レイズでは中学生の授業は英語・数学を中心にしていますが、一番重視すべき科目は国語だと思っています。

なぜなら、どんな教科を学ぶにしても、文章を正確に読み解き、内容を理解する力が不可欠だからです。

要約・意味調べノート作成で得られること

国語力を高めるためにレイズでは要約・意味調べノートの作成を宿題にしています。

 

小中高校生の多くは、学校の定期テストで良い結果を出すために、暗記中心の勉強になりがちです。

これではせっかく時間を使っても、得られるものが「定期テストの結果」だけになってしまうかもしれません。

もちろん、勉強をする理由は人それぞれです。

しかし、一番の理由は「親に頼らず、社会で活躍できる力を身につける」ことではないでしょうか。

目先のテスト結果も大切ですが、それだけでなく、国語の学習を通して一生役立つ力を育てていくことが重要です。

例えば、文章を読んで内容を正確に理解する力、自分の考えを分かりやすく伝える力、相手の意見を尊重しながら議論する力などは、社会に出てからも必要とされる力です。

これらの力を養うために、文章の要約や意味調べノート作成をすることは、非常に効果的な方法です。

というのは要約や意味調べノート作成は

  • 筆者の主張や要点を的確にとらえる力が養われるので説明的文章が読めるようになる
  • 自分の言葉で表現する必要があるので、語彙力・表現力・文章構成力が向上する
  • これからの大学入試で重要性を待つ小論文を書く練習になる
  • 文章に一定の構造や論理展開があることが意識できるようになり、高校で英語の長文を読むときに少なからず効力を発揮する
  • 必要な情報を効率的に収集・整理・分析する力が養われるので情報過多な現代社会において確実に役立つ

こういったことにつながるからです。

 

国語(要約・意味調べノート作成)の勉強を通して、これらの力を身につける、自分の可能性を大きく広げましょう。

意味調べノート

意味調べノートの作り方は「小池陽慈 .中学入試 国語授業の実況中継 実況中継シリーズ.語学春秋社,2022」に次のように書いてあります。

「文章を読んでいるなかで出会った、意味を知らない言葉について、辞書で調べて、ノートにまとめる」

これだけのことなので何も難しいものではありません。

 

イメージしやすいように、作り方の例を書いておきます。

 

次の一文を読んでください。

一見矛盾することばを結びつけて、一面の真理を伝えるのを修辞学でオキシモロンという。日本語では撞着語法と呼ばれる。

(出典:外山滋比古、ことわざの論理、筑摩書房、2007)

この文で「矛盾」「修辞学」「撞着」という言葉が分からなければ

意味調べノートの書き方

このように熟語の「意味」「例文」「漢字個々の意味」を書いていくわけです。

意味調べノート作成には相当の時間を必要としますが

  • 分からないことを自分で調べる習慣が身につく
  • 新しい知識や情報に対する好奇心が刺激される
  • 言葉に対する興味や関心が深まる

といった効果も見られるので

「時間の無駄」「面倒」と思わず、実践しましょう。

 

調べた言葉は、実際に使ってみてください。

そうすることで言葉が自然と身につきます。

言葉は「思考の道具」なので、語彙力が増えれば複雑な文章も読めるようになり、思考力も深まっていきます

意味調べノートを作成し語彙力を高め、学力向上のための強力な武器を手に入れましょう!!

要約の仕方

「具体例や繰り返しの部分は削っていいかな?」といったように、不要な部分を捨てて骨格だけを残せば、要約はできます。

その意味で要約は『削ぎ落とす力』と言い換えられるかもしれません。

「削ぎ落すだけ」と考えると「要約は簡単」と思えるかもしれませんが、

不要な部分を削ぎ落すには『本質を見抜く力』が必要なので、慣れていない人がすぐに上手くできるものではありません。

時間をかけて、一歩ずつ要約の技術を磨いていきましょう。

ファーストステップ(重要個所の線引き)

要約を始めたばかりの時は何をどう書けばいいかわからないはずです。

そこで塾が小学6年生の国語の授業でやっていることは「これは重要だと思う」という部分に線を引いていくことです。

  • キーワード
  • 指示語
  • 接続表現
  • 対比
  • 具体と抽象

といった「説明文を読むために着目すべき部分」を意識させつつ文章を一通り読み終わった後に

「じゃあ、重要だと思った部分に線を引いてみて」と指示を出します。

これを繰り返せば、意識せずとも文章の読み方が身についてきます。

セカンドステップ(段落ごとのまとめ)

ファーストステップを繰り返すことで、講師が一緒に文章を読まなくても「筆者の主張」「重要な個所」に気づけるようになっていきます。

その段階まで来たら「各段落で重要だと思う部分をノートに書き出して」という指示に変えます。

文章で重要な部分を把握しそれを書き出すだけなので、この段階まではそこまで苦労をしなくても達する子が多いです。

ラストステップ(自力で要約)

セカンドステップができるようになったらラストステップに移ります。

この段階では筆者の主張を把握できているはずなので、接続表現や指示語を使い、重要だと思って抜き出した部分をまとめてください。

 

さらに一歩先を行きたい子は、著者の言葉をそのまま借りるのではなく、自分の言葉で言い換えて要約する訓練をしても構いません。

小学生の国語

国語は勉強をしなくてもできる?

国語は、日々の生活で培われる言語能力に左右されるため、勉強習慣がない子でも一定の点数を取れることがあります。

しかし、それは表面的な理解に過ぎません。

真の国語力は、読解力、論理的思考力、表現力など、多岐にわたる能力の総合的な習得によってのみ得られます。

近年、子供たちの国語力の低下が顕著です。

その原因は「飛ばし読み」「勝手読み」をすることだと私は考えています。

「多分こんなことが書いてあるだろう」と文章を正確に読み解くことをせず、自分の都合の良いように解釈していては国語ができなくなって当然です。

この状況を放置すれば、子供たちは文章の深い理解を欠き、論理的な思考力や表現力を十分に身につけることができません。

それは、学力だけでなく、社会に出てからのコミュニケーション能力にも悪影響を及ぼします。

だからこそ、私たちは子供たちの国語力向上に真剣に取り組む必要があります。

読書習慣の定着、文章の要約練習、語彙力強化など、具体的な対策を講じるとともに、文章を正確に理解することの重要性を子供たちにしっかりと認識させることが不可欠です。

文章を読めない子が増えている