中学の時に数学に苦手意識を持っていた人が

高校進学後数学の授業が本格的に始まったときに感じるのは

えっ・・・難しくない?

頑張れば自分でも高校数学ができるようになるのだろうか?

だと思います。

中学で数学ができなかったら高校数学も無理?

高校数学は中学数学の延長線上にあります。

逆から捉えると

中学数学は高校数学の基礎になっているともいえます。

つまり

中学数学ができなければ高校数学はできない

それが結論です。

 

ただ

「中学の時に数学ができなかったら高校でもできないの?」

という疑問は

中学の時に勉強をさぼってしまったから全く中学数学ができない状態にいる

だけど

高校から本気で勉強をすれば高校数学ができるようになるんだろうか?

という意図でされているはずです。

 

なので、そういう意味での質問なら

中学の数学ができていなかったとしても高校ではできるようになるかもしれない

という返答になります。

なぜかというと

数学は中学と高校のつながりが比較的薄く

方程式・関数の計算を解くことにさえ大きな苦労をした

という場合を除けば

いきなり高校数学から始めてたとしても何とかなってしまうからです。

中学内容の英語が分からないと高校英語は無理?

どれくらい「できない?」

塾長である私は中学時代まったく勉強をしていませんでした。

勉強をしていなかったので

基本的な計算問題に苦手意識を持つことはありませんでしたが

  • 方程式の文章題
  • グラフ問題(関数)
  • 図形の証明
  • 三平方の定理や中点連結定理を利用して面積・体積を求める問題

一切できませんでした

フクトでは10点前後しか取れていなかったと記憶しています。

 

そんな私でも

中学の復習を一切せず高校で配布された教科書やプリントだけを徹底しただけで

手元に残っている1年のときに受けた進研模試では

  • 第3回(7月)  :41.2
  • 第5回(11月):59.5
  • 第6回(1月)  :56.2

という結果を出しています。

この結果から考えると

中学の時に計算問題に苦手意識がなければ

中学の復習をせずに高校数学から始めてもある程度はできるようになる

といえます。

 

ここで確認しておきたいのは

私が中学時代まったく勉強をしていなかったことが原因で数学が全くできていなかったということです。

仮に私が中学時代必死に勉強をしていたのに数学ができなかったとしたら

たとえば

  • 文章題になると立式ができない
  • グラフ問題はグラフが何を意味しているのかすら理解不能
  • 図形の証明問題は何を書いていいかわからない
  • 三平方の定理は途中でどういう式にすればいいのか全く分からない

こういう場合だと

99%高校で数学はできるようにならなかったはずです。

 

中学数学と高校数学は関連性がそこまでないとしても

高校数学に求められる能力は中学のそれとは比較できないほど高度なものになります。

必死に勉強をしていたにもかかわらず

高校数学と比べるとあり得ないほど簡単な中学数学で偏差値50前後しか取れていなかった

という場合、

高校数学が理解できるようになるとは思えません

 

このように書いてしてしまうと

辛い現実を突きつけられショックを受けてしまうかもしれませんが

どれだけ頑張ってもできない可能性が高いのに

「やればできる」

と期待を持つことの方が結果的に辛い思いをするはずです。

 

中学の時に必死に頑張っていたからこそ「数学を勉強するのは厳しい」ということを早い段階で知ることができ

できる科目に力を入れて勝負する

という決断ができるようになった

とプラスに捉えたほうがいいと私は思います。

どこまでさかのぼってやり直すか

中学数学ができなかった

できないとまで言わないが

得意とは言えない

という場合

どこまでさかのぼって数学をやればいいか迷う人もいるはずです。

上で少し触れましたが

多くの場合

高校数学からスタートして大丈夫だと思います。

 

そういう人が手元に置いておいた方がいい参考書を

やり直しの参考書比較

に挙げているので参考にしてください。

 

中学生が使う参考書にさかのぼってまで勉強をすることは原則推奨しませんが

中学時代ほぼ勉強をしたことがなく本当に何もわからないが

高校では頑張って大学に行きたい

という子が

高校入試が終わってから高校が始まる前に中学の復習をしておきたい

という場合であれば

市販されている公立高校入試対策の参考書を使って一通り復習するのはありです。

 

というのは

どれだけ「簡単」と言われている参考書でも

高校レベルの「簡単」と中学の時の「簡単」は次元が異なり

高校での「簡単」は中学数学の標準問題を解けるようになるよりは確実に難しく

中学レベルの数学が全く分からない人にとっては「激ムズ」になるからです。

さすがに中学レベルの内容が全く分かっていない人がいきなり高校の参考書を使って勉強を始めると

私のように「意地でもくらいついてやる」

とはならずすぐに挫折する可能性も考えられます。

 

ちなみに高校参考書で「簡単」という参考書であっても

三平方の定理の公式(その他中学で押さえる基本公式)は知っていて当然

という前提になっているので

いきなり「三平方の定理によりルート5だから」といった書かれ方をします。

 

もし、中学の復習をせず高校の参考書から使い始める人で、中学で習う公式を覚えていない人は

えっ?なんでそうなると?

と思う部分があったら

「三平方の定理」

というようにワード検索をして確認するなどしてください。

どれくらいできるかわからない

高校進学直後の時期

自分がどの程度数学ができるのか分からない

どの参考書を使って勉強をすればいいかわからない(学校で配布されたものだけでいいのか市販のを別に買うべきか分からない)

と悩んでいるのなら

以下を参考にしてください。

 

2021年に出版された新課程版の黄チャートP122の例題70(2)に

放物線 y=-x2+2x+1を平行移動した曲線で、原点を通り、頂点が直線 y=2x-1上にある放物線の方程式を求めよ。

という問題があり

それに対して

求める放物線の頂点が直線 y=2x-1上 にあるから、頂点の座標は(p, 2p-1)と表される。

という解説がされています。

これを読んで(「実際に参考書を手にして解説を読んで」という意味です。実際の解説にはグラフが与えられているので、解説はグラフを含めて成り立つものなので、上の文章だけでは理解しにくいはずです(ただ、理解できる人も相当数いるとは思います))

なんで「頂点の座標は(p, 2p-1)と表される。」の?

と思ったのであれば中学レベルの内容が分かっていない証拠になります。

 

少なくとも中学時代に塾に通うなり

市販の参考書で高校入試の勉強をしっかりしていたのであれば

こういう基本的なことが分からないことは絶対にありません。

 

それが分からないというのであれば

やり直しの参考書比較

に挙げている本当に全くできない人に勧めている参考書を利用したほうがいいかもしれません。

中学時代には気づけない数学の実力差