「成績が伸びない」と一口に言っても、
- 平均点以下から平均点レベルを目指したい
- 平均くらいから偏差値50台後半を目指したい
- 偏差値60以上を安定して取りたい
- 公立トップ校に合格できる実力を付けたい
- 難関私立に合格できる実力を付けたい
目標の違いによってその「伸びない」の意味合いが大きく異なってきます。
さらにこれらは、たとえば平均点以下しか取れていない状況にいる場合は
- 勉強をする気にならないからできない
- 勉強はしているけど集中できないからできるようにならない
- 毎日必死に勉強しているのに結果が出ない
といったように、悩みが細かく分類されます。
このようなことを考えて、できる限り状況に合わせて何をすべきかを書いていこうと思います。
目次
平均以下から平均以上を目指す場合
平均点に届かない一番の原因は「勉強不足」に他なりません。
なぜなら、普通に勉強していれば、公立中学の定期テストや実力テスト(フクト)で、平均点以下になることはほとんど考えられないからです。
もし平均点を取れていない原因が普段の勉強時間がゼロという場合は
「平均点を取れない子は「勉強を習慣化させる」ことから始める」に書いた通り
まずは勉強時間を確保することから始めてください。
平均点くらいから400点以上を目指す場合
定期テストで400点前後(フクトで偏差値60前後)を取れていない主な原因も「勉強不足」である場合がほとんどです。
400点を超えるために必要な暗記が足りていない可能性が高いので、まずは十分な勉強時間を確保できているかを確認してください。
おそらく、多くの子はそれだけで一気に400点前後を取れるようになります。
問題なのは、定期テスト対策として5教科合計で50時間以上集中して勉強しているにもかかわらず、400点を超えられないケースです。
この場合、今の勉強方法を続けていても、期待する結果は得られない可能性が高いので、
以下のような学習の落とし穴にはまっているかどうか確認してみてください。
これらに注意するだけで、定期テストで400点以上を取れることはもちろん、フクトでも偏差値60台になる子が多くいるはずです。
丸暗記に頼りすぎている
普段から勉強しているのに平均点止まりという場合は、勉強のやり方に問題があるかもしれません。
「「丸暗記」を止め「理解」を伴わせて覚える」で触れたように、用語や公式を丸暗記しているだけではありませんか?
大事なのは、「なぜそうなるのか」を理解しながら覚えることです。
理解が伴うことで、応用問題にも対応できるようになります。
覚える範囲を自分で決めてしまっている
「これくらいで大丈夫だろう」と、中途半端な暗記で満足していませんか?
「勉強しているのに結果が出せない」と悩む子どもたちの中には、指導者から見ると「それでは点数に繋がらない」と感じるレベルで学習を終えてしまっているケースがあります。
「覚える範囲を勝手に決めつける」思い当たるようなことをしているのなら、すぐにその考えを捨ててください。
面倒に感じても、「ここまでは覚えなくてもいいや」となるのではなく、出題の可能性があるものはしっかりと覚えましょう。
もし、どこまで覚えていいのか自分ではわからない場合は、学校の先生や塾講師に聞くようにしてください。
先生・講師は生徒たちの学力状況を把握しているので、質問をされれば何をすべきかをしっかりと提示してくれるはずです。
※ 勉強不足が原因なら「まずはワークの基本事項を覚えろ」といった漠然とした返事しか返せなくなるので、勉強をしているのに思うように結果を出せない場合だけ質問するようにしてください。
知識を定着させる時間をとっていない
せっかく覚えたことも、試験の時に忘れてしまっていては問題が解けるわけがありません。
「記憶に残す」に書いた通り、覚えたことを忘れないようにすることも良い点数を取るために欠かせません。
ワーク・プリントなど一度解いて丸付けをして終わりなんてことをしていては思うように成績を伸ばせないのは当然です。
苦手な分野から逃げている
「理解できないから」「嫌いだから」といって、苦手な単元や理解できない箇所を避けていませんか?
「理解できない箇所、嫌いな単元から逃げる」で指摘した通り苦手な部分を放置すると、それがテストでの失点に直結します。
難しいと感じても、諦めずに繰り返し取り組むことが大切です。
偏差値60台後半を目指す場合
定期テストで平均点以下から一気に100点以上点数を伸ばし、合計350〜400点程度にすることは、生徒がやる気を出して勉強に取り組めば、決して難しいことではありません。
実際にうちの塾では、これまで勉強習慣がなかったために平均点以下だった生徒が、入塾後に100点以上成績を伸ばすケースは珍しくありません。
中には170点もアップした生徒もいるほどです。
しかし、既に定期テストで400点前後、フクト偏差値が50台後半の生徒を、偏差値60台後半へと引き上げるのは簡単ではありません。
偏差値60くらいから、個人差が大きく影響し始めるからです。
偏差値60台後半〜70台を達成する生徒たちの特徴
うちの元塾生の中には、小学生の頃から通い、普段そこまで勉強時間を多くとらなくても偏差値60台後半〜70を出す生徒が何人かいました。
彼らの多くは、小学生の時から「この子は私(塾長)よりも確実にできる」とわかるほど、突出した力を持っていました。
彼らは中学進学後も、テスト直前に少し勉強するだけで400点台後半を取り、塾の授業を受けるだけで、一切対策をしなくても中学3年生で受けた実力テスト(300点満点)で240点台を出すような生徒たちです。
偏差値60台後半を目指すための戦略
偏差値60台後半を目指すということは、このような上位層の生徒たちと競い合うことを意味します。
そのため、単に勉強時間を増やすだけでは太刀打ちできません。
まずは、あなたが「学習の落とし穴」にはまっていないか確認し、もし当てはまる点があればそれを修正してください。
もし「落とし穴」にはまっていないにもかかわらず偏差値60台後半を安定して取れない場合は
単に勉強時間を増やすだけでなく、「上位層は問題演習中心に」で述べているように、問題演習に重点を置いた勉強に切り替えてみましょう。
そうすることで少しずつ状況が変化してくる可能性があります。
結局は自分の力でやるしかない
ここまでお読みいただいた方には、塾に通っていても成績が伸び悩む理由が、なんとなくお分かりいただけたのではないでしょうか。
結局のところ、授業以外の努力が成績に大きく影響するのです。
子ども自身が「やるか、やらないか」が成績を左右するため、「授業を増やせば成績が伸びる」に書いた通り、ただ授業を増やしたところで成績が伸びるわけではありません。
受験直前期になると、集団指導塾に通いながら、さらに個別指導塾にも週に2回通う子がいるということも耳にしたことがあります。
また、普段は個別指導塾で週に1〜2回1コマの授業を受けている子が、夏休み期間中に1日2コマの授業を週4〜5回受けるようになる、といったケースもあるようです。
しかし、このように授業回数を増やしたとしても、その効果はほとんど期待できないと考えた方が良いです。
なぜなら、塾ができることは
- 何をすればいいかわからない子に道を示してあげる
- 難しい内容をできる限り分かりやすく教えてあげる
- 理解が難しいところを簡単なところから順を追って教えてあげる
- 間違った勉強をしている場合、少しずつ修正してあげる
- 志望校合格の可能性を高めるためにやるべきことを示してあげる
といったことでしかなく
塾が代わりに暗記をしたり理解をしたりしてあげることはできないからです。
自分で暗記や理解をすることを勉強の中心に置かず、塾の授業を勉強の中心にしていたら思うように成績が伸びないのは当たり前なんです。
なお、うちの塾でも個別指導を取り入れていますが、夏休み期間中も個別指導のコマ数をやみくもに増やすことはしていません。
家での学習に集中できない子には、塾の自習室で授業の復習や暗記をしてもらっています。。
単に授業のコマ数を増やすだけでは、復習・暗記の時間を確保するほうが、成績向上に直結すると確信しているからです。
コマを増やしても、ほとんどの場合子供たちの負担は増えるだけで学習効果は薄いので、本当に成績を伸ばしたいのであれば、授業を増やすのではなく集中して勉強をする時間を増やす工夫をしましょう。
塾に通っても成績が伸びない?