福岡県の公立高校の合格最低点は公表されていません。

受験生は過去の平均点と合格者の偏差値を基に合格最低点を予測し

志望校に合格するためにどれくらい点数を取る必要があるかを把握しましょう。

平均点

2019年(平成31年・令和元年)入試以降の平均点は以下の通りです。

福岡県の公立高校は合格最低点を公表していないので平均点から合格点の目安を推測しましょう。

年度/科目 国語 数学 英語 社会 理科 合計
2025年(令和7年)3月
2024年(令和6年)3月 39.36点 31.62点 36.72点 36.00点 37.62点 181.32点
2023年(令和5年)3月 30.60点 29.70点 33.60点 33.30点 37.80点 165.00点
2022年(令和4年)3月 36.06点 32.40点 33.72点 33.12点 37.14点 172.44点
2021年(令和3年)3月 39.00点 28.56点 34.62点 35.16点 36.24点 173.58点
2020年(令和2年)3月 36.00点 33.42点 32.82点 28.98点 31.68点 162.90点
2019年(令和1年)3月 39.42点 31.86点 34.38点 37.68点 31.92点 175.26点

この結果を見る限り

平均点は

  • 国語・理科が他の科目に比べ高くなる
  • 英語と社会は他の科目のちょうど中間あたり
  • 数学が一番低くなる

になることが多いみたいです。

 

採点基準は高校によって異なっているので、合格最低点もどこまで信用すればいいかわからないのが実情です。塾では生徒たちの解答の丸付けをするときは志望校によって、厳しくしたり甘くしたりしています。自分で採点すると○にしていいか×にするべきか、部分点はどれくらいあるかといったことに悩むと思いますが、自己採点する場合は、正解か不正解かわからない場合、厳しめにすることを勧めます。

目安

直近5年の平均点を見ると163点(正答率53.3%)~175点(正答率58.3%)の間になっています(令和6年の平均が高くなったので最低目標得点はプラス10点してください)。

この結果を参考に

どの高校に合格の可能性があるかどうかのある程度の目安を書いておきます。

高校名 偏差値 最低目標得点
筑紫丘高校 65 220点
春日高校 61 210点
筑紫高校 60 200点
福岡中央高校 57 200点
筑紫中央高校 55 180点
福翔高校 53 160点
武蔵台高校 45 130点
柏陵高校 40 100点
大宰府高校 不明 不明

表の用語の定義は以下の通りです。

偏差値

中学3年の12月以降の「フクト」で、このくらいの偏差値が取れていれば合格の可能性が十分ある(50%くらい)だろうと思える数字を書いています。

ネット上・フクト・県模試が公表している偏差値とは異なります(それらと比べるとかなり低い数字になっているはずです)。

最低目標得点

入試直前2~3か月前に過去問を解いたときに

このくらいの点数が取れていれば残りの期間で努力次第では十分合格の可能性がある点数を書いています。

第5学区|福岡県公立高校偏差値一覧

合格最低点

合格最低点が公表されていないので何とも言えませんが

平均点が下がれば合格最低点は下がり、上がれば上がる可能性は高くなる可能性が高いです。

ただし、筑紫丘・春日高校くらいの高校になると、平均点が下がったとしても合格最低点が大きく下がることは考えにくいです。

最後の踏ん張り

上の表に挙げた偏差値・最低目標得点があまりにも低すぎて

そんなに低いわけがないだろ!!

と思われた方が大半だと思います。

 

しかし

上に書いた数字はあくまでも

入試直前2・3か月前にそのくらいの実力があれば本番までに間に合う可能性がある

という数字です。

 

入試本番で表に書いているような数値しか取れなければ合格は難しいですが

入試直前期の頑張りで挽回可能な数字ではあります。

 

志望校を決めるときは自分の「のりしろ」も考慮に入れてください。

合格できればどこでもいいというのなら確実に合格できそうな高校を選んでも構いませんが

合格したいのは○高校だけど勉強を始めるのが遅かったせいでE判定しか取れないから合格できそうな△高校に志望校を変える

という場合は

もう一度自分の状況を考えてください。

12月に160点くらいしか取れなかったとしても、本番では200点以上取れるようになることは普通に起こります。

受験しないことで後悔する可能性が高いのなら受けることを勧めます。

 

特に理科・社会が足を引っ張っているせいでE判定になっているだけの場合は、合格の可能性は高いです。

 

たとえば筑紫丘高校を受験する予定だけど勉強があまり好きではなく

国語・数学・英語は50点以上取れるけど、理科・社会は30点台しか取れないという場合(合計220点くらい)

模試の結果はDかE判定になるはずです。

しかし、筑紫丘を目指そうとしている子であれば、本気で理科・社会の勉強を始めれば1・2か月ですぐに50点前後を取れるようになるのが普通なので

判定だけを見たら合格の可能性はほぼないように思えるかもしれませんが合格する可能性は十分あります。

 

逆に

例えば福岡中央高校を受ける予定で

理科・社会は50点前後取れるのに他の3教科は30点前後しか取れないという場合(合計200点くらい)

模試でC判定をとれていたとしても

直前の追い込みが上手くいかず悔しい結果になることも考えられます。

 

ネット上で偏差値が60中盤くらいになっている高校でも倍率によっては偏差値40台後半でも合格できてしまうところもあります(2023年3月入試ではネット上の偏差値が60以上となっている高校なのに偏差値40台でも合格できていたところもあるみたいです。ただし、2024年はその高校の受験者数が大幅に増えることが予想されるので、偏差値50台中盤でも合格が難しくなるかもしれません。公立高校入試は受験倍率が一般の人が思っている以上に大きな影響を与えます。

それまでもずっと必死に頑張っているのに偏差値50前後しか取れていない場合は、入試直前期だけで挽回するのは難しいです。

英数を得意にすることが合格への近道

分野ごとの配点

福岡県の公立高校入試は「全科目60点(5教科合計300点)」です。

定期テストでは内申点のこともあり、6割くらいしか取れない科目があるとそれだけでショックを受けていた子も多くいると思います。

しかし、

入試では自分の志望校に合格するために必要十分な点数を取れば合格できるのだから

全科目8割取らなければならないわけではありません。

苦手な科目が10点台だとしても、他の4科目が40点以上取れるのであればネット上で偏差値60以上と書かれている公立高校にだって十分合格できるはずです。

状況によっては全教科満遍なく勉強をする必要があるかもしれませんが

自分の現在の実力と志望校合格に必要とされる点数を考え

特定の科目を集中して勉強をするのも受験勉強の作戦としてはありです。

 

以下、令和5年入試(2023年3月実施)の大問ごとの配点を書いているので参考にしてください。

国語

国語」は作文の配点が4分の1(25%)を占めています。

配点 内容
大問1 12点 論説
大問2(1) 12点 小説
大問2(2) 9点 語彙
大問3 12点 古文
大問4 15点 作文

 

数学

数学」は小問集合問題が配点の3割を占めています。

配点 内容
大問1 18点 小問集合
大問2 6点 資料の整理(箱ひげ)
大問3 7点 方程式
大問4 9点 関数
大問5 11点 図形証明
大問6 9点 平面・立体図形

 

社会

「社会」は歴史・地理・公民すべて20点ずつ配点されています。

配点 内容
大問1 12点 歴史
大問2 8点 歴史
大問3 10点 地理
大問4 10点 地理
大問5 14点 公民
大問6 6点 公民

 

理科

「理科」は全分野均等に15点ずつ配点されています。

配点 内容
大問1 8点 生物
大問2 7点 生物
大問3 7点 化学
大問4 8点 化学
大問5 6点 地学
大問6 9点 地学
大問7 7点 物理
大問8 8点 物理

 

英語

英語」は全体の3分の1(約33%)がリスニングです。

また英作文が8点(約13%)も配点があります。

配点 内容
リスニング 20点 リスニング
大問1 8点 場面にふさわしい表現
大問2 10点 対話文
大問3 14点 長文
大問4 8点 英作文

 

習っていないことは出ない

筑紫丘・春日・福岡中央高校などの公立高校合格が第一目標で

難関私立は受験する予定はないという子の中に

偏差値60前後で成績が止まってしまったという子もいると思います。

このとき

「成績が伸びないのは難しい問題が解けないからだ」

と勘違いし

普段の勉強で難しい問題ばかり解きたくなるかもしれません。

しかし、

ダメ!!

です。

そんなことをしては

「勉強をしても成績が伸びない」

と不安だけが増していくはずです。

 

そのような状況に陥っている場合

習っていないことは出ない

ということを意識してください。

 

偏差値60くらいで成績が伸び悩んでいるとすれば

その原因は基本的なことが中途半端にしか理解・暗記ができていないので問題が解けていないだけなんです。

 

難関私立

例えば大濠高校の入試に出るような数学の問題を解けるようになるために何十時間勉強をし

難問が解けるようになったとしましょう。

しかし、そのレベルの問題が公立高校入試に出ることはありません。

出ない問題を解けるようになったところで成績は伸びません。

伸びないどころか、

数か月前まで明らかに自分よりも成績が良くなかった友達が

公立レベルの問題に焦点を当てて勉強をしたことで

あなたよりも良い成績になることだって起こります。

 

受験勉強は

それを良しとするかどうかは別として

合格するために割り切って勉強をする必要があります。

現在の実力では合格できるかどうか微妙なときは特にです。