現在分詞・過去分詞は中学生にとって理解するのがかなり難しい文法事項です。
1年で習う文法事項と「品詞」が分かっていないと使いこなすことはできません。
分詞を勉強する前にそれらの確認をしておくことを勧めます。
目次
現在分詞
まず「動詞の~ing」の形が現在分詞ということを覚えてください。
ところで「動詞の~ing」って見たことがありますよね?
中学1年の時に習った
「be+動詞の~ing(~している)」
「進行形」で「動詞の~ing」の形を使っていましたよね?
現在分詞はこの「~している」と訳す「動詞の~ing」を形容詞的に使うものなんです。
形容詞的に使う⁉
こんなこと言われても
????????
ですよね。
安心してください。
「形容詞的に使う」なんてこと意味が分からなくても現在分詞は理解できます。
ただ、理解できないと高校進学後に苦労する可能性が高くなるので
余裕のある子は塾や学校の先生に聞いて「形容詞的に使う」がどういうことなのか教えてもらってください。
a book(本)
よりも
a difficult book(難しい本)
と書かれている方が
「difficult」があることで、その本がどういう本なのか、より具体的になりますよね?
これと同じように
現在分詞も直後にある名詞を詳しく説明することが出来るんです。
ごちゃごちゃと書きましたが、覚えるときはシンプルで構いません
例えば
a crying baby
これで
泣いている赤ちゃん
と訳すことが出来ます。
たったこれだけのことなんです。
他にも
- a sleeping dog:眠っている犬
- a running boy:走っている男の子
- a singing girl:歌っている女の子
直後の名詞を修飾して「~している(名詞)」と訳しているだけですよね。
過去分詞
過去分詞は「受動態」「現在完了形」を習ったときに暗記したと思います。
現在分詞同様、過去分詞も形容詞的に使うことができます。
要領は現在分詞の時と同じで
名詞の前に置いて名詞を修飾することができ
その時の訳が
「~される(受動態)」「~した(現在完了形の完了)」
となるだけです。
ここも、言葉で説明されてごちゃごちゃ混乱するよりも
例で使い方を覚えてしまったほうが楽です。
例えば
- a broken vase:壊れた花瓶・壊された花瓶
- a stolen bike:盗まれた自転車
分詞の位置
現在分詞と過去分詞(以下「分詞」)を置く位置は上に書いたものが原則なんですが
原則通りの位置にくるほうが珍しいんです
分詞が使われるときは
「名詞+分詞+α」の順序になるのが一般的です。
こんなことを書くと混乱するだけなので、例文で説明します。
①走っている男の子
は
a running boy
です。
一方
②向こうを走っている男の子
は
a boy running over there
です。
①の「走っている」に「向こうを」という言葉がくっついているのが②の文ですね。
「走っている」だけなら
「a running boy」(名詞の前に分詞を置く)
「向こうを走っている」というように、「走っている」に付属する言葉がついてくるときは
「a boy running over there」(名詞の後ろに分詞を置く)
という決まりがあります。
分詞に何か言葉がくっついていたら後ろから前の名詞を修飾する
と覚えてください。
塾や学校、参考書などを利用してたくさん例をみて分詞の使い方をマスターしましょう。
訳し方
日本語に訳すときは簡単です。
例
- the man reading a newspaper:新聞を読んでいる男性
- the boy playing the guitar:ギターを弾いている少年
- a car made in Japan:日本製の車(日本で作られた車)
- the picture taken by him:彼によって取られた写真
- the language spoken in Australia:オーストラリアで話されている言語
①の例は
分詞の部分である「新聞を読んでいる」を先に訳し
名詞の「男性」にくっつけ
「新聞を読んでいる男性」
となっていますね。
このように
分詞の部分を訳してそれを名詞にくっつけて訳す
これが分詞が含まれた語句の訳し方です。
現在分詞・過去分詞のどちらを使う?
「~している」という訳になる場合は現在分詞
「~される」「~した」という訳になる場合は過去分詞
というふうに日本語の訳で現在分詞と過去分詞のどちらを使うかの判断をしてしまうと
どっちを使っていいか分からなくなってしまうことが多々でてきてしまいます。
たとえば
壊れているコンピューター
だと「~ている」とあるので
訳だけで判断すると
「a breaking computer」
という間違えをしてしまうんです。
そうならないように次のように覚えておくことを勧めます。
(修飾される)名詞が自分の意志で「~する」場合は現在分詞
(修飾される)名詞が自分の意思なく「~される」場合は現在分詞
コンピューターが何者かによって壊されることはあっても、自分の意志で壊れているなんて考えられませんよね?
だから「壊れている」という訳であったとしても
「a broken computer」
とするんです。
※ この時の訳は「壊れたコンピュータ、壊されたコンピュータ」のいずれにもなるので、どう訳すかは文の中で判断するしかありません。
もう少し例を挙げておきます。
①ピアノを弾いている女の子
は
女の子はピアノを弾かされているのではなく、自分で弾いているから
現在分詞を使って
a girl playing the piano
②彼によって書かれた本
は
本は自分の意志で何かを書いたのではなく、彼によって書かれたのだから
過去分詞を使って
a book written by him
分詞を使って文を書く
分詞が形容詞的に名詞を修飾すること
や
置く位置
や
どちらを使うか
ということが分かれば
あとはそれを使って文を書けるようになるだけです。
上に書いた内容の指導をするときに手こずる子はほとんどいないんですが
これ以降に書く内容はスムースにできない子もでてきます。
難しい内容なので、できるようになるまで自分が持っている参考書を使って繰り返し理解を心掛けてください。
※ 主語と動詞の判断がここは役立つので主語・動詞がよくわからない子は「主語と動詞の判別」を参考にしてください。
①-1この本は面白いです。
This book is interesting.
①-2 彼によって書かれた本は面白いです。
The book written by him is interesting.
1の この「本」
が
2では 彼によって書かれた「本」
に変わっただけの文ですね。
ここで「彼によって書かれた」が「本」を修飾していることに気づくことができれば
難なく英文を書くことができるんですが
勉強を受け身でしている子はそういう部分に意識がなかなか向かないので
「彼」が最初にあるから
He wrote a book is interesting.
というでたらめな文を書いてしまうんです。
主語は「彼」ではないし動詞が2つ(「wrote」「is」)があるなんてありえないですよね?
主語がどこまでなのかを意識し、
明らかに修飾されている名詞がある場合は分詞を使う可能性が高い
これを無意識のうちに判断できるようになるまで頑張ってください。
②-1 その女の子は私の友達です。
The girl is my friend.
③-2 向こうに立っている女の子は私の友達です。
The girl standing over there is my friend.
では次の文はどうでしょうか?
③-1 私は車が好きです。
I like cars.
③-2 私は日本製の車が好きです。
I like cars made in Japan.
動詞の後ろに来ている名詞が
1では「車」だったのが
2では「日本製の車(日本で作られた車)」になっています。
ここで名詞である「車」に修飾する語句があることに気づけば簡単に英文が書けるわけなんですが
やはりこれが難しいんです。
分詞を使って文を各段階になると急にできなくなるという子は
- the girl eating an apple:リンゴを食べている女の子
- boys swimming in the river:川で泳いでいる男の子たち
- a letter written in English:英語で書かれた手紙
- the door closed all the time:いつも閉じているドア
このような分詞を使った単語のかたまりを何度も口にして、分詞に慣れていくのも一つの手です。