近年、入試制度の多様化や少子化の影響もあり、入試直前期であっても、かつてのように鬼気迫る様子で勉強に打ち込む受験生の数は減ってきているように感じます。
しかし、そのような環境下でも、筑紫丘・春日・福岡中央といった上位公立高校を目指す生徒たちの中には、最後まで粘り強く勉強を続ける姿勢が多く見られます。
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過度な難問対策は不要
私は、筑紫丘高校の受験対策であっても、「難関私立高校レベル」の難問対策に過度な時間を費やす必要はないと考えています。
筑紫丘に合格するために求められるのは、各教科60点満点中50点前後の得点です。
このラインを確保するために必要なのは、奇抜な発想力ではなく、「正確な読解力」と「設問の意図を正しく理解する力」です。
これらは、標準〜やや応用レベルの問題を丁寧に解く練習を積み重ねることで確実に養われます。
もちろん、難問を解くことで対応力はある程度つきますが、土台となる「正確な読解力」や「基本の徹底」が不十分なままでは、本番で安定して50点以上の得点を叩き出すことは難しいです。
したがって、筑紫丘・春日を目指す場合でも、まずは標準問題を完璧にし、そこから着実に積み上げて50点を狙うアプローチが最も現実的かつ効果的です。
実際にレイズから筑紫丘・春日に合格した子たちは、公立高校の過去問やフクトを徹底して復習・解説するスタイルをとっており、それ以上に特殊な難問対策は行っていません。
筑紫丘高校の入試といえど、すべての問題を完璧に解く必要はありません。
「取れる問題を絶対に落とさず、50点を着実に確保すること」こそが、合否を分ける最大のポイントです。

満点を取れなくても合格できる
「筑紫丘高校に合格するためには満点近い点数を取らなければならない」とプレッシャーを感じすぎている子が意外と多くいます。
確かに、全教科55点以上を取ってしまうような子も存在しますが、それは難関私立高校(大濠・久留米附設など)の対策を徹底的に行ってきた層に限られます。
過去にレイズから久留米附設高校に合格した子は、公立対策を一切しない状態で初めて過去問を解いたときほぼ満点を取っていましたが、これは例外的なケースです。
公立入試本番で満点近くを取るのはごく一部の「異次元」の生徒であり、多くは50点前後を取れるようになれば十分です。
実際のところ、筑紫丘高校の合格ラインは、合計250点(各科目50点)あればほぼ確実、年度や難易度によっては225点(各科目45点)程度でも合格可能なケースがありました。
つまり、筑紫丘を目指すからといって、何が何でも満点を取る必要はないのです。
もちろん、50点という高得点を安定して取るためには「満点を目指すつもりで細部までこだわる意気込み」は不可欠ですが、「満点を取らなければ落ちる」という過度な強迫観念を持つ必要はありません。

年明け1月の過去問の点数
以下の数字は、レイズから筑紫丘高校、春日高校、福岡中央高校へ合格した子たちが、年明けの過去問演習でどの程度の得点を取っていたかをまとめたものです。
うちの塾は生徒数が少ないため、統計的なデータとしての信頼性は低いかもしれません。
しかし、長年の塾講師としての経験から推測したものであり、一定の信憑性はあるとご判断ください。
筑紫丘高校
- 得点範囲:210~240点程度
- 合格目安:過去問で220点前後取れていれば合格の可能性が十分ある
過去問演習を通じて弱点を正確に見極め、対策を継続することが重要です。
また、筑紫丘に関しては「合格の仕方」も重要だと感じています。
丸暗記や詰め込みによるギリギリの努力で合格をもぎ取った場合、高校進学後の授業進度についていくのに苦労するケースも見受けられます。
一方で、中学時代から「なぜそうなるのか」という本質的な理解を大切にし(結果として勉強時間が短く見える子もいますが)、余裕を持って合格した生徒は、高校進学後も授業を中心に予習復習をするだけで学年上位をキープする傾向にあります。
春日高校
- 得点範囲:180点~240点程度
- 合格目安:過去問で190点前後取れていれば合格の可能性が十分ある
春日高校合格者も、筑紫丘合格者と同様に「授業中の理解力・集中力」が高い生徒が多い印象です。
中には勉強嫌いで、高校入学後に成績が低迷(学年下位10%程度)した子もいましたが、中学時代に培った地力があったためか、現役で国立大学に合格しています。
また、普段の勉強時間は多くないにもかかわらずかなり余裕をもって合格できた子は、高校進学後も学年上位を維持し、理系科目では学年一桁台(科目によっては1位)の成績を取っているみたいです。その高い知的好奇心と能力には目を見張るものがあります。
福岡中央高校
- 得点範囲:150点~240点程度
- 合格目安:過去問で180点前後取れていれば合格の可能性が十分ある
過去には150点前後で推移し、過去問で一度も180点を超えないまま本番を迎えた生徒もいましたが、直前期の驚異的な追い込みで逆転合格を勝ち取りました。
逆に、240点を取る実力(筑紫丘レベル)がありながら、内申点が32にとどまったため、戦略的に福岡中央を選択した生徒もいました。
得点範囲が150点~240点と幅がありますが、このような例外的なケースがあったからです。
実際の目安は上に書いてある通り過去問で180点前後を取れている場合になります。

