中学と高校の学習内容の違いを同じ次元で考えている高校生が多いので
そんなに甘いものではない
ということを知っておきましょう。
それを知ることで
やる気がなくなるのか
やってやろうと思うのか
は人によると思いますが
高校数学の基本的な知識があるかないかで将来の選択肢が変わってくる可能性を考えれば
白チャートレベルの問題くらいはできるようになって置くことを勧めます。
目次
数学に掛ける勉強量
「基礎問題精講」
ここに掲載されている問題をすべて理解して答えられる力がなければ
2次試験で数学が必要とされている大学に合格するのは難しいと思ってください。
なぜなら
この参考書の「特徴と利用法」のところに書いてある通り
この参考書に掲載されている問題は
「これを解けなければ合格はできない」
基本的な問題しか掲載されていないからです。
なので、この参考書を基準に
自分が数学で勝負できるかどうかを判断するのも一つの手です。
学校の授業をしっかりと受け
その倍くらい(週16時間の数学の授業があるなら、それプラス16~32時間)の家庭学習をしても
一向にこの参考書を解けるようになる気配がなければ
おそらく国立大学2次の数学の問題を解ける力を身に着けるのは難しいです。
共通テストレベルの問題で6割くらい取れるようになっておき
地方国立大学の文系学部を目指すほうがいいかもしれません。
※ どうするかを決めるのはあくまでも自分です。理系学部で学びたいのであれば、一日中数学の勉強をしてでも行きたい学部を目指してもいいと思います。
数学Ⅰ・AとⅡ・Bができるようになる時間
数学のできるできないは個人差があり
英語のように努力だけで簡単にはカバーしにくい科目です(と私は思っている)。
勉強を必死にやっていたのに中学の時に学校の授業についていけなかったという場合
高校数学ができるようになることはほぼ起こり得ないはずですし
中学の時に公立高校向けの受験対策しかしていなかった子だと
仮に模試で偏差値60以上取っていたとしても数学がたいして得意でないということもあります。
高校進学後
確実に数学ができるようになると思える子は
難関私立高校対策の授業をやっていたクラス(大手のトップクラスや学力で生徒を選別し且つ難関私立の問題演習をする塾)の授業についていけていた
という場合くらいです。
もし、公立は修猷館・筑紫丘・福岡高校が第一志望で久留米附設レベルの高校を受けるようなクラスに在籍していて
数学の授業についていけていたのなら
基本的な数学Ⅰ・A、Ⅱ・Bであれば200時間も独学でやればある程度解けるようになるはずです。
そうでない場合
数Ⅰ・Aの1科目だけでも「学校の授業+その予習復習」+「受験対策として200時間くらい」の勉強量が必要になる子も少なくないはずです。
仮に数学Ⅱ・Bでも同じくらいの時間が必要になるとすれば、それの倍の勉強時間が必要になります。
これを単純に計算すると
受験対策を高校3年から始めたら
数学がそこまで得意でない人が高校3年から受験勉強を始めたら
国立二次の数学ででぎりぎり合格を狙えるくらいの実力になるためだけで少なくとも400時間必要になります。
そのくらいの勉強量である程度解けるようになればいいのですが
人によってはさらにその倍以上(800時間)勉強をしたとしても
西南・福大の問題を解くのが限界で国立二次の問題は全く手が出せない(5割にまったく届かない)
ことも起こり得るはずです。
高校数学はそれくらい難しいものだと思ってください。
中学の時と同じくらいの勉強しかせずに
「高校数学はやってもできるようにならない」
という子が多くいるような気がしますが、
1日1時間程度の勉強で高校数学ができるようになるのは
修猷館・筑紫丘・福岡高校といった公立高校に合格している子の中にも半分くらいしかいないはずです。
中学時代フクトで偏差値60前後を取れていただけなのに(フクトの数学は簡単なので、よほどのことがない限りしっかりと勉強をしている子は偏差値60前後になるのが当たり前です)
「自分は数学ができる」
と勘違いしているだけの子が1日1時間数学の勉強をしたとしても国立二次の問題が解ける実力にはなれないはずです。
高1から毎日4時間の勉強が必要になることも
私は中学生は中学3年の夏休みころから
高校生は高校3年の1年間だけ受験勉強を必死になればよく
それ以外の期間は自分のやりたいことをやりつつ勉強もやっておいた方がいいという考えなので
高校1年の4月から勉強漬けの生活を送るべきではないと思っています。
しかし
時間を犠牲にしてでも九大・九工大レベルの国立大学や、地方国立の理系学部合格したい
という気持ちの方が強い場合は
高校1年次から勉強漬けの生活を送るのはありだと思います。
ただ、仮にそういう生活を送ったとしても
数学が苦手な子は
共通テストレベルの問題は解けるようになったとしても(中学で躓いてしまった経験があると共通テストレベルの問題も解けるようにならないことも起こり得ます)
国立の二次試験の問題を解けるようになる保証はどこにもありません。
頑張れば絶対になんとかなるのなら
塾講師の立場としても必死になって志望校を目指している子のすべてに
「頑張れ」
と言いますが
頑張ってもどうにもならないことがあるのが現実です(これを言うからうちの塾には生徒が集まらないと思うのですが、中学時に必死に勉強をしていたのに偏差値60以上を安定して取れていないのなら、国立大学に合格できる可能性は低いです)。
その現実を考えれば、努力の方向を勉強だけにもっていくのではなく
興味・関心のあるものを見つけそれに必死になり
高校3年の1年間の努力で合格できた大学に進学したほうがいいと思います。
中学の時にうちの塾に通っていた子の中に
九大・九工大・熊大・佐賀大に合格した子がいますが
その全員が授業をしていて「あっ、この子はかなりできるな」と体験授業の1回、もしくは入塾後早い段階で思わされました。
佐賀大の理工学部に合格した子は「佐賀大学合格おめでとう」
部活でほぼ勉強をせず、高3の夏休み後の模試で福岡工業大学もE判定をとるくらいだったのに
半年の勉強で合格してしまいました。
このように、勉強が得意な子はわずか半年の勉強でも地方国立の理系学部であれば合格できてしまうこともあるんです。
勉強を必死にやっているのなら
自分がどのくらいの実力があるのかを把握することはできるはずです。
- 周りの子と比べても勉強はしているほうなのに白チャートにも手こずる
- 定期テストでは8割以上取れるが模試になると偏差値60未満
- 勉強を必死にしてきたのに基礎問題精講の問題も解けない
という場合
国立二次で数学を必要とするところは志望校から外したほうがいいかもしれません。