誰でもできるようになる
分けではありません。
これは決して人を馬鹿にしている分けでも
頑張っている人を否定しているわけではありません。
公立高校入試の問題なら満点を取れる実力がある私(塾長)でさえ
高校数学をほとんどやっていないことも原因かもしれませんが
九大の文系数学の問題ですら?????です。
問題の意味すら分からないなんてことは普通にあるんです。
必死に頑張って、それでもどうにもならないこともある
ということを分かっていなければ
別の科目で頑張れば納得できる大学に合格できたのに
意地を張っていつまでも実らない可能性が高い努力をしたせいで引くに引けない状況に陥ってしまった。
ということにもなりかねないので、
必死に努力をすることは大切ですが、これ以上頑張れないくらい頑張っているので思うようにならないのなら、諦める。
こういう考え方も大切です。
なぜできないのかを知る