中学で習う英文法をまとめました。

以下の内容はあくまでも「中学生が学ぶ英文法がどういうものなのか」について書いているだけです。

塾に通っていない子が独学で勉強をするときは市販の参考書を使ってください。

始めに

公立中学で習う英文法はかなり簡単です。

それにもかかわらず「英語が全く分からない」という子が半数近くいるみたいです。

このようなことが起こる原因は「理解・定着をしようとして勉強をしている子が少ない」からだと思います。

対照的に、レイズの生徒たちの多くが英語を得意科目としているのは、授業内で文法理解と定着を連動させる独自の学習法が効果を発揮しているからです。

この学習法では、生徒は特別な意識を持たずとも、自然と知識が定着するため、効率的に学習を進めることができます。

英文法の基礎が確立されれば、あとは単語の暗記に注力するだけで、少なくとも定期テストでは8割以上、フクトでは偏差値55以上になります。

中には20回・30回と同じことを説明しても「be動詞・一般動詞」の使い方が定着しない子もいます。この場合は英語の成績を伸ばすことはかなり難しいです。生徒の理解状況に合わせて、場合によっては個別で対応もしているうちの塾で英語を学んでできなければ、おそらく、どの塾に通ったとしてもできるようにならないと思います。

主語・動詞

主語・動詞」という言葉自体は知っていても、英文を見て「主語」「動詞」がを判断できる子はかなり少ないです。

外国語(第二言語ではなく)としての英語を学ぶには文法の理解が出来ているかどうかが重要になるので

英文を見て「主語や動詞が分かりません」となると、中学生までは表面的にはできているようにみえても、高校進学後一気に英語が出来なくなるはずです。

そうならないためにも、最初は面倒に感じるかもしれませんが「主語」「動詞」の判断は必ずできるようになっておきましょう。

 

なお、留学経験ゼロなのに複数の外国語を自在に操れる人が「文法は不要」と主張していることがありますが、特殊な能力を持った人でなければできないことなので、参考にしないほうがいいと思います。

品詞

「主語」「動詞」の判断が中学生が多いですが、それ以上に分かっていないのが「品詞」です。

高校3年からレイズで初めて英語の授業を受ける子の大多数が品詞の理解が出来ていないことを考えると

小中高校と「品詞」を丁寧に学習している子はほとんどいないと思われます。

外国語として英語を学ぶ人にとっては複雑な英文を理解するために「品詞」の理解が出来ているかどうかが非常に重要になります。

 

※ 私が大学受験生のときは品詞の理解をしていませんでした。それでも模試で偏差値60を下回ることはほぼなかったのですが、仮に品詞の理解をしていれば、英語の勉強時間は3分の1くらいで済んでいたと思います。文法を無視して単語・熟語をひたすら暗記すれば、感覚的に問題が解ける割合が増えるので、ある程度結果は出せるようになりますが、あまりにも非効率なので、中学生のうちに品詞の理解は絶対にしておいた方がいいです。

be動詞・一般動詞

be動詞・一般動詞」は英語を本格的に学び始めたばかりのときに、これらを一度に覚えようとすると頭が混乱します。

教科書が変わる前はbe動詞に慣れるために1ヶ月くらいは時間を使い、そのあとで一般動詞を教えていたみたいですが

今では、これらは小学校の時に習っているので知っているという前提で授業が進むので

中学1年のゴールデンウィーク開けにはまったく英語ができなくなってしまう子も多くいます。

そうならないように、

小学生のうちに時間をかけてこれらの使い分けができるようになっておく必要があります。

複数形

複数形」は日本語を母語としている日本人にとっては単数・複数の明確な区別がありません。

英語を学んで初めて意識する概念かもしれません。

「s」を付ければいいだけならそこまで難しく感じることはないかもしれないのですが

「es」「yをiに変えてes」「不規則に変化するもの」など、学び始めの子にとっては混乱を避けられないはずです。

しかも、学んでいても面白みを感じられるものではないので、覚える気になれず、中学3年生になっても間違える子も多くいます。

 

受験を意識し始める中学3年から英語の勉強を少しずつ始めると、定期テストではそこそこいい点数が取れるのに実力テストになると平均点も取れないなんてことがお頻繁に起こると思いますが、その原因は、「複数形」をはじめとした、中学1年で習う基本事項が中途半端だからです。

そうならないよう、覚えることがそこまで多くない中学1年の早い時期に定着させることを勧めます。

代名詞

代名詞」があやふやな中学生も多いです。

うちの塾に体験授業を受けに来てくれる子の中には

「私のお母さんは先生です」を英文にしてもらうとき「I mother is a teacher.」という間違いをする子もいます。

一度覚えてしまえば、比較的簡単に使いこなせるようになる文法事項なので、極力早い段階で(できれば中学1年の1学期までに)覚えてしまいましょう。

疑問詞を使った疑問文

「be動詞・一般動詞」の理解が不十分なときに「疑問詞を使った疑問文」を覚えようとすれば確実に混乱します。

自分の英語の実力に不安な人は、疑問詞の勉強をする前に「be動詞・一般動詞」の理解がしっかりとできているかを確認してください。

三単現のS

日本語には動詞の活用によって人称や数を区別するという概念がないので「三単現のS」を理解するのは意外と難しいです。

複数形の時に「s」の規則変化を覚えていれば、覚える負担は最小限に抑えられますが、覚えていなければ、確実に頭が混乱して、やってもやっても頭に入ってこない状況に陥ることになりかねません。

進行形

日本語と英語が1対1で対応しているわけではないので日本人にとって「進行形」を理解することは簡単ではありません。

説明してすぐに理解することは不可能なので

「be動詞+~ing」の形が「進行形」という文法なんだということをとりあえず丸暗記し、時間をかけて「現在形」との違いを理解するようにしましょう。

動詞の過去形

日本語には動詞の形を変えて過去を表すという概念がないので初めて家語を学ぶ中学生にとって「動詞の過去形」を理解するのは意外と難しいです。

しかし、学び始めのときは「過去の時は過去形を使う」とだけ覚えてしまえば済むので、進行形と比べると理解するのは楽だと思います。

不規則動詞を暗記してしまえばどうにかなるので、どんなに遅くても中学2年に進級するまでに、基本的なものは覚えておきましょう。

助動詞

公立中学で習う程度の「助動詞」ならば「be動詞・一般動詞」の理解ができていれば簡単に覚えられます。

どれくらい簡単かといえば

  • can
  • will
  • must
  • may
  • should

以上の基本的な助動詞を塾で説明するときは5分かけずにほぼ全員ができるようになるくらい簡単です。

もちろん、定着させるためにはもっと時間が必要になりますが、助動詞の基本的な使い方を理解するには5分で十分です。

あくまでも「be動詞・一般動詞」の理解ができている前提です。その点は勘違いしないでください。

比較

比較」は細かい部分を理解するとなると相当難しい文法事項です。

しかし、公立中学校で習う程度の比較であれば、比較級・最上級・原級を一から丁寧に教えても30分くらいの解説で大半の子が理解できます。

もちろん「be動詞・一般動詞」の理解ができていることが前提です。

 

繰り返し「be動詞・一般動詞」と言っていますが、それだけ中学1年で習う基本事項が重要だということを伝えたいからです。

うちの塾で中学1年から英語を学んでいる子のほぼ全員が英語が得意科目になっているのは、基礎を丁寧に教えているからです。

不定詞・動名詞

中学1年までは英語が得意だったのに、「不定詞・動名詞」を本格的に習う時期になると急に英語ができなくなる中学生が少なからずいるはずです。

そうなるのは

  1. 中だるみで勉強量が少なくなった
  2. 丸暗記では対応できなくなる

この2つが大きな原因なんじゃないかと思います。

不定詞の副詞的用法と形容詞的用法に関しては丸暗記するには限界があるので理解を伴わせた暗記が必要になります。

とはいっても、所詮中学英文法なので、少なくともうちの塾の授業を受けていれば理解できないなんてことは起こり得ないです。

文型

文型」を理解するには「品詞」の理解が欠かせません。

もし「品詞」の理解ができていないのであれば、「文型」を学ぶ前に「品詞」を理解することを勧めます。。

接続詞

接続詞」は「because」「if」「when」といったものを覚えて終わりという子が多いと思います。

しかし、英語を理解するためにはそれらの接続詞以上に、等位接続詞の「and」の理解が重要です。

「and」なんて簡単だから勉強する必要などないと思っている子は「等位接続詞」をしっかりと理解しておくことを勧めます。

受動態

「be動詞+過去分詞」という形が「受動態」だということを覚えるだけなので、そこまで難しくありません。

しかし、「過去分詞」の暗記が必要になるので、暗記から逃げている子にはかなり難しい文法事項になります。

また、英語の型が定着していないと、受動態で答えればいいだけなのにそれに気づけないということが起こります。

定期テストのように初めから受動態が出ると分かっていたら簡単にできてしまうので、「受動態は勉強しなくても余裕」と勘違いしている子も多くいると思うので、なめずにしっかりと理解してください。

現在完了形

現在完了形」は日本語にない新しい概念なので、中学生にとって理解が難しい文法事項になります。

特に、過去形との違いが分からず混乱してしまう子が多くいるはずです。

私が中学生に現在完了形を教えるときは、混乱を避けるために現在完了形と一緒に使われることが多い単語をセットで覚えてもらうことから始めています。

たとえば「『have+過去分詞』の後に『for』があれば『ずっと~している』と訳せばいいよ」というように教えています。

 

このような教え方を否定する講師も多くいると思いますが、概念まで教えようとすると多くの子が混乱します。

そうすると、現在完了形に苦手意識をもってしまい「よくわからないから丸暗記する」となりかねないので

まずは「この時はこのような訳にすればいい」ということを覚えさせた「現在完了形は簡単」と思わせたうえで、過去形と現在完了形の違いを理解してもらっています。

分詞

塾で「分詞」を教えるときは「形容詞」がどういうものなのかを先に説明しています。

というのは「分詞」は動詞の過去形に見えるけど、文中では主に形容詞として機能しているからです。

形容詞が名詞を修飾するのと同じように「分詞」も名詞を修飾するんだという説明をした後、繰り返し分詞を使った英文を書いてもらえば、大半の中学生は使いこなせるようになります。

関係代名詞

「関係代名詞」は「分詞」と働きが似ているので、「分詞」の理解ができていれば、すぐに理解できます。

福岡県の公立高校入試では、分詞や関係代名詞が含まれる並べ替え問題が頻出です。

そして、英語に苦手意識を持っている子は且つ差がつく問題です。