中学生が普段どのような勉強をすべきかについて書いています。
目次
短期間で伸びる科目ではない
国語は少し勉強をしたからといって、すぐに劇的に点数が伸びる科目ではありません。
だからこそ、短期間で結果を求めず、中学1・2年生のうちから時間をかけて読解力や語彙力を高めておくことが重要になります。
とはいえ、国語は、他の科目と異なり、勉強を全くしなかったとしても、テストである程度点数が取れてしまう科目です。
定期テストで400点前後取れている子であれば、特別な勉強をしなくても、入試で40点前後はとれるはずです。
そのため、多くの子が「勉強をしなくてもこれくらい点数が取れるなら国語はやらなくていい」と勘違いし、勉強の必要性を感じにくい科目でもあります。
しかし、「勉強をしなくてもいい」と思うのは大きな間違いです。
なぜなら、国語力、特に文章を正確に読み取る「読解力」は、受験5教科の中で最も重要だからです。
「理科や社会の長文問題が解けない」「数学の文章の意味が理解できない」というのは、単に暗記・理解不足というだけでなく、文章の意味を理解できていないことも影響しています。
国語ができるかどうか(読解力があるかないか)で、結果的に他の4教科の成績の伸びしろが決まってしまうと言っても過言ではありません。
さらに、国語は中学卒業後も、高校・大学入試にとどまらず、どのような進路に進むとしても必ず役に立ちます。
- 参考書、専門書、マニュアルなどを読むときの理解が早まる
- 物事を論理的に捉える力が高まる
- 複雑な情報や、複数の情報を整理し、筋道を立てて考えられるようになる
- 様々な資料やデータを統合的に理解し、適切な解決策を導き出す力が高まる
- 相手の話の意図や真意を正確に理解できるようになる
- 自分が理解した内容を、要点を押さえて的確に説明したり、質問したりできるようになる
- 図表、グラフなどの非言語情報も、文脈と関連付けて深く読み解く力が身につく
といったように、学習効率、問題解決能力、コミュニケーション能力など
勉強、仕事、日常生活におけるほぼ全てにおいて役立ちます。
国語ができるかどうかで、自分が将来選べる可能性や活躍の場が決まると言っても過言ではないほど重要な科目です。
勉強をしないまま中学を卒業してしまうと、読解力や表現力がない状態が続き、将来の選択肢を自ら狭めてしまうことになります。
だからこそ、中学生のうちにしっかりと勉強をしておきましょう。
現代文(論説文・随筆・小説)
定期テストで必要な知識を暗記する程度で、現代文の勉強に真剣に取り組んでいる中学生は多くないのが実情だと思います。
しかし、本当に国語ができるようになりたい(読解力を高めたい)のであれば、定期テストのための暗記だけでは不十分です。
理想を言えば、中学1・2年生のうちに
のような参考書を活用し、受験のためだけでなく、社会にでてからも使える力を身につけるために現代文の勉強に取り組んでもらいたいです。
また、参考書を読んで読解力を付けることだけが現代文の勉強ではありません。
現代文の勉強を通じて、最低限の本の読み方を知ったうえで
- 14歳の世渡り術
- よりみちパン!セ
- 中学生の質問箱
- あいだで考える
- 小学館YouthBooks
- ちくまQブックス
- ちくまプリマ―
- ジュニスタ
- 岩波ジュニア新書
といった本を読めば、自然と現代文が解けるようになっていきます。
そうすれば、意識して現代文の勉強をしなくても、高校入試どころか大学入試においても苦労することがなくなります。
これからの大学入試は「小論文」を利用した入試形態が増えてくることが予想されるので、それを考えても現代文の勉強はしっかりとやっておくことを勧めます。
漢字
漢字・語彙は、受験のことだけを考えれば学校で習う漢字を覚えるだけで十分です。
それらを普段からコツコツ覚えるようにしてください。
そうすれば、「漢字が分からなくて問題が解けない」ということがなくなります。
もし、学校とは別に覚えたいというのなら
などを使って、どんどんを覚えてください。
また、漢字と同様に重要なのが語彙力です。
「語彙力は漢字(熟語)のことではないの?」と思う子が多くいるかもしれません。
もちろん、漢字も語彙力の一つですが、語彙力は漢字よりも定義が広く、たとえば「グローバリゼーション」や「イノベーション」といったカタカナ語(横文字)も含まれます。
漢字を暗記する際、読み書きはできても意味まで覚えていない子がかなりいます。
語彙を意識すれば、読み書きだけでなく、意味まで覚えるようになるので、語彙力を高めると読解力が高くなります。
お勧めの参考書は
です。
語彙力は、定期テストや入試のためだけでなく、社会人になったときの一般常識としても必要なものです。
そのため、1日5分でも構わないので、しっかりと勉強しておくことを勧めます。
文法
文法の勉強は学校の授業で習ったことを覚えるだけで十分です。
しかし、学校の文法の授業を聞いても分からないという子も多くいると思います。
そのときは、
を使うか
【やさしい中学国語】
にわかりやすい文法の解説があるのでそれを利用してください。
ただし、仮に文法が苦手であっても、福岡県の国語は文法問題の配点が少ないので、無理に力を入れる必要はありません。
なぜなら、「文法が苦手」と言っている子の多くは文法が嫌いで、本気で覚えようとする気が持てず、結果ダラダラと時間だけを無駄にしてしまう可能性が高いからです。
文法が嫌い!!
という子は、文法ではなく現代文(読解)の勉強をするようにしましょう。
古文・漢文
福岡県の公立高校入試では、古文は丁寧に読めば内容が把握できる程度の文章が、そして漢文は返り点(レ点・一二点)の問題が出題されるだけの場合がほとんどです。
したがって、中学1・2年生の時は特別な対策をせずに、日頃の定期テストの勉強で十分に対応できます。
とはいっても、子どもたちの中には「古文がまったくできない」という子もいます。
しかし、難しいと感じるのは「古文独特の表現を読み慣れていない」ことが原因です。
「古文は読める」と暗示をかけ、現代文だと思って臆せずに真剣に読んでみてください。
そうすれば、時間をかけて特別な対策を取らなくても、結果を出せるようになるはずです。
作文
「作文が苦手」という子は多くいますが、そういう子でも、福岡県の公立高校入試の作文は直前期に少し対策をするだけで、意外とできてしまう場合が多いです。
そう考えると、作文は特にこれといった対策を早い段階で集中的に行う必要はありません。
それよりも、現代文の勉強をすることを強く勧めます。
現代文の勉強を真面目にやっていれば、そこで培われる論理構成力や表現力により、作文で満点をとれるようになります。





