西南・福大に合格するためにどれくらい勉強をしなければならないかが気になる受験生が多いみたいです。
しかし、「1日何時間勉強をすれば大学に合格できるか」でも触れていますが、人によって必要な時間は異なります。
「〇時間勉強したら合格できる」とは一概には言えないので
以下、具体的数字を示していますが「個人差がある」ということを念頭に置きつつ、あくまで一つの参考情報として読むようにしてください。
目次
西南・福大合格に必要な勉強時間
「私立大学難化」に書いた通り西南・福大入試は2020年頃までは合格するのが難しくなっていました。
しかし、それ以降は、2025年2月の西南学院大学の入試が大幅に難化したという例外を除き、全体的に入試の難易度は安定しています。
最近の入試結果を見ると、以下の点数を取ればほとんどの学部で合格できているみたいです。
- 西南学院大学:210点程度
- 福岡大学 :180点程度
科目ごとに目標とする点数を書くと次のようになります。
選択科目 | 英語 | 国語 | 合計 | |
西南学院大学 | 70点以上 | 70点前後 | 60点前後 | 210点 |
福岡大学 | 70点以上 | 60点前後 | 50点前後 | 180点 |
以下「合格点」という表記がある場合はこの点数のことだと思ってください
なお、得意科目で8割以上取り、苦手科目をカバーするという作戦もあります。
例えば、選択科目で90点、英語30点、国語で70点、このようにして合格をしている受験生もいるはずです。
要は苦手な英語を捨てて他の科目で点を稼ぐ作戦ですが、お勧めはしません。
次の表は
中学時代にフクト偏差値が50前後くらいしか取れていなかった子が
高校になってから定期テストのための暗記しかせず
定期テストではある程度の点は取れているが(高校によっては定期テストは暗記すれば8割以上取れる)
高校2年生最後の進研模試で偏差値が35~45
つまり
ほぼ無知識の状態から西南・福大を目指す場合
合格点を取るために最短でどのくらいの勉強時間が必要かを示している表です。
無知識状態ということを考えれば、合格するために必要な時間がかなり少ないことに驚くかもしれません。
「それくらい勉強をするだけで合格できるなら自分も何とかなるんじゃないか?」
と思った子もいると思いますが、現実はそう甘くはありません。
毎日7時間勉強をすれば5か月、9時間勉強をすれば4か月で1050時間になります。
数字をそのまま信じるなら4か月必死で勉強をすれば知識ゼロからでも福大には合格できるわけです。
ですが知識ゼロ状態から勉強を始めた受験生がわずか4・5か月の勉強で福大に合格したなんて聞いたことがありますか?
ほとんどないはずです。
それが現実です。
急に勉強に目覚めることはない
表にある通り
- 福岡大学:1050時間
- 西南学院大学:1200時間
これくらい勉強をすれば合格点を取れる実力になる可能性は十分あります。
しかし、現実には偏差値40前後の子は西南どころか福大に合格することも滅多に起こらないです。
その理由を以下に書いていきます。
西南学院大学・福岡大学の一般入試が2月初旬に行われるため、高校3年生の4月から勉強を始めると、実質的な準備期間は約10か月、日数にして約300日しかありません。
福岡大学合格に最低限必要とされる1050時間をこの期間で割ると、1日平均3.5時間の勉強が求められます。
この数字だけを見ると不可能ではないように思えますが、それまで学習習慣のなかった高校生が受験生になった途端に、自発的に勉強に取り組むようになることは稀です。
したがって、勉強習慣のない受験生にとっては、1日わずか3時間半の勉強時間であっても実現するのが難しいんです。
ごく少数ながら、急に学習習慣が身につくケースも存在しますが、急に勉強を始めた子が1050時間勉強したからといって必ず福岡大学に合格できるレベルに達するとは限りません。
なぜなら、この1050時間という数字は、ある程度効率の良い勉強方法ができ、かつ集中して学習に取り組めた場合の目安だからです。
漫然と時間を費やし、内容の伴わない勉強を続けていたのでは、1000時間はおろか2000時間費やしたとしても、合格に必要な学力は身につかないでしょう。
実際にそれまで勉強をほとんどしなかった子は
- 勉強時間を確保できる
- 集中して勉強ができる
- 志望校合格に直結する学びができる
この3点すべてができないところからのスタートなので、だれの力も借りずにいれば1000時間くらいの勉強では到底合格できないと思ったほうがいいです。
無知識状態から独力で一般選抜入試で西南・福大を受験しようと考えているのであれば、せめて高校2年の11月ころから勉強を始めるようにしてください。
勉強習慣がなかった子が独力で勉強を始めたとしても、初めの数か月は結果をほとんど出せないということを「偏差値の推移」に書いているので参考にしてください。
偏差値30台から合格した塾生の勉強時間
「さすがに1000時間は少なすぎ」と批判を受けるかもしれません。
そこで、レイズの元塾生で、入塾時の偏差値40前後だったのに福岡大学に合格した子たちがどれくらい勉強時間したのか概算を書いておきます。
偏差値40前後で入塾し、福岡大学に合格した生徒たちは、早いケースで高校2年生の11月から、遅くとも高校3年生の4月からは塾の授業を受けていました。
しかし、入塾当初から全員が勉強習慣があったわけではありません。
定期テストで常に上位に入る生徒がいる一方で、全く勉強しない生徒もいました。
それまで勉強習慣のなかった生徒は、高校2年生の頃は塾の授業を受けるだけで、復習をしている様子は見られませんでした。
高校3年生になると、徐々に勉強時間は増えましたが、毎日安定して3時間というわけではありません。
夏休み頃から勉強量は増え始めましたが、毎日10時間といった集中的な努力はできず、3~5時間程度の勉強時間だったと記憶しています。
本格的に受験を意識し始めたのは9月・10月頃からで、平日は3~5時間、休日は10時間程度の勉強をするようになっていました。
見やすいように表を書いておきます。
このように、およそ1140時間くらいの勉強時間で合格していたはずです。
この表はあくまでも一例ですが
一般的に、受験勉強への意識が高まり、本格的に勉強量を増やすのは、入試が現実味を帯び始める夏休み頃からで
9月や10月頃から本腰を入れる受験生が多いと考えられます。
もし知識がほぼゼロの子が9月から勉強を始めた場合、最初の1~2ヶ月はなかなか集中できないことが予想され、年末頃から徐々に勉強ができるようになってくるはずです。
このようなペースで進むと、入試までの勉強時間は限られ、およそ500時間程度になる可能性があります。
無知識の状態から500時間程度の勉強では、合格に必要な十分な暗記をこなすことは難しいと言わざるを得ません。
奇跡的な幸運に恵まれて合格する可能性は否定できませんが、ほぼ確実に不合格になるはずです。
また
- 勉強時間を確保できる
- 集中して勉強ができる
- 志望校合格に直結する学びができる
この3点ができないからスタートが遅いと合格するのは難しいと書きましたが
仮に、数か月かけて1番目と2番目ができるようになったとしても、「志望校合格に直結する学び」を実現することは独学では大きな壁となります。
なぜなら、志望校の出題傾向を正確に把握し、効率的な学習戦略を立てるには専門的な知識や経験が不可欠だからです。
特に英語においては、「西南・福大合格に英語に必要な時間」に書いた通り、独学では非効率な学習に陥りやすく、本来500時間で済む内容に1000時間以上を費やしてしまう可能性があります。
その結果、英語で合格点を獲得することが困難となり、合否が不確実な要素に左右される度合いが大きくなってしまいます。
このように考えると、合格を確実に捉えるためには、単に勉強時間や集中力を確保するだけでなく、専門的な指導のもとで「志望校合格に直結する学び」をが不可欠であると言えます。